廃棄可能
読書の皆様にこの作品を楽しんでもらえますように...。
「ああ...あああああっ!嘘だ!嘘だ嘘だ嘘だ!嘘だぁ!!」
「アルバ君!しっかりして!」
「僕がもっと早く来ていれば!そもそも、僕がリリーをちゃんと見ていれば!リリーは、こんな...!」
アルバは目の前に血を流して倒れている少女を、本名ではなく愛称で呼ぶ。「リリー」は、リリアーナの愛称だった。
「誰だ...誰が殺った!殺す!殺してやる!首を絞め上げて水に沈めて崖から落として眼球を潰して皮をはいで肉を切って内臓を抉り出して!この世で一番最悪な死に方を!一番苦しむ殺し方を!」
「...アルバ君。」
アルバは深く息を吸って立ち上がる。そして、この世で一番臭い匂いを放つ存在を追う。あの黒い翼を持つ者、それがこの世で一番汚いゴミ。
「フィシル、行くぞ。」
「...うん。」
あの匂いの源は、そう遠くない所にある。この都市の地下深く、<アンヘル>はそこにいる。
隠されていたエレベーターで、アルバとフィシルは地下へ降りる。どんどん匂いが強まる。邪悪な、臭い匂いが。
「アルバ君、私が着いてるからね。」
フィシルはアルバの手を握り、アルバを落ち着かせる。今の彼はとても不安定な状態だ。だからこそ、誰かがそばに居てあげないといけない。
「...ああ。」
エレベーターが地下に到着し、扉が開く。アルバは歩き出し、フィシルは後に続く。地下には都市が広がっているが、その都市には誰も住んでいない。ただ、街中の中央にある巨大な塔に向かって地に頭を着いている死体があるだけ。
「おや、お待ちしておりましたよ死神様と悪魔様。あなた方は、あの方のハッピーエンドの為に欠かせない...。」
その瞬間、ペラペラと喋っていた黒い男の首が飛ぶ。男の背後にはアルバが居て、アルバが持つナイフからは血が垂れていた。
「黙れよ、ゴミ屑が。」
アルバが奥へ進もうとした瞬間、首が飛ばされたはずの男の身体から四つの黒い翼が生え、首が再生する。その姿は、まさに堕天使。その気配は、まさに化け物。
「いやぁ、驚きましたよ。まさかこの私ですら動きを追えないとは。やはりあなたは危険な存在ですね。」
「このっ...!」
アルバが再び切りかかろうとすると、アルバを目掛けて何かが飛んでくる。アルバは咄嗟にナイフを構えて、飛んできた物を受け止める。それは、四つの黒い翼が生えたレークスだった。
「っ!お前...!」
「アルバ君!」
レークスと共に飛んでいくアルバを追いかけようとしたフィシルに、あの黒い男が立ち塞がる。
「さあ、あなたの相手はこの私ですよ。デビル。」
「ちっ、やってみなよこのゴミ屑野郎!」
アルバはレークスを躱し、地に降り立つ。アルバの目に映る彼には、自我が無かった。
「...。」
「そういう事かよ。お前は強い奴だとは思ってたんだけどな。まあ、ゴミ屑はゴミ屑。殺す。」
死神と悪魔は、それぞれが堕天使の力と対峙した。ゴミ屑、死神と悪魔は、堕天使を廃棄可能なゴミだと判断した。
今回のお話、楽しんでいただけたでしょうか?ぜひ、応援よろしくお願いいたします!




