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53-1 駆け落ちじゃ無いです

「何してくれとんじゃ馬鹿野郎クソ野郎テメェ糞タコ!! 俺の事そんんなに殺したいんか!?」


 その声に、感動が……一気に消沈しました。


「はぁ? アンタ何をそんなに切れ散らかしてるのよ?」


 とんでもない形相をしている水沫君に、乃杏せんせは呆れた表情で問いかけた。


「何で姫様まで連れて来ちゃったんだよ!?」

「問題あるの?」

「ないよ!」


 こんな素敵な所に来たのなら、観光一択である。

 水沫君には悪いが、蜻蛉返りはしたく無いので割って入った。


「姫様ちょっと黙ってて下さい」


 あぅ……、手でお口を塞がれてしまった。

 そういえば拘束は解けたけど、この鎖がネックレスみたいに未だ首に巻き付いてるのは何故なんだろう?

 水沫君には付いてないのにね。


「アンタ……パワハラの腹いせに七姫様落として駆け落ちしてた訳じゃ無いの?」

「5歳児と駆け落ちなんざするかアホ!! 俺にロリコン疑惑をかけんな!」


 乃杏先生の困惑の目が私に向かう。

 水沫君が手を離してくれたので、私は元気良く頷いた。


「かけおち じゃないよ! ゆーかいよ!」

「あ、もしもしポリスメン?」

「間髪入れず通報止めてぇえええ!! 姫様もこんなとこで言葉足らず止めろ下さい半日くらい観光付き合うからぁぁぁああ!!」


 良し、計画通りッ!

 最低でも半日はコレで遊べる。






 乃杏先生に事情を話した。

 私は恐らく誰かに誘拐される寸前だった事。けれど水沫君か犯人のどっちかが私の入ってる旅行鞄を間違えた為、水沫君と乗合馬車に乗っていた事を。


「成る程、トラブル吸引型美少女ホイホイが此処に来てグッジョブに働いたのね」


 あぁ、何処のハーレム主人公だよって言いたくなる水沫君のモテ具合、乃杏先生も知ってるんだ。

 ていうかさっきの格好してた理由から察するに、この人も狙ってる1人だよね。


「困ったわね、丁度良いと思って姫様とペアでエントリーしちゃったわ」

「は……? えッ、真逆とは思うけど試験に!?」

「うん、ほら姫様の首」


 雪の結晶のネックレスを指差す乃杏せんせ。

 目の色を変えた水沫君がネックレスに触れた。

 けれど、パチンって電磁波が強めに走った。


 地味に痛い……。


「いたい」


 ジトっと睨めば、水沫君が焦って謝る。


「すみません姫様! いや、何つーもん仕掛けてんの師匠!? 一瞬だけ解析したけど、これ俺の試験が終わるまで都市から出られないようになってんじゃん!」


 え、マジか……。


「ええ、因みに貴方のは指輪よ」


 乃杏せんせが指差したの方に視線を向ける。

 あ、本当だ。気付かなかった。

 私のと同じ雪の結晶の指輪が付いてる。


「自分のは解析出来るから、存分にするが良いわ。外せないでしょうけどオホホホホ!」


 なんか色々置いてけぼりにされるの飽きて来たな。

 聞いちゃお。


「このネックレス、なぁに?」

「認定試験の参加証よ。其奴の試験が終わるまで外せないけど、我慢してくれる? 観光いっぱいして良いから。馬鹿弟子の財布で」

「いいよ」

「支払い俺かよ!!」 ←指輪を解析中


 私知ってる。

 ジィジの側近だった彼の銀行口座は、幼女がちょっとやそっとお菓子を食べたくらいで日上がらない。

 そういう訳で、容赦は要らねぇ。


「でも私、レンキン術師じゃないよ?」

「うん、テスターね。認定試験は筆記試験、と実技試験の二段階になってるの」


 二次試験で、受験者が作った物を使って、テスターが試験管に出されるお題をクリアしなければならないらしい。


「アンジェラは? ハンネは? (ヒナ)にマリエッタ先輩にツェツィーリアと敏夏(ミンハ)も、こっちで就職してますよね?」


 今……多分イギリス、ドイツ、日本、イタリア、ロシア、韓国の女の子の名前が出た。

 男の子の名前が続かない辺り、彼の留学生活は相当ギャルゲーだったと伺える。


「今は全員里帰り中よ。それと、七姫様がドン引いてるわ」

「水沫君、サイテーでも6股だった?」

「誰とも付き合ってないです!」


 本当かはさて置き……そうか、受かるにせよ落ちるにせよ、水沫君が試験を受けてくれなければ、私はお家に帰れないという事だ。

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