頭がちくわの人と出会ったのです
2020年冬ごろの作品
私の名前は青山ルミ。 なんの変哲も無い中学生なのです!
「おーい! ルミー! おっはよー!」
校門をくぐろうとする私は、お友達の緑山マミちゃんに話しかけられたのです。 この子は一年生の時に同じクラスになったのです。名前が色と山ってつくのが同じだねーみたいなお話をして仲良くなったのです。
「マミちゃん、おはようなのです!」
「今日さー、ちくわが化け物になる夢を見たんだー」
「ちくわ? 不思議で面白い夢なのです。現実になったら面白そうなのです」
他愛も無い冗談をかわしながら、私は昇降口にマミちゃんと一緒に入って行くのです。
――私はまだ知らなかった......この冗談が現実になるという事に......なのです。
放課後......
「ルミ―! 一緒にかーえろ!」
私とマミちゃんは別々のクラスで帰りのホームルームが終わる時間が少しだけ違うのです。大体、私のクラスの方が遅いので、マミちゃんはいつも待っててくれているのです。
「お待たせなのです。早速一緒に帰ろうなのです」
マミちゃんと一緒におしゃべりしながら校門の外まで来たのです。その時!
「私ちくわ」
!? 一体何なのです!? 目の前に、頭がちくわの人がいるのです!?
「えぇー! ウチの夢が正夢になっちゃたよー!」
マミちゃんが思いっきり飛び跳ねているのです。
「ちくわ......好き?」
ちくわの人が話かけて来たのです。ここで答えを間違えたら襲い掛かってきそうなのです。なんとなくそう思ったのです。きっと口裂け女とかと同じ様な感じなのです。
「好きだよ!」
「好きなのです!」
私とマミちゃんはとっさにそう答えたのです。嫌いと言ったらきっと怒るのです。
「ポっ......ありがと......」
ちくわの人が照れているのです......結構ちょろいやつなのです。ぼーっとその姿を見ていたら、ちくわの人は満足したようで、帰って行ったのです。
「なんだったんだろうね」
「謎なのです」
不思議そうに首をかしげるマミちゃん。考えても仕方ないので、とりあえずお家に帰る事にしたのです。マミちゃんとおしゃべりしながら歩いて、途中の十字路でお別れしたのです。
「ただいまーなのです」
「おかえりー」
家に帰ってきたのです。お母さんが晩御飯を作っているのです。
「今日のご飯は何なのです?」
「ちくわよー!」
「!?」