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孤独を癒すカラス  作者: 葉月 優奈
三話:白い海のオオハクチョウ
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目を覚ました僕は、どこかに寝かされていた。

「喜久、起きるのだ」

木製の建物の天井が僕の視界に入っていた。


「えっ?」

小さい声が出て、僕は周りを見ると僕の手にはハシブトがいた。

防寒着、スポーツ店で買った白いジャケットを着たハシブトは僕を見ていた。

悲壮感漂う顔で、覗き込んだハシブトは長い髪が雪にまみれていた。


「ハシブト?」

「起きたのか、喜久よ」

「大丈夫か?」今度は僕の視界に入って来たのが安志だ。

安志と一緒に、部長の声も聞こえた。


「ああ、ごめん」

「こちらこそ、ごめん」

僕と部長安志がほぼ同時に三人謝った。謝りの声が、重なって部長は泣いていた。

部長の涙が、僕の顔にぽたぽたと垂れていた。


「兄さん、死ぬなんてあたしが許せない」

今度はしっかりした声、そのまま上を向いた僕の頬を引っ張った。

頬が引っ張られて、とても痛い。


「美野里……か?」

「兄さん、痛いでしょ。痛がったら、生きている証拠」

「ああ。そういうことか……生きている」

美野里の言うとおり僕は生きていた。痛みがあって、美野里の手を感じられた。


「でも、どうして……」

「イエイヌです」そして、僕のところに顔を見せてきたのは生徒会長だった。

「せ、生徒会長?」

「イエイヌって、もしかして?」

「ここにいますよ、でも今は休んでもらっています」

そう、生徒会長は大きなカバンでいつも持ち歩く狼。


「遭難した時、彼女の力は役に立つな」

僕は、重い体を起こして周りを見るとそこはペンションだった。

学校指定で八人部屋のペンションで、僕が泊まっていた部屋。

そこには、ハシブトも安志も部長も美野里も生徒会長もいた。

その瞬間、僕は自分が孤独で無いことを知った。


「喜久、わしはようやく癒させてもらったぞ。これぞ『カラスの恩返し』だ」

ハシブトの満面の笑みを浮かべて、僕を見ていた。

彼女の胸の中に抱かれたのか僕は嬉しくなった。


僕はそのことを知ると、顔を赤くしていた。

それを見て、みんなが笑ってくれた。

だけど、助かったんだ。その瞬間、全ての疲れが取れてほっとした表情になったんだ。



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