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潮騒に花火

作者: 中村尚裕

 盆踊りの太鼓が遠い。

「もうすぐ、」女は寂しげに、「夏も終わりよね」

 風に残夏。

「また、」男の声に迷いが混じる。「来るよ」

 地に宵。

「また来年?」女が口を尖らせる。

 耳に潮騒。

「……来月にも……」男の声が先細り。

 麦茶が香る。

「え?」女の顔に意外の色。

 肌に焼け色が名残を刻み。

「……その……」男がうつむき、

 頬に予感が朱の色。

「ね、」女が男の耳へと寄せて、「聞かせて」

 風鈴の音。

「……来月にも!」男が思い切れば。「君を、迎えに来たいんだ」

 空に大輪、咲く花火。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 企画より拝読いたしました。 夏の終わり…… でもそれは恋の始まり? ニマニマさせて頂きました!
[良い点] うひょ(゜∀゜) こうくるか!と悶えてしまいました笑 [一言] 光というより音が印象深い作品ですね。 太鼓で始まるからかしら。 だからこそ最後の花火でドーンという音と共に花火の光を感じ…
[良い点] 最っ高ですっ!!!! ちゅどーーーーんっっ!! と、花火と同時に想いが大きな花を咲かせているところが、正にツボッ。 ……花火はちゅどーーーーん、じゃないか。 ああ、でも、某ちゃんねる風に…
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