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純潔の堕天使  作者: 海月-トルテ-
-黄金都市-
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黄金の都

読書の皆様にこの作品を楽しんでもらえますように...。

「へへっ、やっぱりお金はあった方がいいもんね!!」

世界の経済の中心である都市、黄金都市<アウルム>。都市の建物の屋根の上を一人の少女が走り抜ける。

「ふぅ、走った〜!」

都市のマンホールを開け、下水道へと入る。そして下水道にある空き部屋へと入っていく。

「ただいま二人とも〜!部屋はどうなっ...。」

「おかえりなさいフィシルさん。」

「遅いぞ、ただ財布を盗むだけだろ。」

ここは下水道にある空き部屋。それなのに、この部屋には臭い匂いもせず、目立った汚れも見当たらなかった。

「す、すごすぎて逆に引くわ...。」

「いや、なんでだよ。」


この世界に存在するどの集団にも支配されていない都市<スクルータ>からこの都市へ来た三人は、この都市を支配している<フラクセン・ギャザリング>について調査しながら生活している。

<フラクセン・ギャザリング>は、世界一の大富豪「フラクセン」が結成した集団で、多くの人員と多くの武具を揃えていることで有名だ。名のある強者はいないが、それでもその手数と武具の圧倒的な性能で戦闘力をカバーしている。

「マトリサイド君、私の予想だけど、この集団は君の妹と関係ないと思うよ?」

「俺もそう思う。だけど、徹底的に調べておいた方がいい。少しの可能性があるならな。」

マトリサイドの目的は、行方不明になった自分の妹を探し出すこと。彼は幼い頃、妹を誘拐されている。ある日、空から落ちてきた天使のリリーを助けたのは、妹を助けられなかった罪悪感によるものだ。

「でもさ、正直キツいと思うよ?この都市自体の警備は他と遜色ないけど、集団の本部に関してはものすごいセキュリティだからね。」

「関係ない。もし戦うことになれば、その時は徹底的に潰すだけだ。」

「へぇ、それは心強いね。」

「それに、真っ向から勝負する気じゃないからな。」

マトリサイドはこの都市で集めた金品をケースにしまってドアの前に立つ。

「ほら、服買いに行くぞ。」


マトリサイド達はこの都市でもそれなりのブランドの服屋に来た。

「ねぇ、マトリサイド君。なんで服なんか買おうと思ったの?君、ファッションとか興味あったっけ?」

「これは集団が開催するパーティーに参加するためだ。こんな格好じゃ入れさせてすらもらえないだろ。」

「なるほど、マトリサイド君も賢いね〜。」

マトリサイドは数日後に行われる大きなパーティーに参加するために、服を選びに来た。そのパーティーでは他の都市からの客人も来るし、<フラクセン・ギャザリング>のボスであるフラクセンももちろん参加する。情報を集めるにはこれ以上ない機会だ。

「マトリサイド君見てみて〜!」

「あ?なんだよ、今選んで...。」

マトリサイドが見たフィシルは、綺麗な白いドレスに身を包み、綺麗な装飾もしていた。いつもとは違う雰囲気を漂わせていた。

「ふふっ、どうかな?中々に似合って...あれ?お〜い、話聞いてる?」

「ん?ああ、まあいいんじゃないか?ゴミが外見だけ良くしても綺麗になるわけじゃないと思うが。」

「そ、そっか。」

フィシルは明らかに落ち込んだ様子を見せた。彼女も過酷な環境で生きてきたとはいえ、一人の乙女。褒め言葉の一つぐらい貰えないと、悲しくはなる。

「...はぁ、お前、こっちにしろ。」

「へ?」

マトリサイドは、白いドレスとは真逆の綺麗な黒いドレスをフィシルに渡す。

「さっさと試着してこい。僕もその内に選んどくから。」

「う、うん。分かった。」

フィシルはマトリサイドが選んでくれた綺麗な黒いドレスに身を包み、試着室から出る。マトリサイドはいつも冷酷な態度しか取らないから、フィシルのために何かを選ぶなんてことは初めてだ。

「ど、どうかな...マトリサイド君。」

マトリサイドは綺麗な黒いドレスに身を包んだフィシルを視界に収める。そして、いつもは見せない笑みを浮かべた。

「ふふっ、そうだな。やっぱり、お前には黒の方が似合う。」

「...っ!じゃ、じゃあ、これにするね!」

「ああ、好きにしろ。」

決して楽ではない旅。そんな旅でも、フィシルは最高に楽しそうにしていた。

今回のお話、楽しんでいただけたでしょうか?ぜひ、応援よろしくお願いいたします!

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