マーリン
次の日
「それじゃ、俺は調べ物があるから」
コモルはそういって自分のブースで漫画を読む。
そんな彼を、二人の少女が優しく見守っている。
「はいはい。ごゆっくり。それじゃタマちゃんは、私と一緒にお掃除しましょう」
ピンクの髪の胸が大きいメイド、マーリンがタマに掃除道具を手渡した。。
「はいにゃ!」
タマは元気よく返事して、掃除道具を手に取った。
「……えっと、君はたしか、マーリンちゃんだったね」
「ええ。エルフ騎士団のメイドのマーリンです。コモル殿も何か御用がございましたら、遠慮なくいってくださいね」
流し目をしながら自己紹介をする。おっとりとした口調と大きな胸をしており、男心をくすぐった。
「う、うん。頼むよ。よろしく」
そういって、コモルはギルドカードを手に隠して彼女に押し当てようとする。
しかし、すぐに見破られてぺチンと払われてしまった。
「コモル様。だめですよ。乙女の秘密を探ろうとするなんて」
「ご、ごめん」
優しくたしなめられて、コモルは気まずい顔になる。
「でも、これからもお仕えする大切なご主人様だから、特別に私の秘密をみせちゃいます」
そういいながら、マーリンは優しくコモルの手をとった。
名前 マーリン・スケーター
レベル 13
年齢 20歳
種族 サキュバスエルフ
職業 ネットカフェメイド
スキル 家事魔法 魔力吸収
犯罪暦 なし 財産 59600マージ
異性交際経験人数19人 同姓交際経験人数4人 自○回数596回
(うっ……結構遊んでいるのか?い、いや、交際ってアレという意味じゃないはずだ。でも……)
カードを見ながら考え込んでいると、マーリンがしなだれかかってきた。
「ご主人様がやってきてくれて、うれしいです。お友達は、みんないなくなってしまったので。これから、仲良くしましょうね」
そういいながら、軽く身を摺り寄せる。
コモルは背中がぞくぞくしてしまった。
「ふふ。今はエルフ騎士団の皆様がいませんですし、そのあたりのお部屋で仲良くお話しませんか?」
ねっとりとした口調で誘ってくるので、童貞のコモルは動揺してしまう。
「い、いや。俺は疲れているから。」
コモルはそう告げると、自分のフラットスペースに入って鍵をかけた。
「ふふ。つれない人ね。まあこれからずっと一緒にいるわけですから、いくらでも精を吸う機会はあるでしょう」
そうつぶやくと、タマに告げる。
「さあ、お掃除がんばりましょう」
「はいっ!」
二人は仕事に戻っていった。




