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コモルの武器

(やっぱ子供じゃないか……って、レベル高いな。それと犯罪暦があるのかよ)

クロエを抱っこしたままで、びっくりする。

(まてよ。窃盗スキルって……)

疑問に思ったコモルは、そっと耳元できいてみる。

「なあ。この国に来るまでいろいろ苦労したんだろ。お腹がすいたとき、どうしていたんだ?」

「……店にあるものを闇魔法で奪って、姫に渡していた」

クロエはためらいがいに告白した。

(万引きか。苦労したんだろうな。それにしてもこいつ、なんて無防備なんだ。男の股の間に座って平気だなんて。俺が童○だからって、舐められているのかな。なら、ちょっとくらい……・いや。俺はロリコンじゃない。ノーマルだ)

そんな危ない考えが浮かぶが、理性を総動員して必死に耐えるのだった。


「……はい。終わり」

「面白かった。ありがとう。何かお礼をしたい」

クロエは頭を下げてお礼を言う。

いい機会なので、コモルは相談してみた。

「お前は結構レベルが高い冒険者なんだよな」

「……別に、それほどでもない」

そういうが、クロエはかなりレベルが高かった。

「なあ、弱い奴がモンスターを倒すにはどうしたらいいと思う?」

「簡単。強い武器を装備すればいい」

クロエの答えは単純明快だった。

「それはまあそうなんだけど……仕方ない。もらったお小遣いで、何か使えそうな武器を買ってくるか」

そういうコモルに、クロエは告げる。

「武器だけがあっても、それを使えるスキルがないとまともに使えない」

当然のことを言われて、コモルは落ち込む。

「そりゃそうだな……はあ」

「こういうときは、冷静に現状を確認して、その中で一番最良の方法を考える。冒険者カードを見せて」

クロエに言われて、カードを見せる。

それをじっと見ていたクロエは、ひとつのスキルを指差した。

「この運転免許って何?」

「自動車を制御できるスキルだよ」

そういわれても、クロエにはピンとこない。

「自動車?それって武器なの?」

「まあ、走る凶器とも言われているけど……あっ!」

コモルの頭の中で、何かがひらめいた。

「なあ、別に武器はなんでもいいんだよな」

「……う、うん」

その剣幕にちょっとおびえながら、クロエは首肯する。

コモルはネットカフェの備品が納められている控え室に行って探すと、それは簡単に見つかった。

「よし。俺の武器はアレで決まりだ!」

コモルは悪人顔で、にやりと笑うのだった。


次の日

「今日はクロエと組んで戦う」

コモル騎士たちにそう宣言した。

「まあ、それならそれでも良いけど、二人だけで大丈夫か」

ガラハットは心配するが、コモルは自信満々たった。

「よし。これに乗ってくれ」

「……わかった」

コモルは駐車場にとめてある車の中で、車体にネットカフェの名前が書かれている軽自動車にクロエを乗せると、エンジンを掛ける。

すると、ブロローーといううなり声が湧き上がった。

「ま、まさか、これはモンスターなのか?」

騎士たちが警戒するのを尻目に、コモルとクロエを乗せた車は軽快に走り出した。

「……すごいすごい!馬がいらない馬車だ!」

「それだけじゃないぞ。これは走る『武器』にもなるのさ。さあ、モンスターたちを一掃しようぜ」

コモルはケアンズ平原に向けて走っていく。

騎士団は、あわてて彼の後を追うのだった。


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