戦況の変化
ジェコス・ゴリナンデスだっけ?
あのゴミクズ騎士が魔人ボスの正体だったとは、これは因縁……いや、待て待て。もしかしてこのスタンピードの原因って、アタシ!?
いや、それは違うよね。ジェコスが原因としても混沌の渦が切っ掛けだろうし、ゴミクズの責任なんてアタシは知らないよ!
しかしこれで、奴がメスガキとか騎士団とかに拘ってるのは判った。
今度こそ、こいつは直接、息の根を止めてやる!
ペネロッテとジェコスが対峙している一方、他の仲間達は魔人騎士団を減らす為に戦闘を続けていた。その戦果は目覚ましく、また、魔人騎士団の敵意を引き付けていたがために、騎士団や冒険者達の建て直しも進んでいたのだが。
ランテルムより、公爵家の旗印の一団が現れる事によって戦況が一変する。
魔人騎士団の敵意がそちらに向いてしまったのだ。
それにいち早く気付いたのはアリシアが元々公爵家メイドであったからか。
「お嬢様!あれは公爵様の本陣です!ですが、このままでは魔人が!」
「お父様もタイミングが悪い!飛ぶ暫撃に対する対抗策があるのかしら?」
「ボク達も合流して壁を動かそう。ナツコ君、行けるかい?」
「行けるけど、壁が一度消えるから移動中は注意しなさいね!」
マーニャが本陣近くまで氷の摩力を走らせる。それは即席の氷の壁となって、仲間達を安全に移動させる道標となった。
「マーニャ、アンタナイスよ!」
「皆さん、こっちですわ!」
ピナッチが保護していた冒険者や騎士達を先導する。
襲って来るモンスターには、ミシェルが付着する炎を用いた焼夷の壁を放って牽制し、やがて、ランテルムに所属する味方は、ペネロッテを除き全て街の正門前に集合することが出来た。
ユリースは人混みを掻き分け、公爵の元へ進み話し掛ける。
「お父様!魔力の壁を広げないと、飛ぶ暫撃にやられてしまいます!」
ランテルム公爵は愛娘の無事を安堵したが、直ぐに表情を変えて配下の魔法師達に指示を出した。
これまでの戦況把握により理解していたのであろう、水の壁が前方に展開される。冒険者の中の魔法を使える者も同様にし、その他遠距離攻撃手段を持つものは、敵を削り始めた。
。
「【炎熱】を命に変えても守れ!」
「負傷者は後退しろ!」
「マナ・ポーション持ってこい!」
魔人騎士団以外にも、大猪や大熊、巨大蟻や巨大ムカデ等がまだまだ居る。冒険者も騎士団も一丸となって正門を守るが、如何せん、魔人騎士団が居るために攻めに転じられない。
何か打開策が無いのかと、その場の誰もが思うのだが。それを発見したのが誰なのかは分からない。
「なんだ、あれは?」
空を見ろ!鳥だ!飛竜だ!○○だ!




