トゥルーエンド
読書の皆様にこの作品を楽しんでもらえますように...。
かつて、女神と死神の激しい戦いがありました。その戦いは天使と悪魔も巻き込み、それぞれが大きな被害を受けました。
その戦いで唯一生き残った天使は、人間達に助けを求めました。てすが、人間達はその弱った天使を虐め、監禁してしまいました。絶望した天使は、自分を虐めに来た一人の人間を食い殺しました。すると、天使の翼は黒く染まり、力が湧き出てきました。そして堕天使となった彼女は、その後も人を喰らい続けました...が、やがて疲れ果てて倒れてしまいました。
倒れた堕天使は、一人の青年に助けられました。堕天使はその青年を一目見て、とんでもない事に気付きました。彼は、死神の生まれ変わりだと。堕天使は彼を死神として覚醒させようととある集団を頼りました。その集団は堕天使を崇めていて、快く協力してくれました。彼らは堕天使にある事を教えました。
種を持つ者の心が死した時、神は目覚める。それは、死神の封印の解き方でした。
「リリー...?なに、して...。」
「何って、アルバが言ったんでしょ?フィシルは処理困難物って。」
フィシルはアルバに倒れ込み、リリーはずっと笑みを浮かべている。
「だから、ゴミは処分しとかなきゃでしょ?」
「...あ、ああ、そうだな。ゴミは、処分...。」
アルバは動揺を隠せず、ただ地面を眺める。アルバの心はもう死にかけの状態。リリーは、トドメを刺す。
「何、その目...。」
「えっ...?」
「私、アルバの為にしたのに...なんで?」
「ち、違っ!これは...!」
「もう、アルバなんて知らない。」
「...やめて、くれ。」
「大っ嫌い。」
アルバは俯き、動かなくなる。周囲から黒い液体が湧き出て、アルバの周りに集まる。そして、二つの巨大な黒い翼を創る。リリーは、その様子を見て、涙を流す。
「ああ...!やっと...!!」
アルバの体内にあった死神の封印が完全に解けた。この世に再び、死神が降臨した。
「さあ、始めましょう!死神様、これからは私達が統治する世界を創るの!ああ、とっても素敵!あなたはずっと私の物!!」
死神の封印を解いた者は、死神の主となり、主導権を握る。リリーはその特権を求め、アルバを死神として覚醒させた。
「...アルバ、君。」
「...。」
リリーは微かなその声を聞いて、アルバの方を見る。心臓を貫かれたフィシルが微かに動いていた。
「大、好き...。」
フィシルはアルバの口と自分の口を重ね、そのままアルバに抱かれるように倒れた。リリーはそれが気に入らず、口を開いた。
「死神様、その女を完全に消して。」
「...。」
リリーの命令に、アルバは動こうとしない。死神の行動の主導権はリリーが握っているはず。だが、動かない。
「どうしたの?これは命令だよ?」
「...が。」
「えっ?」
アルバは顔を上げ、堕天使を睨む。
「汚い、ゴミが。」
「っ!」
一瞬、アルバから殺気が放たれ、堕天使は距離をとる。死神からの殺気、それは死刑宣告と同じ。
「ふ、ふざけないでよ...!こんな事があり得ていい訳がないじゃん!」
堕天使は六つの黒い翼を生やし、力を解放する。こうなった以上、アルバに勝たない限り、彼女は殺される。それは、彼女にとって最悪な事。
「はあああああっ!!」
堕天使は無数の弾幕を飛ばし、自分自身も翼で攻撃する。その攻撃によって地は割れ、天すらも割れる。その規模の攻撃。だが、それは全て吸収された。
「...もう、いい。」
「っ!」
巨大な翼が広がり、アルバが大鎌を振りかざす。大鎌からは黒い瘴気が立ち上り、赤い光を放つ。
「待っ...!」
「<処刑>。」
アルバは大鎌を振り下ろした。それによって放たれた斬撃は、通過する全てのものを消し去った。
「...っ。」
僕は、誰もいなくなったこの世界で、一人泣いた。
ずっと目を背けていた。失ってから気付くとは、こういう事なんだろう。
「フィシル、今までごめん。僕は、本当に駄目な奴だ。」
謝っても彼女に聞こえはしない。冷たくなってしまった彼女を抱きかかえて、僕は歩き出す。僕は、彼女と出会った、あの都市に来た。
「...フィシル、もし生まれ変わったら、また君と出会って...今度はちゃんと君に恋をしたい。」
欲を言えば、もう一度だけでも君の声を聞きたい。そう願った。
『うん、待ってるよアルバ君。』
「っ!」
声がした。もしかしたら幻聴かもしれないし、霊にでもなった彼女が声を聞かせてくれたのかもしれない。でも、もうこれで心残りはない。
「待ってろよ、フィシル。<輪廻転生>。」
僕は、世界を丸ごと創り直す。片翼の堕天使になっていた君は、あの時の僕にとっては...<純潔の堕天使>に見えていた。だから、僕は綺麗な君に再び出会って、恋をする。
今回のお話、楽しんでいただけたでしょうか?ぜひ、応援よろしくお願いいたします!




