赤く光る眼光
読書の皆様にこの作品を楽しんでもらえますように...。
「リリー、帰ったよ〜。」
マトリサイドは家に帰るとすぐに違和感を覚えた。いつもは出迎えてくれるはずのリリーが、今日は出迎えてくれないのだ。だが、ただ単に寝ているだけの可能性もある。でも、もしそうでなければ?
「リリー!」
マトリサイドが部屋の扉を開け、部屋の全体を見渡す。そしてすぐに異常に気付いた。部屋の窓が開けられていたのだ。
「...っ!くそっ!!」
マトリサイドは家を飛び出し、リリーを捜しに出る。マトリサイドにとってリリーは光。リリーがいなければ、マトリサイドはずっと暗闇の中にひとりぼっちだ。そんな苦痛をマトリサイドは何年間も経験してきた。だから、もうあんな思いはしたくない。
「リリー!どこだリリー!!」
潮風に運ばれ、嗅いだことのある匂いがマトリサイドに届く。天使は、海にいる。
「リリー!」
「...あっ、マトリサイド。」
リリーのそばには男が立っており、リリーの口元には血が着いている。マトリサイドは、その血をリリーから出た物だと判断した。そして、その瞬間に男の首にナイフを投げた。」
「なっ、お前...!?」
「黙れよ、ゴミが...!」
マトリサイドはリリーに近づき、他に怪我が無いか確認する。そして男の死体を見て、違和感を感じる。この男の片腕の肘から下が無かったのだ。
「...は?」
「どうしたの?マトリサイド?」
マトリサイドはリリーの口元をよく観察する。リリーは怪我などしていなく、それは他の誰かの血だ。そして、リリーはマトリサイドの目の前で何かを咀嚼音を立てて食べ始めた。
「リリー...いったい、何を食べてるんだ...?」
「ん?ほら...こりぇ。」
リリーは人の指を乗せた舌を出して、マトリサイドに見せる。間違いない。リリーは、人の肉を食べた。しかも、骨ごと。いや、それは大して問題では無い。リリーが人を食べるという事実が問題なのだ。
「...美味しいか?リリー。」
「ゴクッ...うん、美味しいよ!」
屈託の無い笑顔。リリーは人を食べる、だから何だ?マトリサイドにとって、リリーは天使。それは揺るぎない事実。リリーがどれだけ残虐な行為をしようと、それは天使の意向。ならば、マトリサイドはそれを受け入れよう。
「そっか...それは良かった!」
翌日から、マトリサイドはリリーの為に人の肉を切り取り、持って帰るようになった。その不気味な行為は、多くの人に知れ渡った。
「やっぱり正解のようね、リーパーを狙うのは。」
「ボス、そろそろ到着します。戦闘の準備を。」
殺人集団として活動する<スカーレット・ギャザリング>。彼女らは死神がいると噂されるひとつの街を目指し、すでに約1km付近まで迫っている。最近では人の肉を切り取り、持ち去るような残虐な行為を繰り返し、未だに誰にも負けた事の無い無敗の死神。それを狙うは、赤く光る眼光の持ち主。
「さあ、このスカーレットを楽しませてくれるのかしら。あの死神ちゃんは。」
今回のお話、楽しんでいただけたでしょうか?ぜひ、応援よろしくお願いいたします!




