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詩集

『雪の挨拶』

作者: s.h.n



『雪の挨拶』


考えごとをしていたら

雨が雪へと変わりました


全ては空の表情

空を映す川の表情

大地に暮らす我らの表情

顔には出せぬ心の表情


込み上げる怒りが 私のもとを去って久しい

纏いつく恐れが 私のもとを去って久しい


いいえ、去ったのは私の方

この身体は 自由を取り戻すことができ

私は誰かに会いに行ける

やつれた手に 筆を取り 再び描くことができる



出会うために生まれたのです

雪のように 純白な宝玉を抱えて

生命を刻み 自らを彫刻として仕立て

出会えるときを待ったのです



苦しんだ分 人を分かることができても

傷つけた分 人を癒すことはできるでしょうか


全てを迎え入れる海

記憶の浜辺に打ち寄せる波

こぼれる砂は生きた証

一分一秒 重ねた証


何ができるのか 考えることは間違いでも

その心に 偽りや間違いはない

思いやり 敬うことが 人と人とを結ぶでしょう

人に許され 繋がることができるのです


雪のように 舞い散る桜を

水面に浮かぶ 花びらを

貴方の町の 春の小径(こみち)

いつか見に行きたい



出会うために歩いたのです

迷い歩き 強く踏み締めた 道に立ち

失う覚悟で 未知に打ち克ち

出会えるときを待ったのです


やがて来る 再会の時を待つのです



考えごとをしていたら

雨が雪へと変わりました



考えごとをしていたら

雪はもう 止んでしまいました




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