家族との再会
読書の皆様にこの作品を楽しんでもらえますように...。
約10年前、当時7歳のフィシルはこの都市で<アズール・ギャザリング>に所属していた。
「よぉフィシル!相変わらずちっこいなお前!」
「うるさいなぁ、仕方ないでしょまだ7歳なんだから。」
フィシルの頭を撫でながらフィシルをいじるのは当時集団のボスであったネイビー。彼だけでなく、集団の全員がフィシルを自分の娘のように可愛がっていた。
「ねぇネイビー。」
「ん?なんだフィシル。」
「結局、私のお父さんって誰なの?」
ネイビーを含む集団の人間は全員、フィシに自分が父親だと言う。フィシルは物心ついた頃からそうだったため、本当の父親を知らない。
「...そうだなぁ。フィシルが18になった時には分かるんじゃねぇか?」
「ふ〜ん、じゃあその時はちゃんと教えてよね!」
「いいぜ、約束だ。」
その翌日、フィシルは都市から消えた。彼女がなぜ消えたのか、それは本人すら知らない。彼女が目覚めた時には、すでに無法都市にいた。
「懐かしいなぁ。」
「フィシル、リリーを返すように言えよ。お前のお願いなら聞いてくれるんじゃないのか?」
「それは無理だね。<アズール・ギャザリング>は、一度捕まえた獲物は逃がさないから。」
アルバは路地裏から顔を出して辺りを見渡す。いつまでも路地裏で隠れている訳にはいかないし、そろそろ攻めるべきだ。
「アルバ君、真っ向から戦わない方がいいよ。もしネイビーが衰えてなかったら、彼に勝てる可能性は低いから。」
ネイビーはその場で瞬時に思考し、自慢の剛力を利用し、確実に敵を仕留めにいく。ネイビーに地の利があるこの都市で、彼に敵う者は一人や二人もいるかどうか分からない。
「...まあ、真っ向からしか選択肢は無いみたいだけどな。」
「えっ、どういう...。」
アルバがフィシルの手を引っ張り、路地裏から走り出す。その瞬間、路地裏付近の建物が半壊し、路地裏から大男が飛び出す。
「すげぇなお前!名前は!!」
「お前に名乗る名前なんかねぇよ!!」
ネイビーがアルバに飛びかかると同時に、ネイビーがフィシルの顔を視界に入れた。その瞬間、ネイビーは地面を蹴り、建物の上に飛び乗る。
「...今まで、どこ行ってたんだよお前。なぁ...!フィシル...!!」
ネイビーの目からは大量の涙が零れ落ちており、アルバはその隙にネイビーの後ろに回り込んだ。
「...!待ってアルバ君!!」
「うるさい、もう手遅れだ!」
アルバの刃がネイビーの首にかかる。だが、ネイビーはその刃を掴み、アルバを投げ飛ばす。
「...!?化け物が!!」
「おいおいおい、親子の感動の再開を邪魔するんじゃねぇよ。俺は今、やっと夢が叶ったんだぜ...?」
ネイビーは建物から飛び降り、フィシルの方へ歩き出す。そして、フィシルの顔を覗き込む。
「フィシル、お前どこ行ってたんだ。俺がどれだけ心配したと思って...!」
「うん、ごめんネイビー。私も何が起きたか分からなくてさ。それより、今は話があるんだ。」
アルバはネイビーとフィシルの様子を見て、刃をしまった。ここで交渉が出来るかどうかで、これからの行動が変わる。
「リリーを、翼の生えた少女を返して欲しい。」
フィシルの言葉にネイビーはしばらく考え込み、口を開いた。
「なんの事だ?」
「え?」
「俺らは、そんな奴知らねぇぞ?」
今回のお話、楽しんでいただけたでしょうか?ぜひ、応援よろしくお願いいたします!




