ちょっとした昔話
見切り発車ァァァァ
十年前、父と母が国王を殺害したらしい
私にはそのときの記憶がない
多分寝ていたのだろう
その時の私には理解が出来なかった
何故両親は国王を殺そうとしたのか
ただ今なら分かる
私の両親は歴史を戻そうとしたのだろう
二百年前に終わった大戦をもう一度起こそうとしたのだろう
この世界には人類が二つ存在する
一つは人類と言われる魔法等を使う種類
二つ目は魔王種と呼ばれる大気中の魔素を取り込み自らの力に変え、そして体の半分が魔素でできている種類
この二つの人類は千年に渡る永い大戦をしていた
そして二百年前魔王種の女王と人類の王が恋に落ちそして結婚
その結婚のおかげで永く続いた大戦は急に終わりを告げた
話は戻るけど私の両親は魔王種の王と人類の王を殺した
勿論私の両親は死刑になったけど私には罪はないと主張する人達が多く居たため私は魔の森に捨てられるだけになった
まぁ実質的には死刑と何ら変わらない
魔の森には魔王種でも体に取り入れ過ぎれば致死性の毒になる魔素が溜まっている
それに加え魔物も大量にいる森に五歳の少女を捨てるということは元より生きて街に戻らせる気はないという事だろう
そして私が捨てられてから十年がたった
時間が経つのは速いなぁと思いながら魔の森で暮らしている
私がここから出られる事を許されるその日まで
まぁあと四日なんですけどね