1・こんにちは非現実
キーワードに関しては今後の展開に関してがほとんどです
雑踏の港町、そこの大通りを僕は歩いていた。ここはハイル大陸最大の港町エルキサイト、普段の僕なら一生来ることはなかっただろう。ならなぜここにいるか、それはとあることが遭ったからだ。
僕はこの大陸の山岳地帯にある小さな村で生まれ育ってきた。村は貧しかったが皆幸せに暮らしていた。
そんな時彼がやってきたのだ。そして彼は唐突に僕に告げた。
「お前はここにいるべきではない、ここで死んではいけない」
あまりにも突然言われたその言葉に僕は混乱した。
「1週間後までにこの村を出てエルキサイトへ行け、そうしなければ貴様は死ぬ」
何を言っているんだこの人は。それがそのときの感想である。
誰でもいきなり自分が育った村を出ろ、そうしなければ死ぬと言われれば混乱するはずである。
「エルキサイト貿易港B-3、そこに仲間がいるそいつと共に我ら“神器研究所”へ」
この世界には“神器”というものがある。今より遥か昔、古代人によって作られた神の力をもつ道具や武防具、それらを総称して神器と呼ぶ。この村でも話だけは少なからず聞いたことがあった。
“神器研究所”
世界中にある神器の調査、回収、保管、研究を目的とするほぼ全世界の国々に認められている機関だ。
ほぼというのは主にいくつかの軍事国家はそれらの神器を喉から手が出るほどほしがっているため、
その神器を回収、保管する神器研究所は邪魔でしょうがないからだ。
そんな機関の名を出すこの人は何者なんだ、いったいなぜ僕がそんなこと言われているのか
本当に謎だった。
「すまない、突然にそんなことを言ってしまって。」
「い、いえ。大丈夫です…」
「俺はスティルガン・バーツ。神器研究所の所長だ」
「え?しょ、所長?」
「本当だぞ?証明書はないが」
「いえ、大丈夫です。なんとなくわかります」
そうなんとなくそういうオーラがあった。
「で、この村を出ろって、そうしなければ死ぬってどういうことですか?
それにどうして僕にそれを?」
「ふむ、1つ目から簡単に説明しよう。実はこの村の地下にウラン鉱脈があり、
某軍事国家がそれを利用しようと企んでいるらしく、1週間後にこの村を壊滅させるらしい」
「ええ!?大変じゃないですか!今すぐ村の皆に知らせないと!」
「無駄だ、知らせて何になる」
「何って逃げるくらいできるでしょう!」
「この村には老人しか居なくそれに周りは断崖絶壁老人には過酷すぎる」
「でも…」
「それに知らせてはい、そうですか、と信じるやつがいると思うか」
「…。」
「神器があれば助けることもできるのだがAWOとの規定でそれができん、すまない」
「じゃぁ、なぜ僕にそんなこと教えるんですか…。何か才能があるわけでもないのに」
「君は万物に等しい才能を秘めている、こいつが教えてくれた」
彼はポケットから貴族が使う手鏡のような外枠に鏡ではなくガラスがはめ込まれたものを取り出した。
「何ですかそれは」
「これは人の隠れた才能や力を映し出す神器だ。信用していい。
君は必ずうちに必要な人間になる。ただ、今はまだその力は覚醒していない、うちに来てその力を開花させ世界平和に協力してくれ!頼む!」
それは本気のようだった。僕は今までここでのんびり生きてきた、それまでは充実していると思っていた。しかし最近自分の生き方に疑問が浮かんできた。これでいいのか、と。
そんな時にこの人はここに来た、そして僕の現実に対して非現実を突き付けてきた。嬉しくなかったわけではない。しかし、心にかなりの罪悪感がわいているのだ。
今、僕は心の中で二者一択を迫られている。
ここでこの故郷と共に死ぬか、
それとも非現実に飛び込み新しい世界を見るか、
厳しい選択だった。
でも、僕は…。
「わかりました、エルキサイトへ行きます」
「本当に!?」
「でも、道もわかりませんしお金もないですよ」
「あ、これここからエルキサイトまでの地図と、行くルートとお金ね」
「ずいぶんあっさりですね…」
それから僕は荷物をまとめ、皆には旅に出るといいここを去った。
「さようなら…。ありがとう」
そうして僕は地図に従いエルキサイトへ行き今に至るのである。




