曲がった感情
読書の皆様にこの作品を楽しんでもらえますように...。
「話をまとめると、お前らは僕らには危害を与えない。そして、人攫いについての情報も話すと?」
「まあ、危害を与えないのはこの都市から出るまでですがね。」
現在、マトリサイド達は互いに警戒をしながら話をしている。約束があるとはいえ、それはただの口約束。完全に信用は出来ない。
「ならさっさと教えろ。僕は先を急いでるんだ。」
「人攫いをしているとの噂がある集団があります。その集団は、<アズール・ギャザリング>。あの集団は<スカーレット・ギャザリング>と睨み合いの状態にありました。」
「僕からしても、あの集団は気に食わない。とても正義と近しい集団ではないからな。」
フラクセンとレークスはぺらぺらと情報を話す。口約束とはいえ、フラクセンとレークスにとっては契約のようなものだ。
「場所は?」
「ここから西にまっすぐ進んだところに都市があります。まあ、山を挟みますが。」
「分かった。じゃあ、僕らはもう行く。」
マトリサイドは情報を聞くと、すぐに歩き出した。その後ろを、フィシルとリリーが追いかける。そして、レークスはその後ろ姿を睨み付ける。
「どうかしましたか?レークス。」
「あの少女がどうも気になってな。」
「おや?あなた、ロリコンでしたっけ?」
「ふざけている場合じゃないぞ、フラクセン。ブラッドから感じた気配とあの少女の気配は一致している部分があった。ただ種族が同じようなものなのかもしれないが、おそらくはあの少女が...。」
その瞬間、フラクセンとレークスの背後で物音がした。気配は無い。だが、確かに誰かがそこにいる。
「ニ、逃ゲ...逃ゲナサ...イィ。ケケ、ケイコク...!」
「ブラッド...まだ、生きて...。」
彼女の首は繋がっていて、リリーと同じ透き通っている美しい目をしていた。だが、彼女は異形の手を自身の胸に刺し、そのまま目に赤い光を取り戻した。
「レークス、フラクセン。あんた達は、あの化け物に利用されないでちょうだいね?」
スカーレットは倒れ、赤い塵となって風と共に消えていった。フラクセンとレークスは、その光景を見て、共通の意志を抱いた。
「レークス、あなたの集団に物資を支援しましょう。」
「それはありがたい。共に協力し殺すぞ、あの堕天使を。」
「マトリサイド、今日は助けてくれてありがとうね!」
「...リリー。」
マトリサイドは自分に微笑むリリーを冷たく、恐ろしい目で見つめ、口を開く。
「僕の許可無しに外に出るな。お前は、僕のたった一つの宝物なんだ。」
「ちょっ、マトリサイド君!そんな言い方...。」
リリーは立ち止まり、マトリサイドはそのまま進む。フィシルはリリーを慰めようと、リリーの顔を覗き込み、息を飲む。
「はぁ、はぁ、はぁ...!!」
俯く堕天使は、頬を紅潮させ、顔に笑みを浮かべていた。フィシルにとってその光景は、恐ろしくあり、不快でもあった。
「最っ高...!」
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