はじめてのクエスト
クエストは、トリーアの町に住む住人や店、ギルドからの仕事が依頼として扱われ、ギルドの中に貼りだされるもの、その種類は様々で、簡単な物からとてつもない物まであり、それぞれの難易度に応じて張り出される町が決まってるのだが、ここトリーアでは駆け出しが集まる町という事から簡単なもの、初級クエストと呼ばれるものが張り出され、駆け出しの基礎力を上げる為の活動にも向いている。
当然、依頼であるからには報酬があるのだが、簡単なクエストほどその報酬は少ない、その為この町ではクエストを2、3個毎日受けるというのが一般的な駆け出しの毎日の日課になってしまうのだが、それでも日々の生活でほとんどが消えてしまうぐらいの報酬しか貰えない、その為駆け出しは皆貧乏であり、駆け出しとしてのはじめの難関がここから旅立つこと、となっている。
「さて、どれを受けようかな」
貼りだされているクエストを眺めながら出してしまった声は、誰かの気を引くこともなくただ一人突っ立っている俺自身にしか聞こえてはいないようだ。
そしてそんなを声出してしまった理由はクエストの内容と報酬にある、内容は討伐、採取などがあるようだがどれも報酬は安い。
薬草採取など見つけるのに時間もかかるだろうにその報酬が銅貨3枚、食事を1回取れるぐらいでしかない、かといって討伐を受けるとしても銅貨4枚から5枚といったとこで、その額は宿に泊まれるかどうかといったとこだろう。
ギルドに登録したナイトという職種はフルプレートメイル、全身に鎧を付け、盾も必要となる、金のかかる職種で、それらを集めるのが俺の目的となってくる、それを踏まえると当然全く足りない、一日に何度クエストを受ければいいのだ! と言いたくなるほどだ。
しかし駆け出しである自分には仕方がないことだとあきらめるしかない。
そしてそうなってくると、自然と回数がこなせそうであり、報酬もそこまで悪くない物を選ぶ必要が出てくるのだが、現状その条件をこなせそうなクエストは一つ。
「ハニービーの討伐5匹、報酬は銅貨4枚か」
ハニービーとは、町の外を飛んでいる蜂なのだが本来の蜂とは大きさが全くの別物で、その大きさは人の腕の長さが全長と同じぐらいだというとんでもない蜂だ。
なぜそうなってしまったのかはあまり気にしたことが無いので聞いたことがない、幼い頃からあれはそうゆうものだと思っていたし、それ以上の事も考えなかった。
「回数をこなす事を考えるとこれぐらいかしなさそうだな」
5匹ならそれほど時間もかからないだろうという予測から俺は張り出されていた紙を取り、再びカウンターにいるラミアスさんへと歩いて行くが、向こうも俺が新人だという事からだろうか? 様子を見ててくれていた様で、再び戻って来た俺を笑顔で迎えてくれる。
「クエストですね、えっと内容は……ハニービーの討伐ですか」
カウンターに座っている彼女にクエスト用紙を渡すとその内容に目を通し、そしてその視線は俺、というより俺の格好を見ているようだ。
「コウさん、ハニービーは弱いとはいえ、それなりに危険なモンスターなんですよ? こんなこと言っては失礼かもしれませんが、そんな装備で大丈夫なんですか?」
そんな装備とは今の俺の状態である服を着ているだけ! を指しているのだろう、確かに今の俺のでは危険かもしれないがこの後の予定である鍛冶屋に行くというのを考えるとなんとかなるのではないだろうか?
「大丈夫ですよ! 問題ありません!」(この後鍛冶屋に行くので!)
「そ、そうですか? まぁそういうのなら……。
ではクエストを受けていただくにあたって少しだけ説明をさせていただきますね!」
説明とはどうゆうことなのだろう? 何か特殊なクエストだったのだろうか?
「まずクエストに関してですが、このクエストは町に住んでいる人からの依頼でして、トリーアの町周辺に農家を持つその方からハニービーが蜜を取にくる度に被害が出るからと依頼されたものです。
すでに報酬である銅貨はギルドの方で保管させていただいていまして、コウさんが討伐の証明である針をもち帰っていただいた時にお渡しする形になります。」
なるほどね、終わったからといっていちいち依頼先に取りに行かなくていいのは助かるな。
「ではクエストの受理をいたします、コウさん、くれぐれも無理はしないでくださいね! 登録して一日で死ぬとかにならないでくださいよ?」
心配してくれているのか、全く信用していないのか、どっちかだろうなこの反応は、まぁ多分後者だろう、この見た目だしな。
「はい、では行ってきますね!」
そう別れの挨拶をかわし俺はギルドを出て来るときに通った場所、町の南にある鍛冶屋へまずは向かう事にした。