女子高生オーガ?
唐突に、アタシは自分の前世が日本の女子高生だったことを思い出した。でも、名前とか細かいことまでは覚えてないや。ぴえん。
覚えてることと言えば……背後からの殺戮。
えっ!これ女子高生の記憶?!
ああ、多分ゲームだ。影に潜むアサシンプレイ。そして影の怪物を倒す。ルブラ○カレー食べたーい。
いや、そーじゃなくて。
電車通学。ブレザー。学校帰りの原宿。ナンパ男。しつこい。待ち伏せ。返り討ち。数には勝てず……
やっぱ、ヤローのチン○はタピオカストローぶっ指して、タマはすりつぶして、玉皮でイカトックリの刑にしないと駄目っしょ!
あー、実際に出来ないしやれないし、でもそう考えちゃう位の事が前世であった……らしい。
だからか!今や、立派なオーガ!メスゴリラならぬメスオーガかぁい!
しかし、なんかこのままじゃ、死にそうだよね。でも、オーガとして生きるってのも、前世思い出したからには、チョイ辛~。
生肉齧りはオーガの主食だけど、ちょっと何言ってるか判らないです状態。
イヤー、今さらバイオレンスな文化に戻るのはヤバス!
まあ、短い人生、いや、オーガ生の中で、幸いにも食人はまだしたことなかったけど……ハイ、ウルフとか敵オーガは食べた事が……うわあ、イヤだーー!
とか、頭の中ぐるぐる考えてたら、なんだか眠くなってきた……来世はもっと楽しい生き方したいなあ……
などと思ったのは確かですよ、アタシ。しかし、今のこの状態はどーなってんの?
気がつけばお日様の下、寝っ転がってた。身体はオーガの緑色の体色じゃなくて、肌色。手足は見るからに華奢。近くに小川があったので、そこまでトテテテと近づいてみると、水面に映るのは、中々可愛い女の子(裸)。
あれぇ?あたし、転生した?!
一方、時を戻して、ゴンドワ渓谷。
ペネロッテを混沌の渦に放り込んだオージンは、ズワルス部族に激を飛ばす。
「オマーナチ!デザセン、エレレウホ!(今のうちだ!デザセンの奴らも放り込め!)」
そこからは修羅場となった。デザセンの酔っ払った連中は、混沌の渦に放り込まれたり、棍棒で頭を打ち砕かれたり。
むろん、まだ酔いの少ない連中は、戦い始めたが、そもそも、本格的な抗争は、ここ暫くなかったのだ。小競り合いはあっても本格的な戦の経験者は両部族共に少なく、デザセン最大戦力のペネロッテも、崖から離れた山上の大婆に一年前まで修行をつけてもらっていたから強くなれたのである。
そんな中、デザセン部族長、ペッチンガはズワルス部族長ガンジンに首元を齧り取られていた。
「(不覚……ペネロッテめ、あれほど大人しくしておれと言ったのに。さすれば、統一後にズワルスの寝首を欠くのも容易かったものを……)」
ようは両部族とも、お互いにどっちもどっちなのであった。
ガンジンが叫ぶ。
「デザセンパオン、トッタドー!(デザセンの首、取ったどー!)」