公女とメイド
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「私はお嬢様のメイド兼護衛のアリシアと申します。」
そう自己紹介して、アリシアさんが語りだした事によると。
ユリースに間違った情報が与えられたのは1個目の虹魔石が用意された時の事。慕っていたアーダンの死に動揺したところに、ゴリデスに近い考えの騎士がゴリデスと同様の間違った情報を与えてしまったらしい。それは、アーダンの評価を高める事と冒険者を貶める事によって、ユリースを慰める事が目的であったようだが……
その騎士は早速、減給処分を受けたとの事。そして、ユリースは。
「私は今回の罰として、家を追放されました。冒険者として生活し、ランクBになるまで帰ってくるな、と」
元々、魔暴症により寝たきりが多かったユリースは、魔術書を読んで過ごす事が多く、魔法使いとしての知識だけは豊富らしい。そこに、操作可能となった豊富な魔力を使いこなせれば、魔法使いとしては良いところまで行くのではないだろうか。
しかし、ランクBになるまで帰ってくるなとは、ランテルム公爵も結構厳しい条件出したね。
「公爵様は、これまでのお嬢様に対する過保護な教育方針により今回大変な失礼をしてしまった、と悔いておられます。ましてやランテルム家はペネロッテ様に二重にご迷惑をお掛けしました。厳罰を持って今回は処するとの仰せです」
これが厳罰なのか、意外と羽根伸ばせるのかは、本人次第ってところかなぁ。
「それと、こちらはお詫びの品々になります」
アリシアさんが取り出したのは重そうな革袋と手紙、それからくるくる巻かれた羊皮紙。
革袋の中をチラッと見ると、金貨がたくさん。多分、50枚は入ってる?!
「このお金は返すよ。昨日もお金は受け取らないと言ったはず」
「受け取らないと言われてもこちらも困るのですが……判りました。受け取って頂けるまで、こちらでお預かりします」
アタシの意思が固いと思ったのか、アリシアさんは折れてくれたけと、隣でユリースがまた落ち込んでる。とは言え、アタシの感情はまだ整理仕切れてないし、ユリースを許す気にもなれないのだ。そこは、今後のユリースの振舞いを見て、どうなるか、だな。
手紙は謝罪文だったけど、最後の方に、勝手ながらも、冒険者の先輩としてユリースを気に掛けてやって欲しい、と。人使いが荒いのか上手なのか。
羊皮紙は、畜産農場やチーズ、バターの加工場への、見学許可証だった。この話も本当はしたかったので、これはありがたい。多分、ギルドマスターのザムトーさんが伝えてくれたのだろう。
そう言えば、ギルマスとしても、ユリースには目を掛けないとならないんだろうなあ。贔屓にならないように、そして、変な冒険者に絡まれないように。ザムトーさんも大変だ。
よろしければ拙作もご覧下さい。
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