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転落






「えっくち!」


うぅ...なんか......さむ...てか、冷た...。

いや...痛、痛い、いったい!!


急激に覚醒する。

目を開けて最初に見えたのは灰色の空、

と吹雪。


吹雪?!

ちょっと待て、どう言う状況だ?

いや、こういう時こそひとまずクールになろう。

うん。身体がキンキンに冷えてるおかげで、すぐに冷静になれたわ。


それじゃあ取り敢えず状況を整理しよう。

確か俺は一度死んで...駄々こねてたらなんか偉いそげな人が来て...なんだかんだ転生することになったはず...。


ハッ!俺はもう生まれたのか?!


確認しようと慌てて身体を動かすが、上手く動かないし起き上がれない。どうにか腕をあげると、視界に小さな手が加わった。


おおぅ、このなんとも愛らしいおててはベイビー!

赤子だ!俺は今、赤子なのだ!

よし!今までの情報から、現在の状況を推理してみよう。


生まれたてベイビーの俺、イン吹雪!


つまり、転生したら吹雪の中でした!


............どうゆう事やねん!!!!

赤ん坊が吹雪の中でどないしろっちゅうねん!!!!


あ、待って限界寒すぎ無理。

だってもう寒い通り越して痛いもん。

ちょっと見てよこの手、パンパンよ?

こんな幼気な赤子の手がパツンパツンになってるよ?


「あぅああぁう!」


全然喋れんやん。

まあ、赤子だしね。


てか親どこ?

父さーん!母さーん!


「ぉおうあー!あぁあーぃ!」


やだなんて可愛い声。

ほーらこーんな可愛い声が呼んでるぞっ!

母さああああん!!


「あぅああぁああい!!」


可愛い息子が死んじゃうよっ?

ほらほらー!急げ急げっ!

とおおおさあああああんん!!!!


「ぉおおぉああああぁうぅ!!!!」

「やかましい!!」

「ぇくっ?!」


何!?めっちゃびっくりした!!


誰っ?どこっ?父さんなの?

って...吹雪の中、息子放ったらかしといて、やかましいって...そりゃないでしょ!

なんだぁ?今度の親はネグレクトか?


てかさっきから一行に姿が見えないんだけど、どこいんの?

てかちゃんといんの?


すると、ふいに視界が暗くなって...............

現れたのは、でっかい...でっかい.........




ドラゴンンンンンンンンンン!!!?



どっどどっどらどらっどらっ


どらごん!

ドラゴン!!

DRAGON!!!!


怒羅厳(ドラゴン)!!!!!!!!


「おぉあおおおおおおおお」

「やかましいいいいいいいいい!!!!」


吹雪を吹き飛ばすほどの爆音が響いて、


バチンと何かが耳もとで弾けて、


ッつ、静かに...


あれ、なんか...息......できな.........





あ、落ちる。









「うわあああああああああああああ!!」


ガバリと思い切り起き上がる。

ハァハァと肩を弾ませながら辺りを見渡すと、そこは見慣れた部屋。


「あ、れ...ここ......俺の部屋...?」



.................................ゆ、め?


あ......え...?何?今までの、全部夢...?

...ええ?!夢!?夢だったの!?

今までの!!全部!!夢!!

ゆ!!め!!!!


あははは!なあーんだ夢か!!

夢だったのかよーぉ!!あはははは!!


あはははははは!!あははははははは!!

夢かー!!ははははっ!!ははははは!


はははは、ははっ


ははは...はっ......


「...ッはあぁー......良かった...」


ベッドの上、体操座りで小さくなる。

身体が小刻みに震えている。冷汗が止まらない。


死んで、生まれ変わって、また即死って...


「さすがにビビるって...」


メン強の俺でも結構キツいぜ...?

いやー!もう悪夢ですわ!


「まあでも夢だし!」


切り替えてこう!もう終わったことさ!

気にしない気にしない!


「はー!生きてて良かった!」



突然、ピカっと視界が白む。


「なんだ...?かみなりっ」


刹那、鋭い痛み駆け抜け、次いで全身が痺れる。


「お、ち......た...?」



いや、今はそんな事より、



また......






「ッハァッ!!」


息を吸い込んで目を覚ます。

静かだ...。ここどこ...?

あれ、俺...、あ、吹雪いてる。

でも全然寒くないや。

むしろ全身が焼けるように熱いような。



「ッ!」


なんだこれ。耳痛い...ってか身体中痛い...。


どう言う状況か、確認したくて腕を挙げようとするが動かない。

すると代わりに、ドラゴンが視界の中に入ってきた。


ドッ、どらっドラゴッ...!!


............ドラゴン。

うん、ドラゴンだね。

さっきのドラゴンだわ。


ドラゴンは何か喋っているようだが、聞こえない。というか何も聞こえない。

もしかして鼓膜破れてんのか?


ああ、じゃあコレあれか。

こっちが現実か。

はー、まじか。

いやー、生まれてすぐ聴力失っちゃうとはね。

じゃあ、今世はもう音楽聞けないのか...。

...ちょっと寂しい。


だがしかーし!まだ絶望する段階では無い!


何故なら俺は生きてる!

死んだと思ったのに生きてる!

なんかちょっと得した気分になってきたぞ!

お金貸したの忘れてて、急に返って来た時みたいな。そんなお得感。


それに何より、生きてさえいれば俺はモテるんだ!

きっとこれは試練!


ふっふっふ!何度だって蘇ってやるぜ!

そう!まるでゴキ...ッ不死鳥のように!!


一ほう、それは良い意気込みだ一


えっ。


突然、頭の中に直接声が響く。


何コレッ...社長の登場シーンみたいっ。


一お前は何を言っておるのだ?一


ドラゴンが徐に、俺の腕を爪でつまんでを引っ張りあげる。


あ、すいません起こしてもらって...って首!まだ首据わってないから!

...ってあれえ!?そのまま持ち上げちゃうの!?

俺ぶらんぶらんなってるよ!?


一全く、お前は心の中までやかましい一


おい!人の心勝手に読んどいてなんて言い草だっ!

っで、ぁいだああ!!ってぇええええ!!

ちょっと!脱臼しましたよ今!肩!

外れちゃったわよ!!


クッソーッ!癖になったらどうしてくれるんだ!!


ー案ずるな、お前の身体はそんなヤワな代物では無いー


何適当な事言ってんだ!他人事だと思って!


............え、アレ?何コレ、落とし穴?

いつの間にか足元無くなってるんだけど...。


一うむ、一万二千メートル下の迷宮最下層まで、まっすぐ突っ切る近道だー


いちまん、にせんめぇとるだってぇ!

わぁ!すっごくふかぁい!!

でもぼく、ふつうのみちがしりたいなあ!


一そう焦るな、また後日改めて教えてやる。

なに。生きる意志さえあれば死にはせん一


いや、ね?ドラゴンさん?貴方にあって俺にないものってなーんだ?


一そんなもの決まっておろう一


「全てだ」

「ぇうっ」


瞬間、ドラゴンがパッと手を放す。


一瞬の浮遊感の後、


ぅおおおちぃるぅうううううううう!!!!




ああそうですね!!

良く分かってるじゃないですか!?


でもね!!今!!

あえてひとつ取り上げるなら!!



はぁあねぇえだああよおおおおおお!!!!



クソッ何か無いのか!

掴まれるもん...って身体動かねえ!!


ああっクッソ!時間無い!

なんか...なんかって何があんだよ!!


クソ!クソ!クソ!あのクソトカゲ!クソ!

とにかくっ!何か策を...ッアア!

うるせえよ風!!


クソ!クソが!!ドグソトカゲがあ!!!!

死ぬ!?!?ここで!?!?


ハァ?


フザケンな!!!!


こんなんでぇえ!死んでぇえええ!!

たァまるかあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっ!!!!






時が、止まった。


いや、時が止まったかのようなスローモーション。

ゆっくりと迫ってくる暗い地面。

動かない身体。


あの時と、同じ。

死ぬ前の...。


あれ、そういえばさっきから、






なんで音が聞こえるんだ?













べしゃっ。

誤字脱字、教えていただければありがたいです。

素人文ですので、意味違いや不適切な表現等あるかもしれません。

その際もこっそり教えていただければ^^

できる限り対応致します!

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