アイスクリーム普及に向けて
どうやら、アイスクリームの美味しさと冷たさに皆さん衝撃を受けた様子。どうにかしてこれを産業化出来ないかと議論が始まったのだけど……
「ペネロッテ、なにかアドバイスないか?」
エデンさんが仕切り役でアタシに意見を求めてきた。
う~ん、まずは効率良く冷やしながら撹拌する道具の開発と、完成したアイスクリームを冷やしたまま保存する技術、それから簡単に食べられるように使い捨ての器と木ベラを用意出来なきゃダメだね。それに、他の街まで新鮮な牛乳を届ける方法も必要だと思う。
器については、こんな感じ~と絵を描いて見せた。固めのワッフルコーンだ。これを焼く、専用の機械も必要なんじゃなかろうか。
「なるほど。これならなんとかなりそうだな」と、エデンさん。
ええっ!なんとかなるの?!
「腕の良い魔導技師を招聘して、撹拌する機械と冷やす機械、焼く機械の3つを作らせる。街への移送は、実は冒険者ギルドの仕組みで転送が出来るんだよ」
これは、冒険者ギルドに伝わる秘宝による転送能力で、普段はこれを使って都市間共用の冒険者向けオークションや、冒険者ギルド間の重要物資輸送を行っているのだそうだ。その代わり、商業ギルドからはメッチャ恨まれているらしい。
「最初に冒険者ギルド内の酒場限定で試供し、評判が良ければ、輸送用の冷蔵樽を用意して商業ギルドも噛ませる。そうすりゃ、うまくいくだろう」
なんとまあ、アタシが思うよりも、この世界はハイテクだったようですよ。冷蔵樽ってのがすてにあるらしい。ビールか?ビールがあるのか?!
それならば。
「花の香りとか果物混ぜるとか、甘味の分量の調整と若干の塩の追加で、もっと美味しくなるからね。それと、撹拌するときの空気の混ぜ具合でも舌触りが変わるから、そこは村で頑張ってね」
ソニアさん始め、村の女性陣が強くうなずいた。皆さんの決意は固いようだ。
「そんなわけで、そのためには、氷属性の魔石が恐らく大量に必要になる。お前さん、クエスト受けて見ないかね?」
エデンさん、そこでアタシにまた振るの?!
美味しいスイーツが広がるのは良いけど、当面のアタシには一応目的があるのだ。そりゃあ、冒険者ランクの関係もあって、昨日からクエストやってるけど、あまり長居するつもりもないんだよ?
手伝いたいとこだけど、アタシの旅の当面の予定は、これからランテルム公爵領に行く事なんだよね。
その辺の事を話すと、エデンさん曰く、
クエストは大別して2種類。氷属性魔石の納入と、魔道具開発資金確保のための、高く売れそうな素材の納品、だそうだ。
「クエストは広域で発行するんだ。別の街で納品して貰って構わない。それと、お前さんの極楽鳥は、魔石の属性を変更出来るはずだ。旅の途中で魔石を手に入れたら、氷属性にして、貯めてくれれば良い」
マーニャってば、なんて優秀なの!




