五話:入学式と入学試験
神々の寵愛を受けた娘(元男)は二話ほどしか更新できない気がする。あと五話投稿したいけれども、無理そうなので三話投稿できたらいいと思っている。
僕らの入学式の前に、入学試験がある。
入学試験は面接と己の個性で適正個体を討滅する試験。それぞれ個室に隔離されて試験を受けた。
僕は親友のことを気にすることもなく、テンションを上げるために小説のアイデアを考えながら、面接官の面接に正直に答えていった。そして何やら頷くと、次の試験に挑戦。次の試験では、悪魔が憑依したゴーレム三体と僕は対峙していた。
『正直者に祝福あれ』
僕は、そう最初に使える魔法の呪文を使う。僕に与えられていた異能は【言霊】であった。
言葉は、毒にも薬にもなるのだ。だからこそ、この神さまから授けられた祝福で、必ずなにかを成し遂げるのだ。まずは前にいるゴーレム三体に向けて、ハジマリの時に渡された書物にペンで書きながら、こう言う。
「魔女を焼くは訣別の炎。母から離れる決意の証をここに」
童話における魔女とは母親である。母親を炎、つまり人間の進歩の証であり自立の象徴で焼き殺すと言うことは一人でも生きていく覚悟の印、そう思いを込めながら、僕はこの炎に破邪の思いを込めてゴーレムを焼くが、半分だけ浄化しかできていない。その次に、ペンで書き上げて浄化の呪文を書こうとした時、手足に猛烈な麻痺が起こり、身体が燃えるように熱くなり、僕は無念ながらギブアップする。先生に何があったのか聞かれるが、僕は何も口に出せない。
僕は初めてこの【異能】を渡された時に受けた忠告を思い出す。
「絶対に無茶はしないこと、あと言った言の刃は、そのまま自分に返ってくるからね、その事を忘れないようにしておくれ。さらば、我の愛しき友人よ」
ニコヤカに女性からそう言われた時に、僕は了承していたはずだが、彼女はもう一つ重要な言葉も言っていた。
「ただし、文字数を多くして負担を軽減することのできることもできるよ」
そう言っていて、負担が軽減されても、こんなにも負担がかかるのか、と憂鬱に思う。
僕は、結果的に面接のおかげで、合格したが、ノルマと魔法教諭の実験台になったり、教師の仕事に付き合うことで、一年間だけ入学を許されたが、来年にはもっと厳しい進級試験があるらしい。
さて、僕が出向くのは、入学式の舞台である体育館。
入学式に行く前に、白い紙を渡されて、何も書いていないようなので、裏面を見ると裏面に自分のクラス番号が書かれているようだ。それを入学式に貰った自分を示す外せない呪いの魔道具でもある『腕時計』にそれを入力する。入力し終えると、白紙は灰も残さず焼け落ちる。僕はさっさとクラスに向かう。すると先に来ていた仲間たちが僕を出迎える。僕の話を聞くと疑問に思ったリューが聞く。
「ねぇねぇ、そんなに、あのゴーレム強かった。見た目通りの鈍重な動きだったし、攻撃力は確かに高いけど……」
「え、アイツ攻撃がめっちゃ早かったし、魔術も使用したり、悪魔までも憑依されていたんだよ」
何やら考えている動作をしているリューは、どこからか魔道具を取り出して、どこかに話をする。
さて、そんな話をしている間に、理事長先生のお話の時間が来て、褌を締め直す。
「【異能】が発言して、異界の門が開いてから、もう二年が経過しました。己の異能にも、まだまだ発展している様子を見せています。存在が互いに高め合うこともございましょう。では皆様の御上達がそれぞれの才能を伸ばしましょう。では、これで話を終わります」
そして波乱の入学式は終わりを告げる。