魔王の少女は困っている
さて…今日が約束の日なんですが、私はいま凄く困っていることがあります
私が魔法で作った家にある大量の魔石のことです
時折この辺りを通る商人に聞けば魔石1個でも価値はかなりあるらしく今この家にある魔石をすべて売り払ったのなら私は確実に大金持ちになれるでしょうね持っていけたらですが!
「どうしましょこれ」
とりあえず声にだしてみる
あーどうしようかなぁ
一気に収納でもして持っていけたらなぁいいのになぁ
「ん、待てよ」
そうだよ!収納すればよかったんですよ!
前に収納魔法を見せてもらってよかったぁ!!
魔法語は全く解んないけど…
まぁそこはイメージでなんとかするかな
でも収納ってどんなイメージをすれば?
収納…収納…タンス?
タンスに物を入れるイメージ
よし…いけるいけるぞ
「収納!!」
魔石というか作った家ごと魔方陣の中に入っていった
「どうやって取り出すんですかコレぇぇぇ!!」
いや待て入れた物を思い浮かべれば出てくるとか何とか言ってなかったかあの商人?
「物は試しです!家だけ出てこーい!!」
魔方陣の中から家だけ出てきた
「よし成功!!」
と、こんな事してたらそろそろ時間ですね
魔素で体を最適化して行きますか
「最適化《速度特化》」
言葉通り足の速さを限界まで上げているのである
さぁ全速力でいきましょうかねぇ
あ、でもこれから王城いって殺されるかも知れないんだよね…
こんな事考えてたら馬車見えて来たよ
緊張するなぁ
あ、あの人かな?
こっち向いて頭下げてる
この人だな
よ、よし商人の喋り方を真似して
「どうも、こんにちわ」
「貴女が罪人の?」
「私以外にこの森に人がいるとでも?」
「いや…あのときとはかなり容姿が変わっているもので」
あの時?
この人は私の事を知っている?
あ、思い出した
「貴方はあの日私をここに連れて来た人ですか?」
あ、驚いてる
「…………ええ、そうですよ」
え、あれから十年たっても馬車の運転手やってたの?
「まぁその事は置いといて早く王城に行きませんか?」
「かしこまりました」
そういって馬車の運転手の老人は運転席に乗り込んだ
「殺されないように注意しないと」
十年たって王都は変わってるだろうなぁ
楽しみだなぁ
魔王の少女の服は魔素を纏って服を着ているように見せているだけなので魔法無効の場所に行くと魔素が無効化されるため服は消える