要するに説明回
此の話から第1章です
free online。
後に最初にして、最高のVRMMOと言われるゲーム。
アナザーワールドという世界が舞台になっており、NPC達一人一人に感情や、人生が存在する事で、製作者すら予測不可能という、画期的なシステムを採用している。
それ故の自由度の高さと本当に異世界に来た様な気分になる事が、人気の所以の一つ。
ただ、開発者である、雪原 灰ト一人の手によって作られたこのゲームは、雪原自身が問題のある人物で、ゲームの機能も一部が問題視されており、其れにより親に購入を禁止された、子供も其れなりに居たようだ。
だが、そんな問題をもろともしない圧倒的人気を誇り、総プレイヤー数は約9000万に登り、ゲーム運営に何の支障もきたさなかった。
此れはそのfree onlineが発売されて、半年経って直ぐの話。突然だがこの俺モフ太郎(本名月白 御雷)はゲーム内に存在する世界樹という木のてっぺんに来ていまーーーす!
俺がこんな場所に来ている理由を説明するには、まず皆さんには、このゲームの仕様について色々理解して貰わなければならない。
まず、このゲームのイベントについてだ。
イベントというのは、プレイヤーからプレイヤーに何かを頼んだり、この世界の特定の住人と話したりすると、発生する物だ。クリアすると、報酬が発生する。前者の場合、依頼したプレイヤーが、報酬を払う事になる。
依頼した側が払わなかったたり、依頼された側が、報酬受け取る気が無かったりすると、報酬は発生しない。
後者はほとんどが、報酬が発生する。一部の依頼主が貧しい村人だったりするイベントだと、報酬なしのイベントになる事が割とある。
さて。お察しの通り、俺はイベントで此処にいる。
イベント内容は世界樹の葉だった。依頼主はグリフォン。そう、あのグリフォンだ。
翼が折れてしまい、治すのに世界樹の葉がいるらしい。
報酬はスキル。
名前は風踏み。
効果は空中で、一度ジャンプ出来るという物だ。要するに二段ジャンプが出来るようになるというものだ。その上位互換のスキルをグリフォンは覚えており、俺はその下位互換である、風踏みをくれ、と彼?に頼んだ。
グリフォンは喜んで了承し、俺は此処に世界樹の葉を取りに来たというのが、俺が此処に来た理由。
そして、俺は葉をそこらへんの枝からちぎると、樹のてっぺんから一気に駆け下りた。
十分後
「感謝する。約束通り貴公には風踏みを授けよう」
グリフォンがそういうと、俺は光に包まれた。
《スキル風踏みを手に入れました。》
よし。目的達成だな。
「では、縁があればまた」
グリフォンは早く飛びたかったらしく、実に楽しそうに去って行った。
うむ。良い事をした後は気持ちが良いな。
……帰るか。
三十分後……
始まりの街。
世界の中心で、初期ログイン地点であるこの街はアナザーワールドの中で、どの国にも、属しておらず、宿屋や、プレイヤーが経営すする店以外は外部から来た商人で、
後の住人は全てプレイヤー達だ。
始まりの街という名前から、初心者の街みたいなイメージが付きやすいが、実際は強いプレイヤーがわんさかいる。
大半のプレイヤー達がこの街を活動拠点にするからだ。
……さて、唐突だがこのゲームの仕様について説明しよう。
このゲーム、free onlineには種族と職業と呼ばれる物がある。
種族も職業にも言える事だがその数は非常に多い。
初期でなれる種族は
悪魔、
獣人、
鬼人、
ドワーフ、
エルフ、の五種族
職業が、
剣士
魔術士
格闘家
の三つ
此れだけでは少ない様に感じるが、此れからなれる職業はプレイングによって、変わって来る。その数は多分凄く多い。
此処が曖昧なのは、俺の知識不足では無く、情報不足によるものだ。
次に、このゲームにはユニーク職業と、ユニーク種族という物が存在する。俺のキョンシーはそのユニーク種族だ。
みなみに俺の職業は空撃剣士という、ユニーク職業だ。
他の職業や種族と違い、一人しかなれない為、そう呼ばれている。
特定の条件を満たすと、自分だけの種族や、職業が手に入る。
その強さとロマンに魅了され、サービス開始から、今まで、プレイヤー達が血眼になって条件を満たそうとしているが、見当もつかないような条件が多く、仮に満たしても他の誰かがなる事はもう出来ないので、所持者は非常に少ない。
次に、このゲームには特技と呼ばれる物が存在する。
所謂必殺技から、小技まで、幅広い範囲で存在する。勝負の決め手となる事が多い。
MPを使う特技と使わない特技があるが、
剣系の特技は剣技と呼ばれ、基本MPを使用しない為、俺のようにMPが無かったり、あるけど少ない職業や種族のプレイヤーには重宝されやすい。
大半の技は使った後クールタイムがある。
習得するにはスキルや特技を売っている、専門のショップがあるので、そこで買うか、自力習得、もしくはイベントこなすという事が必要になる。
買う場合は高いのでちゃんと見て買う必要がある。
次に、このゲームには、ギルドという物が存在している。
ギルドはプレイヤーが立ち上げられる組織だ。立ち上げるには、最低五人のメンバーが必要になる。でも、立ち上げるとそれなりのメリットがある。
一つ、ギルド専用のチャット、通話があるので、イベントなどをこなす上で連絡を取りやすく、集まりやすい。
二つ、メンバーが集まり、ギルドが大きくなれば、そのギルドというだけで、他プレイヤーに狙われたりしなくなる。
三つ、ギルドが大きくなれば、この世界の国々に認知され、イベントが増える。
四つ、ギルドホールという建物が土地さえ買えば自動で其処に建つ為そこを活動拠点にできる。
ちなみに、ギルドが大きくなればなるほど、建物も大きくなる。
という四つのメリットがある。
デメリットはというと
一つ、ギルドマスターはギルドを経営しなくてはならない。
二つ、ギルドホールは自動で立つが、月毎に家賃が掛かる。
三つ、ギルドのメンバーの誰かが、恨みを買うと、ギルドの全員が襲われる可能性が発生する。
等のデメリットもある。
俺はまだ、ギルドに入っていないし、作っていない。
ギルドに入っていないのは、自分が作りたいからで、作ってないのは五人も入ってくれる人が居ないからだ。
(´・ω・`)
………次に、このゲームにはプレイヤーランキングという物がある。
1位から、100位まであり、ランキング入りすると、様々な特典が貰えるし、単純に有名になれる。
モンスター討伐数、
イベント達成数、
プレイヤーキル数、
プレイングスキル
この四つで、判定しているらしい。
雪原曰く四つ目のプレイングスキルは戦闘時のプレイヤーのデータを基にして専用の機械を使って決めてるらしい。
科学の力ってスゲー。
ちなみに俺はランキング一位だ。
讃えるが良い(`・ω・´)
次に、このゲームには『二つ名』という物が、存在する。
前述のプレイヤーランキングにて、15位以上の順位になると、そのプレイヤーの戦闘スタイル等に合った二つ名を雪原が考えて、付けてくれる。この二つ名を持っていると、有名になるので、狙われたりもするが、前述のギルドを立ち上げる上で優位に立てる。
後、色んな所に融通が利きやすい。
デメリットを上げるならPvP(プレイヤー対プレイヤー)の戦闘の映像を公開されるので、他のプレイヤーに対策されやすい。
因みに俺の二つ名は『月兎』だ。
……なぜ兎なのだろう?
そう思い、雪原に聞くと、
「君、ピョンピョンって戦闘中に飛び回るじゃん?あれが兎みたいだと思ったからだよ。
月って付けたのは、月まで届きそうだなーって思ったんだけど、駄目だった?」と言われた。
……何か納得いかないが、まあいいや。
まあ、それは置いといて、他の二つ名持ちについても紹介しておこう。
二位 黒剣
始まりの街在住。
鬼人族で、黒い鎧に黒い大剣という、真っ黒装備で、攻撃力全プレイヤー中最強という、怪物。
ゲーム内最大手ギルドの一つ黒鬼騎士団のギルドマスター
獅子って着くけど獣人じゃなくて鬼人
熱血漢で、騒がしい。
三位 白盾
始まりの街在住。
黒剣と同じ鬼人族で白い鎧と白い大盾に白い片手剣で、黒剣と真逆の真っ白装備。
黒剣が攻撃力全プレイヤー中最強なら、こいつは防御力全プレイヤー中最強。
こいつもゲーム内最大手ギルドを率いてる。
名前は白盾騎士団と、そのまま。
爽やかイケメン。
四位 魔狼
始まりの街在住。
上半身裸で、上半身縫合後があるという奇抜なアバター。
魔狼と言うだけあって、狼の獣人。
ユニークスキル、『狼王』を所持している。
効果は力が大幅に上がるのと獣人専用スキル『獣身化』の効果を上げれるらしい。獣人の欠点である、力の低さを補ったオールラウンダー。最大手ギルド最後の一つ千年京のメンバー。リーダーでは無い。
格闘職という、このゲームでは珍しい職についている。
普段はゲーム内で、花屋をしている。
俺の親友の一人。
五位 蒼銀
始まりの街在住。
エルフの魔法使い。
エルフの特権である、魔術作成で、氷系統という全く新しい魔術体系を作りあげた、天才。
俺の親友の一人
恐らく、魔術士最強。
基本無口。
六位 妖狐
始まりの街在住。
二つ名通り狐の獣人。
しかも、ユニークスキル『九尾化』で、九尾になれる。
陰陽師という、札など多用する魔術士のような職業についている。
最大手ギルド千年京のギルドマスター。
魔狼の姉。
可愛い物好きを公言している。
七位 炎精
始まりの街在住。
俺の妹で、エルフの魔法使い。
二つ名で分かる通り、炎系統の魔法を使う。
魔術作成で、炎系統の魔法の詠唱時間を大幅短縮に成功しており、攻撃頻度が半端無い。
魔術士最強は蒼銀だが、魔術士で攻撃力が一番強いのは、多分こいつ。
蒼銀が天才なら、炎精は努力家。
八位 重鎖
始まりの街在住。
悪魔で、先端に鉄球が付いた鎖をぶん回して戦う。悪魔としての能力(悪魔はステータスが平凡な代わりに固有の能力を持っている)は触れた対象を重くする。
鎖で、間接的に触れた対象も効果は薄くなるが重くできる。
重くなるというのは、動きが遅くなるだけで、防御力は上がらない。
ギルド、武者の集いのギルドマスター。、
面倒見が良い。アバターがお爺さんだが、多分中身は若い
九位 隠者
始まりの街在住。
悪魔。
能力は本人に関する音が全て消えるというもの。
暗殺者という、職業についており、二つ名持ちの前衛職レベルの者以外は同じ部屋に居ても気付けないくらいの隠密能力を誇る。
対プレイヤー戦をほとんどしないので、直接会ったことのあるプレイヤー以外はほとんどこいつの情報を持っていない。
イケメンよりだが目立つわけでは無い顔をしている。語尾にッスが付く。チャラい。
十位 魔弾
在住不明。
悪魔。
始まりの街に住んでいないので、俺では詳しい事は分からないが、対プレイヤー戦闘等を見て考察した結果、弓矢使いで闇属性の魔法の矢を使用してる事は分かったが、それ以外は不明。
あ、後映像で、チラッと顔が見えたが、多分女だ。
十一位 剛鬼
在住不明。
こいつも始まりの街には住んでいないので詳しい事は分からないが、対プレイヤー戦闘を見た限り魔狼と同じ素手で闘う格闘職。
後何かめっちゃ叫ぶ。
十二位 聖槍
在住不明。
こいつも詳しい事は分からない。
二つ名から光属性が得意な槍使いという事は分かる。
映像見た限り、初心者ばかり狙ったりと、余り褒められた事はしていない。
十三位 森魔
ドルイドの森という、始まりの街を出て西にある森に住んでいる。
エルフの魔術士。
植物魔法という、ドルイドという職業しか使えない魔法を使う。
森のツリーハウスの様な所に住んでおり、平和主義者。
グリーンガーデンという、ドルイドの森に拠点があるギルドのギルドマスター。
始まりの街にポーションを定期的に売りに来ており、このポーションが、性能が非常に良い。
凄い良い人。
十四位雷獣
ドルイドの森在住。
猫の獣人。
雷を全身に纏うユニークスキル、『纏雷』を持っており、全身に雷を纏って、木と木を跳び回って、相手を翻弄する戦法をとくいとする。
此奴も格闘職。意外と多い。
ギルドグリーンガーデン所属。
天真爛漫が服を着て歩いている様な少女。
十五位 灰兎
始まりの街在住。
兎の獣人。
その正体は雪原 灰ト。
ソードウィップという種類の武器を使いこなす、鞭剣士という職業で、複雑な攻撃をしてくる。
こいつが使うのは、兎のマーク付いた武器で、防具も兎マークが付いている。
一見ふざけているが、強い。
だが、兎だ。
一度、何故そんなに兎に拘るのか聞くと、
「君が兎を飼ってるって聞いたから。」
とよく分からない答えを返された。
バカと天才は紙一重を証明し続ける女。
後、自由人。
このプレイヤー達が、現在の二つ名持ちだ。
ちなみにこのゲームはステータスを多少強化は出来るが、レベル制では無いので、ステータスを上げるだけでは強くなる上で非常に効率が悪い。
故に15位以内に居続けるには、プレイングスキルが必要だ。
ステータスを上げてゴリ押しで十五位以内に入る奴は居ない。
このゲームはステータス差のゴリ押しが出来ない。
モンスターもプレイヤーもこの世界の住人も
急所を突かれたら致命傷を負う。
だから、このゲームはプレイヤー同士の争いがよく起こる。
プレイヤーを殺しても、犯罪者にはならないし(復活するからね)、殺した数等もランキングを上げるのに使えなくもない数字だし、所持金を全てドロップするし、確率で相手の武器や防具をドロップさせられるのだ。
そういうアイテムは限定的なイベントでしか、手に入らないレア武器の可能性もあるので、凄く欲しい奴も居るだろうし、要らない奴にとっては元の持ち主であるプレイヤーに対し、交渉を持ち掛ける材料にもなり得る。
まあ、このゲームのプレイヤーは良心的な奴が多い方だから、交渉内容も平和な事が多いが、其れでも一部のプレイヤーは中々にエグい事を要求して来るので恐い。
ちなみにこのゲームは、死ぬと始まりの街の入り口に移動させられる。ギルドに所属していた場合は、ギルドホールの仮眠室に復活させられる。セーブは無い。
と、まあそんな訳でプレイヤー同士の争いは非常に多く、ランキングは毎日更新される。
だが、二つ名持ちは三ヶ月前から変わっていない。つまらん。
……
さて、説明出来る仕様は粗方説明し終えただろうか。
なら、次は、俺の現在のステータスについて、話をするとしよう。
本当に説明だけです
ごめんなさい