アークレッドの平和な一日 お姫様がやってきた
中央大陸でいちばんーいや、世界でいちばん小さな国アークレッドには、国王もいなければ政府もない。国にある法律はたったひとつ。「悪いことはしない」。そのたったひとつの法律もその本人が悪いことと思わなければ、殺人も盗みもやりたい放題ーとはいえ、世界一ちいさな国には富みもなければ恨みを買う貴族もいない。国王は二年周期の持ち回り。大国でいうところの隣組長みたいなものでめんどくさい。できれば誰もなりたたくない。でも小さいとはいえ一応は国。今年のアークレッドの国王は牧場を営むフィル家が当番だ。外交の一環で大国リオンのティアラ姫の誕生日のパーティに招待されたフィル家の次男、ウィルがティアラ姫に一目ぼれされた?常識が一切ないようで常識のあるアークレッドののどかな毎日。