皆でお尻2そして俺もお尻2
『スリープ!』
スリープとは対照を眠りに誘う魔法でその効果はグ~~~。
―――。
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―――――――――。
「は!?」
しまった!! なんてことだ!? 抵抗する暇もなく眠ってしまった!!
「まったく、話にならんな」
今しがた眠ってしまった不甲斐なさを噛みしめながらも声のする方、俺達四人の前に立つサイモンさんに視線を向けると、やれやれといた感じで額に手を当て、首を横に振る姿が目に入る、いくら無防備な状態とはいえ少しは耐えることが出来るだろうとでも思われていたのだろうか?
「そうだね、耐える事が出来なくても眠りに落ちるまでに少しぐらいは時間がかかるかなって思ってたんだけどそんなことなかったね」
杖を前に構えながらそう呟いたクコさんは期待外れだとそういう表情を俺達に向けている、初めて会った時は何も思わなかったが今の首から下が埋まってしまっている状態を見下ろす彼女は、それほど身長も高くなく、体系も幼児体系なはずなのに自分よりも小さい子供を見ているかの様な態度を俺達に出してきていて、なんだか馬鹿にされているような気になる。
「しょうがないじゃないですか、初めてくらったんですよ? 少しは大目に見て欲しいですよ」
ほぼ無意味だろうなと思いつつも抗議の声を二人に投げかける、この魔法がここまで強力なんて思いもしなかったという事もあるが今まで一度もそんな魔法をくらう期会なんて無かったんだ、一度くらいは慈悲を与えて欲しいと思うのも間違いではないはずだ。
「ふむ、確かにコウの言い分も一理ある、あじわったことのない物をいきなり受けてもなにがなんだかわからんだろうしな、いいだろう、コウ! 貴様には一度だけの慈悲を与えよう! 他の者は駄目だがな」
俺だけ? 他のみんなも条件は同じはずだ、それなのに何故俺だけなんだ、みんなにも一度の猶予を欲しい!
「サイモンさん! 俺だけなんて嫌ですよ! 俺以外の三人も条件は同じはずです! 三人にもお慈悲を!!!」
「ん、一度くらいならいいかとも思ったんだがな、こうしてコウが目覚めているにも関わらず他の三人はまだ眠ったままだぞ? 流石に緊張感が足りんと思うのだがな」
いやいや、そんなわけないでしょ、俺でさえすぐ? かどうかはわからないが起きたんだ、皆ももうすでに起きて―――、寝てる~~!!! まだ寝てる~~!
サイモンさんの言葉を聞きながら体が動かせないので首だけで隣にいた三人の様子を見るとどうやらかなりスリープの魔法が効いた様で涎を垂らしながら寝る者、頭を前に倒しながら寝ている者、天を仰ぎ見る様に寝る者がいた、疲れていたのだろうか?
「これを見てもまだ猶予を与えて欲しいと思うのか? コウ」
「そ、それはぁ……」
この状況でよくまだ寝ていられるなと思いはするがそれでも俺と違い、みんなはサイモンさんの修行は初めてなんだ、それも踏まえて一度の慈悲は与えてあげてもいいのではないだろうか?
「そ、それでも一度だけでいいですからお願いできませんかね?」
「ふむ、クコ! 今のスリープの魔法はどれぐらいの威力でやったものだ?」
「全力でやった時の三分の一ぐらいしか威力だしてないよ?」
え!? 今の全力じゃなかったの!? 魔法掛けられて速攻で寝っちゃったんですけど!?
「わかった、コウがそういうなら今の一回は不問としておこう、しかし! その一回で貴様らの不甲斐なさがあらわになった事を含め、寝た場合は一歩ずつと言ったが変更だ、二歩ずつとする!!」
よかった、一回はなかった事に出来たが次からは二歩ずつか。
……いや待て? 今回無しに出来たとしてもその後が二歩ずつになるのではマイナス効果にしかなってないんじゃないか!?
「ちなみに二歩ずつに変更になったからな、おおよそでしかないがお前達の顔にたどり付くまでの猶予は後二回だろうな、三回目は……どうなるかわかるな……?」
やっちまったぁぁ!? 庇ったのが完全に逆効果になってしまった!!
「いいかげん起きろ貴様ら! 修行にならんではないか!!」
サイモンさんが地面に首から上だけを生やしている俺達に向かい激を飛ばすと隣一列で眠りについていた三人はそれぞれに顔を歪ませながらもゆっくりと目を開ける。
「あれ……? 俺寝ちまったのか??」
「うん~? あれ~? ここって~、あ、そっか~修行するところだったね~」
「は!? コウ!! 私どうなったの!? 寝ちゃったの!?」
「みんなぐっすり寝ちまってたよ、俺もだけどね」
そしてみんなが眠っている間に事態はおおよそ最悪な方向へと進んでしまったんだ。
「ええい! 静かにしろ! 続きをやるぞ!! あ~それはそうと貴様ら三人とも眠りはしたがコウの嘆願により先ほどの一回は不問とする事にした、初めてくらう魔法に抵抗できないのも無理はないだろうというところからではあるがな」
「コウ! お前ってやつは……! なんて仲間思いなんだ! すまねぇ!!」
「コウありがとうね! 気が付いたら寝ちゃってたみたいだけど助かったよ~」
「ありがとう! 本当にありがとうコウ!!」
俺が頼み込んだ事により助かった事を知った皆は礼を言って来るのだが……やめてくれ!! その後に待ち受けているのは無慈悲と言う名の地獄なんだ!!!
「気にするな、仲間、だろ?」
「「「コウ!!」」」
横に並んで埋まっているみんなからの熱い視線、その視線には心の底からの感謝が感じ取れる様で、その視線を受け止めるとこは俺には出来なかった! 心が痛い……。
「あ~言い忘れてたがその結果、先ほどの一回は不問にするがそのかわり次からは一歩ずつと言ったのを変更して二歩とする、お前たちの顔にたどり着くまでにはおおよそ三歩だ、いいな?」
やめてくれ~! そんな事を言ってしまったら気づかれてしまう!!! 俺がヘマした事を気づかれてしまう!!
「ん? ちょっと待ってくれ、それって本来なら顔に付くまでには六歩ぐらいの余裕があったってことなんじゃないか?」
顔を顰めながら首を横に傾け、なにかおかしくないか? と横に並んでいる仲間へと顔を向けるマジェ。
「そう言われればなんかおかしい様な気がするね」
まだちゃんとは気づいてはいないマジェの隣に埋まっているカッチェ。
「いや、どう考えてもそうだったんじゃないの? コウ、どうゆう事なの?」
完全に気づいてしまっているハミィ。
そんな仲間に俺は自分のやらかしたミスを隠していても仕方がないだろう、もうばれているようなものだしなと、横に並んで埋まっている皆の方に顔を向け、笑顔でこう言うしかなかった。
「あきらめろ」
「「「なにやってんだ/のよ~!!」」」
先ほどの感謝の表情などきれいさっぱりと消し去り、強い非難の言葉と視線を浴びせてくる仲間たち、俺に出来ることはみんなから顔を背け、ただ目を合わせない様にすることだけだ。
「あ~コウよ、貴様には更に罰を追加するからそのつもりでいるようにな」
仲間からの怒声や罵声を浴びながらも顔を背け、聞こえない振りをしていた俺の耳に聞こえてはならない内容の声が聞こえて来た、今なんて言った? 更に罰を追加だと……?
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ! なんで俺だけ罰を追加なんですか!?」
そう、なぜ俺だけなんだ!? この場合罰が増えるのは全員であるはずだ、嘆願をしたとは言え、その結果の内容が悪化しているのだ、これ以上増やされるいわれはないだろう!
「なぜって当然だろう、貴様は私が教えているんだ、その分他の者よりキツメの罰を与えんと釣り合わんからな」
ば、ばかな! 罰を軽くしてヒイキをしてくれるならまだわかるのだがその逆だと!?
「そうだな、コウ、貴様への追加の罰はそんなにひどい物ではない、ただ一人増えるだけだ」
いや待てよ? 一人増えるとはどうゆう事なのだろうか? 俺達と同じ様に埋まる人間がもう一人増えるという事なのだろうか? しかしそれは罰になるのか? この町での知り合いなんて後はラミアスさんぐらいしかいない気がするんだが?
「おい、はやく用意をしろ! 始めるぞ!」
俺を見下ろしていた視線を今度は俺の後ろに向けながら誰かに語り掛けているようなのだが身動きが取れないせいで後ろを見ることが出来ない、どうなっているんだ?
「サイモンさん、せめて説明ぐらいしてほしいです、どうなっているんですか? 俺の後ろ」
「ん? 言ったろ? 一人増えると、つまりだ、先ほどまでの貴様には前からのみの接近だったが今度は後ろからも来る、ただそれだけだ」
つまりは前から接近してくるって事は目の前のこの四つん這いの筋肉のことだろう、それが後ろにも増えるということか………なんだと!?
「ちょ!? 後ろからも来るって事は最終的には俺は挟まれる事になるってことじゃないんですか!?」
「なにを言っている、あたりまえだろう」
「ふっざけんなぁぁ!!」
「あ~やかましい! それでは再開だ!!」




