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純潔の堕天使  作者: 海月-トルテ-
-無法都市-
3/27

赤く光る眼光

読書の皆様にこの作品を楽しんでもらえますように...。

「リリー、帰ったよ〜。」

マトリサイドは家に帰るとすぐに違和感を覚えた。いつもは出迎えてくれるはずのリリーが、今日は出迎えてくれないのだ。だが、ただ単に寝ているだけの可能性もある。でも、もしそうでなければ?

「リリー!」

マトリサイドが部屋の扉を開け、部屋の全体を見渡す。そしてすぐに異常に気付いた。部屋の窓が開けられていたのだ。

「...っ!くそっ!!」

マトリサイドは家を飛び出し、リリーを捜しに出る。マトリサイドにとってリリーは光。リリーがいなければ、マトリサイドはずっと暗闇の中にひとりぼっちだ。そんな苦痛をマトリサイドは何年間も経験してきた。だから、もうあんな思いはしたくない。

「リリー!どこだリリー!!」

潮風に運ばれ、嗅いだことのある匂いがマトリサイドに届く。天使は、海にいる。

「リリー!」

「...あっ、マトリサイド。」

リリーのそばには男が立っており、リリーの口元には血が着いている。マトリサイドは、その血をリリーから出た物だと判断した。そして、その瞬間に男の首にナイフを投げた。」

「なっ、お前...!?」

「黙れよ、ゴミが...!」

マトリサイドはリリーに近づき、他に怪我が無いか確認する。そして男の死体を見て、違和感を感じる。この男の片腕の肘から下が無かったのだ。

「...は?」

「どうしたの?マトリサイド?」

マトリサイドはリリーの口元をよく観察する。リリーは怪我などしていなく、それは他の誰かの血だ。そして、リリーはマトリサイドの目の前で何かを咀嚼音を立てて食べ始めた。

「リリー...いったい、何を食べてるんだ...?」

「ん?ほら...こりぇ。」

リリーは人の指を乗せた舌を出して、マトリサイドに見せる。間違いない。リリーは、人の肉を食べた。しかも、骨ごと。いや、それは大して問題では無い。リリーが人を食べるという事実が問題なのだ。

「...美味しいか?リリー。」

「ゴクッ...うん、美味しいよ!」

屈託の無い笑顔。リリーは人を食べる、だから何だ?マトリサイドにとって、リリーは天使。それは揺るぎない事実。リリーがどれだけ残虐な行為をしようと、それは天使の意向。ならば、マトリサイドはそれを受け入れよう。

「そっか...それは良かった!」


翌日から、マトリサイドはリリーの為に人の肉を切り取り、持って帰るようになった。その不気味な行為は、多くの人に知れ渡った。

「やっぱり正解のようね、リーパーを狙うのは。」

「ボス、そろそろ到着します。戦闘の準備を。」

殺人集団として活動する<スカーレット・ギャザリング>。彼女らは死神がいると噂されるひとつの街を目指し、すでに約1km付近まで迫っている。最近では人の肉を切り取り、持ち去るような残虐な行為を繰り返し、未だに誰にも負けた事の無い無敗の死神。それを狙うは、赤く光る眼光の持ち主。

「さあ、このスカーレットを楽しませてくれるのかしら。あの死神ちゃんは。」

今回のお話、楽しんでいただけたでしょうか?ぜひ、応援よろしくお願いいたします!

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