魔王の少女はお腹が減っている
「何を言っているんだ?」
おっと思ったことが口から出てしまった
いや、本当に何が言いたいのやらさっぱりですわー
「そ、そんな…魔素を十年も取り込み続けたら体が耐えられなくなって死ぬんじゃ…」
魔法使いっぽい服装の女がそういってるけど生きてるし、というかそんなこと聞いたことない
「いや、でも生きてますし、というか魔素を取り込み過ぎたら死ぬんですか?」
「普通に死ぬわよ…魔王種でも体が耐えられなくなって魔素が致死性の毒になってすぐに死ぬわ。これ一般常識よ」
え、ホントに死ぬんだ、怖いなぁ
まぁ死んでないしというか得しかしてないから別に取り込んでも問題ないけど
「それより貴女の見た目どうなってるの?依頼書に書かれてる内容とはかなり違うけど」
え、私どんな風に書かれてるの凄く気になる
気になるなら聞いてみよう
「私はどんな風に書かれてるんでしょうか?」
「まず、髪の色と目の色が黒で肌の色が白っぽくて身長が十五歳位らしいんだけど、今の貴女は髪の色が白、目の色が赤、肌が病人かと思う位には白い。そして身長は十歳位ね」
うわー凄く違う
それなら今まで来た冒険者が襲ってきたのか説明がつくわー
そりゃー勘違いされるよね
「なんで貴女はそんなに見た目が変わっているの?」
まぁいいや説明してあげよう
「ええっとですねー
私は十年間この森で過ごしました。その間に体にある魔素の使い方を自分なりに考えていました。
それで何故か髪の色変えれるかもという事を思い付いたので試しに白くしたのが始まりでした。
次に思い付いたのが目の色を変えることです。
目の色を変えることに成功した私は体のことならなんでも変えれるかもという考えに至り色々実験しました。結果はだいたいの事ならできるという事になりました。
まぁそれから色々やった結果こうなったのです。
肌の色は日光をそこまで浴びてないからだと思います。」
何故こんなことしたがって?暇だったからさ!!
女達はというと完全に引いている
そろそろ泣くよ明らかに距離とってるし
「まぁそれはそれとして十年間食事等はどうしていたのでしょうか?」
「ええっと食事は魔物の肉が基本ですね。野菜などは木の実でなんとかしたましたし、水は奥に行けば湧いてますしね。
寝床はこの先に家を建ててそこで生活してます」
ある程度の生活はできてるんだよね
魔物の肉を食わなきゃいけない辺り人にはできないだろうけど
そろそろ本題に入ろう
「それで私の期限についての報告でしたよね?」
「え、えぇ」
「はやく話してくれませんか?まだ朝御飯も食べてないんですから」
お腹が鳴りそうになるのを押さえながら話を聞く
お、おさまれ私の腹の虫ぃぃ
「それじゃあ読みますよ
ええっと貴女を魔の森に閉じ込めて十年がたち貴方の罪が許される時が迫っています。貴方が魔の森から開放される際には国からの迎えを送ります。それに乗って王城にきていただいて国王からお言葉をいただいてから開放となります。」
何故城にいかなきゃならんのだ
殺される予感しかしないんだけど
いや、悪い方に考えるのはやめよう多分これからの話をするんだろう
うん、多分そう
そうであってほしい
「そ、それじゃあ私達は依頼を終えたので帰りますね」
「あ、ありがとうございましたー」
ちゃんとお礼位はしないとね
女達の姿が見えなくなり私は遅めの朝御飯を食べようと家に帰った
「あーお腹減った!」