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純潔の堕天使  作者: 海月-トルテ-
-輪廻転生-
25/27

半魔の子

読書の皆様にこの作品を楽しんでもらえますように...。

「天使様、なぜあの男にそこまで執着をなさるのでしょう?」

彼は堕天使に聞いた。なぜ、リリーがアルバに執着するのか。リリーにとって、人類は蟻のように簡単に潰せるとても弱い生物。それなのに、リリーはその蟻に異常なまでに執着している。それは、歪んだ感情にまで達している。

「何?不快?」

「いえ、ただ少し気になりまして。余計な事を聞きました。」

「いや、いいよ。君は信頼しているから、特別に話してあげるよ。」

そしてリリーは、この世の者とは思えない程に不気味な笑みを浮かべて口を開いた。

「彼は、<死神リーパー>だから。彼は、私より強いから。」


「ぐっ...!くそっ、隙がない!」

「休んでいる暇はありませんよ!」

フィシルと黒い男が激しい戦いを繰り広げる。絶え間なく続く攻撃で、フィシルの体力はみるみる削られる。

「はっ、はっ、はっ...!」

フィシルは物陰に隠れ、一時的に攻撃を凌ぐ。このまま消耗戦に持ち込まれたら、フィシルは負けてしまう。

「よっ、フィシル。」

「なっ!?お父さん!?」

「しー、あんま大きい声出したらあいつにバレるやろ。」

フィシルの前に現れたレイジーは、三つの黒い翼を生やして、すでに戦闘態勢に入っていた。

「でも、まだ怪我が...。」

「おう、だから俺は戦わんで?」

「へ?」

レイジーの怪我はまだ少ししか癒えておらず、とても戦える状態ではない。だが、レイジーはとある目的のためにフィシルの前へ現れた。

「堕天使の力を持った俺と、あの馬鹿力の子供のお前にはその力は大き過ぎたんよなぁ。ほんま怖いわ。」

「えっ、何言ってるの?どういう事?」

「でも、きっと今のお前なら大丈夫や。耐えられる。」

レイジーはフィシルの頭に手をかざして、魔法陣のようなものを展開させる。

「ねぇ!なんなの一体!?お父さん!」

「なぁ、スカーレット。俺らの子は、立派に育ったで。」

「えっ...?」

その瞬間、魔法陣が割れ、フィシルにかけてあった封印が解除される。堕天使の力を持つ者と、人類最高級の力を持つ者の子。それが彼女、最年少にして異名を与えられた少女。

「っ!この気配は、どこかで...!」

「さあ、行って来いフィシル。俺にかっこいいとこ見せてくれや!」

「うん、行ってきます!」

「...そして、俺らの仇も打ってくれよな。」

建物が崩れ、あの男の真上に一人の少女が舞う。彼が見たフィシルは、明らかにおかしな点があった。

「はあああっ!」

フィシルは急降下し、地面を割る。彼は目撃した、黒い片翼を持つ、悪魔の姿を。

「そうですか!あなたが、10年前に我々が見失った悪魔の子!まさか、こんな偶然があるとは!!」

「へ〜、私を探してたんだ?」

その時、あの男の視点が急に変わった。さっきまでいたはずの場所が遠い所にある。そして、彼は全身に激痛を感じた。

「...は?」

「お〜、ずいぶんと飛んだね。」

彼の身体は一瞬でボロボロにされ、血だらけになっていた。それの元凶と思われる人物は、彼の頭上にいた。

「っ!くそっ!!」

彼は空高く飛び、逃走を開始する。片翼しかないフィシルはまともに飛べる訳もなく、飛ばれたら為す術がない。それは、間違った認識だ。

「がっ...!」

彼の背中に大きな針が刺さった。それと同時に、彼は引っ張られる。

「これは、ワイヤー!?まずい、このままでは...!」

「お・か・え・り。」

彼の胸部にフィシルの拳が触れる。彼は短い時間の中、フィシルの顔を見つめた。レイジーやスカーレットと似た赤い眼光。そして、彼女に生えている堕天使と似て似つかない黒い片翼。笑みを浮かべ、殺しを遊びのように楽しむ彼女の姿は、まさに。

「悪魔め...。」

彼の身体全体に衝撃が伝わり、破裂する。血を浴びる少女はかつてのスカーレットのように笑い、いつかのレイジーのように冷静だった。

「さて、アルバ君の所に行かないと。」

たった今、史上最年少にして最強の半堕天使が完成する。

今回のお話、楽しんでいただけたでしょうか?ぜひ、応援よろしくお願いいたします!

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