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自動車無双

「ヒャッハー!気持ちいいぜ。魔物は消毒だ!」

前回とは逆に、コモルが運転する自動車がモンスターを追いかけている。

レプトエッグは街中を必死に転がって逃げたが、自動車に轢かれてつぶされていった。

「コモル。前。集団がいる」

逃げても追い付かれると悟ったレプトエッグは、集団で自動車に突っ込んでこようとする。

「クロエ、頼む」

「任せて!」

クロエが杖を振ると、黒い霧が湧き出てレプトエッグの集団を凍らせて動きを止める。そこに自動車が突っ込んでいき、エッグたちをなぎ倒した。

こんな調子で簡単に魔物を倒していき、どんどんコモルのレベルが上がっていっている。

「これは……戦いなのか?」

「なんだか、すごく反則している気がするぞ」

その様子を、トリスタンとガラハットは呆れてみていた。

しかし、シャロンは目をキラキラさせている。

「あれ、欲しい!あれに乗っていたら安全にモンスターを倒せるし!」

「……でも、姫にはあれを操縦するのは無理かと……」

そんなことを言っている間にも、すさまじい勢いでコモルはモンスターを狩っていった。

「どうだ!この周辺のモンスターはみんな狩り尽くしてやったぞ」

そっくり返って威張るコモルに、シャロンは頼み込む。

「私も乗りたい!」

「いいぜ。それじゃ交代な」

クロエが降りて、代わりにシャロンが乗る。

「姫。あまり遠くにいかないでください。危険かもしれません」

「これに乗っていれば大丈夫だよ」

トリスタンの忠告を聞き流し、シャロンはコモルに命令する。

「出発進行!」

二人を乗せた自動車は、発進していった。


「風が気持ちいい!!馬より早い」

窓を全開にして外を覗き込んでいたシャロンが、感激する。彼女はよほど自動車を気に入ったのか、ひたすらはしゃいでいた。

「この自動車って快適だね。この中に住めちゃいそうだよ」

発想がホームレスから車上生活者になっていて、思わずコモルは笑ってしまう。

「どうしても発想がそこに行き着いてしまうんだな……そんなに家がほしいのか?」

「うん。王国が滅んだ時は私はまだちっちゃかったからあんまり覚えていないけど、それからずっとテント暮らしで暖かい家がある生活にあこがれていたの」

シャロンは屈託なく話すが、コモルはそれを聞いてかわいそうになった。

(悲惨だな……本当にホームレスプリンセスだったのか)

コモルがそう思っているうちに、自動車ががくっと揺れる。

「うわっ!」

草に隠れてわからなかったが、道路の先にすり鉢状の大きな穴が開いていて、自動車はその中心に向かってすべり落ちていった。

「キャーーー!」

「くっ!」

コモルは急ブレーキをかけるが、踏みとどまれず、穴の中央にある小屋にぶつかってとまった。

「いてて……なんだこれ。なんでこんなものが道の真ん中にあるんだ?」

首をかしげていると、いきなり地面が揺れる。

下を見てみると、いつのまにか地面が何か動物の皮膚みたいなものに代わっていた

「で、でかい。レプトリザードか?」

「ち、ちがうよ……ボスモンスターのレプトタートルだよ」

シャロンがあせった声を上げる。家の下からあらわれたのは、巨大な平べったいトカゲだった

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