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AM00:23

作者: ぺぺ

とても醜い文章になってしまったと感じています。でも心のうちは出てるから、出してみようと思います。

最近、似たような病気を持つ人がどんどんカミングアウトを始めている。

ADHD、自閉症スペクトラム、アスペルガー……彼らは「そうだったの」「大変だったね」と、優しい言葉をかけられている。ネットでも、きっとリアルでも。

私はADHDと自閉症スペクトラム、学習障害を患っている。一つ一つの症状こそ軽いものの、多動も衝動もありIQの差も激しく、計算も読み書きも微妙にできない。学生という身分においては特に学習障害の弊害が大きいことから、何とか診断をもらえた。でもほぼグレーゾーンだ。

「障害を甘えにするな」とか、「わがまま」とか、実の親にも散々言われた。

いや仕方ねえじゃんそういう風に生まれついたんだから……と言いたくても、確かにそれを理由に優しくしてくれないのが世間様というもので。はいそうですかと頷くのも癪だから取り敢えず中指だけ立てて、適当に従って生きている。

小学校の頃は特に辛かった。近くの私立中学の洒落た校舎を褒めたことがきっかけで始まってしまった中学受験のせいだ。

異常に四則演算が出来なかった。

1+1は分かるけど3+4は指を使わないとできないレベルだった。小四の夏休みにそれまで習った全ての計算を復習したけど、今思えば吐くほど辛かった。

国語だって漢字を書くのは嫌いだったし、社会も地理には興味が持てなかった。理科は電気や物理で無事に死亡と相成った。


受験時代からそんなもんだったのだから、運良く入ったとしても上手くいくはずがなかったのだ。

私はせっかく潜り込んだ私立の中高一貫校を、三年間で退学した。

英語と数学の成績不振が原因だった。前者はbe動詞、後者は+と−でつまづいた。

進みが速い私立の授業についていけるわけもなく、私は早々にそれらを諦めていた。やってもできないことはできない。当時は親に殴られ続けていたが、それでもやろうとはしなかった。

この「やってもできないことはできない」の「できない」が異常過ぎて精神科に行ったら本当に脳がおかしかった、というのはとんだ笑い話だと思う。お宅の娘さんは生まれつきの劣等種です。


発達障害を説明するのはとても難しい。当事者である私が偏屈すぎるし、まず個人によって違いが大きいものだからだ。

一般的な認識としては、「障害」と言うよりも「個性」、少し変わってるだけですよ、という感じだと思う。重度自閉症とか知的障害が伴ってる場合はまた変わってくるけど、今流行ってるやつだと多分これであってるはず。

私の場合は、スペックが通常より劣る上に壊れかけのパソコンだと解説している。

処理速度が遅い、タスクをたくさん開くとすぐ落ちる、電卓機能が壊れている……知り合いが使っていたなら「はよ捨てて買い換えろ」と説得したくなるような、そんなパソコンだ。物理的な動きも遅いので、多分デスクトップだと思う。


そう。いいところなんて一つもないのだ。

いいところなんて一つもないのだ。大切なことなので二回言った。もう一回言っとく。いいところなんて、ひとつも、ない。

最近世の中に出てきた発達障害者は、既にその才能を活かして社会的な成功をおさめた人達だ。

特に芸術関連が顕著だと思う。恐ろしいほどの集中力と発想力を併せ持つ発達障害と相性がいいからだろう。

彼らの場合はまた別だ。この人たちは自身の障害を個性として認められるレベルに昇華する努力と運があった、稀有なパターンである。


問題は、私のような社会のごみ溜めに一直線に走る者なのだ。

特筆すべき才能もない。努力する体力や気力は、日々の生活に奪われた。全てを何かのせいにして逃げ、それでも逃げ足が遅すぎて捕まって泥を飲まされて沈む、そういう生き物が問題なのだ。

こういう奴らは沈んだ先で愚痴を言うしかやれることがない。この文章もそうだ。たった19歳でこの世を見限ったような面をした、見つけた瞬間殴りたくなるような生物がこれを書いている。

こんなの読むより米津玄師辺りの音楽でも聴くほうがずっと有益だ。私の推し曲はリビングデッド・ユースです。


最近どんどんこの世が冷たく感じてきていて、もう少しでも希望をチラつかせてくるような音楽が聞けなくなってしまっている。

米津玄師もそろそろ私の脳は受け入れられなくなってくるだろう。既にBUMP OF CHICKENがアウトになった。あんなに好きだったのに。

これは彼らが光や木漏れ日の中の斑な闇に向かって生きているらしいのに対して、私がドブに向かって全力退行しているからである。当然悪いのは私。でも仕方ないじゃんドブしか居場所がないんだから。


確かに、居場所がない人間は死ぬしかない。

そして、居場所がない人間はいない。必ず皆どこかに相応しい場所があるはずである。

でも、その「相応しい場所」が「いたい場所」であるかはわからない。

私はあたたかい光の中が良かった。誰かの隣でゲラゲラ笑って、辛いことも何とか乗り越えてありきたりなハッピーエンドを迎えたかった。そのためなら、涙も怒りも受け入れられた。あなたの隣でこの感情を経験できることが幸せだと、そう伝えられる人生がほしかった。

でも現実さんはなかなか辛辣で、遥か下を淀ませるドブの中に私の居場所を支度してくださったようだった。社会の深淵とも言い難く、かといって望む温度では決してないであろう中途半端な地獄の方。地獄として語るには安すぎ、天国として扱うには痛すぎる。絶妙にネタにならない、はっきり言っておもんない所だ。


生まれる瞬間まではみんな望まれてたはずなのにな、と思う。どこでこの居場所が決まるのだろうか。別に私悪いことしてないんですけどね。人とか殺してないし。


米津玄師の公式サイトのギャラリーには、角が原因で苦しむのだと言われたカリブーがそれを取り払い、便宜上幸せに生きる話があった。

私は便宜上でもいいから幸せに生きたい。空っぽの目でもいいから、「ま、いっか」で全てを済ませて終わらせたい。ご立派な不幸専用の角なんていらないから、適当なプラスチックでいいから。

このドブでも平気で呼吸ができるなら、なんでもいいから。


これでも「お前はまだ裕福な家に生まれただろう」とか「そもそも日本に生まれた時点で勝ち」とか、色々言う人が出るんだろうなと思う。

いやわかってますよ。だから中途半端な地獄だと、話のネタにもなりやしねえと言ってるんです。

私は首都圏の裕福な家に生まれたし、大学は全額親が負担してるし実家暮らしだし精神科通う金も親が出してるし、境遇としてはかなり恵まれた家の娘だ。お嬢様だとも言える。

それに初孫だったから祖父母にも可愛がられた。


だからネタにもならないのだ。

内面のスペックに外面のスペックが釣り合っていない。絵に描いたような不幸なら、そのまま話せて同情なり金なりを稼げた。

ぬくぬくしたお布団の中から私は発達障害だのなんだの語られても「は???」というしかないだろう。わかるわかるムカつくよな。てか誰にも読まれないかもしれないのに文章で先回ってこういうこと言ってる時点で殴りたくなるよなわかるわかる殴ってくれ。もうさくっと殺して焼いてくれ。

明日起きたら頭の中ぜーんぶプラスチックになってやしないかな。しないんだろうな。死。

米津玄師さんにほぼ八つ当たりしてるみたいな文になってるのに気づきました。ごめんなさい。

私は米津さんが大好きです。ごめんなさい。

ドブにも夜明けとか昼間はくるので、その時間帯に素直に音楽を聴きます。ごめんなさい。

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― 新着の感想 ―
[良い点] どこかの誰かの、身近な人にも仲のいい人にも打ち明けてない心の内を覗き見る感じ、これが好き [一言] こうゆうの読みたくてエッセイジャンルにきてます
[良い点] なかなかテンポの良い文章で子気味良く、暗い内容の割には最後まで楽しく(と言っていいのか)読めました。
[良い点] 心に響くエッセイでした。 これだけ人の心に訴える文章を書けるのに、「いいところなんて一つもないのだ。」って言われてしまうと、私なんぞは立つ瀬が無いですよ。 [一言] 規約に触れなければ何で…
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