67-1 誰に仕えたいか、です
御免なさい。更新する順番間違えたので、こっち急いで投稿します
━━夜
結局、あの後目を覚まさなかったシュシュさんは、水沫君が学生時代に作ったらしい隠れ家に寝かせた。
帰りが遅くなったから、乃杏せんせに事情を話すのに若干の忌避感を抱いていたけれど、彼女は今日大事な集まりがあるそうで不在だった。
帰りは明日の昼らしい。ラッキー!
「みーなーわくん! あーそーぼ!」
「嘘でしょ……」
という訳で(どういう訳で??)私は、いざという時枕にもなるワンコのぬいぬいクッションを持参し、水沫君の部屋に突撃したのである。
「姫様、流石に夜に男の部屋きちゃダメって教わってますよね?」
ラフな格好で屈んで目を合わせてくれる水沫君に、首を傾げた。
「水沫君ロリコンじゃないでしょ?」
「そりゃ俺と姫様のコンビで何か起こる訳が無いんですけどね、下世話な奴の目が何処にあるか分かったモンじゃ無いって話です」
「乃杏せんせのおウチのぞくの、命知らずすぎない?」
あの手の美女はやられたら1億倍返しで済まないよ。錬金術師って職業柄ガチでヤベェ実験モルモットにしても、私は不思議に思わないね。
「それに、このまえまで いっしょにお風呂はいってたし」
「ぐぅの音も出ねぇ」
はーい、お邪魔しまーす!
「あれ? き、れい??????」
「どんだけ部屋散らかす野郎だと思われてんですか俺は?」
「藤君が、水沫君のへやの樹海(?)でそうなんしたって……」
「アレは馬鹿が開発中の栄養剤をプランターの茄子と胡瓜とトマトに溢して招いた事故です。ダンゴムシに溢して王◯も爆誕しましたけど」
楽しそうな事してるな君達!
「◯蟲いるの!? どこ!? どこどこ!? だっこする!」
繁殖させてるよね!? 幼生居るよね!?
出来たら『何もいないったら!』ってとこリアルに再現したい。
いや! やっぱり最初の森破壊してドッカーンて大きのが出て来るとこ再現してほしい!
「諸に生態系破壊するんで幼生のうちに処分しましたよ」
「……え」
なんかケロッと残酷な事言ったぞ。
水沫君、幼生片手で持ち上げて去ってく大人役やったのか。
「そもそもの元凶の馬鹿が『出て来ちゃダメ!』ってやったのに苛ついたんで、問答無用で引っぺがしました」
そんで藤君が蟲に取り憑かれた心優しい幼女役やったんかい。
「つか、王◯の話しに来たんじゃ無いんですよね」
「そのはなし を ふかぼりしないで いられる お子様がソンザイすると おもう?」
「まだ続けんの!?」
「ううん、もういい」
ジブ◯好きだけど、『風の●のナ◯シカ』より『紅の●』派なんだよね。ポ◯コかっこいい。
「姫様、小学校入るまでにその性格ちょっと直しましょうね」
「これくらいクソガキじゃなきゃ、せけんで淘汰されちゃうのよ! めざせ、テンジョーテンゲゆいがどくそん!」
「せめて発音きちんと出来るようになってから目指してくれ」
頭を抱える水沫君を差し置いて、ベッドに勢いよく飛び乗る。
私の部屋のより弾まない。悲しい。
「そんで、本題は何ですか?」
水沫君はキャスターのついた椅子に座って向き合う。
背もたれで頬杖ついてるけど、目はきちんと合わせてくれていた。よしよし。
「水沫君、
━━━━なんでジヒョーだしたの? ジィジのこと大好きなのに」
彼の顔から表情が抜け落ちる。
でも、ずっと気になっていた。気にするなと言う方が無理だった。
水沫君がジィジに『━━辞職します!!』って言った時、同じ室内には居たよ?
でも飴を舐めるのに夢中で、内容ちゃんと聞いて無かったんだよね。
だからてっきり、ジィジが無茶振り言って、限界が来ちゃったのかと思ってた。
でも、ソレだと可笑しな事ばっかり。
其の一、私の身分がやんごとなくても、自分を馬車馬の如くこき使った奴の孫よ? いくら面倒見が良いからって、辞める前と同じくらい丁寧には扱わないと思う。
其の二、ジィジを侮辱したシモンさんや博士にガチ切れしてたのと、シュシュさんへの『俺の飼い主の━━』って台詞だよ。まーだ敬愛しとるし、忠誠心有るやないかーい。限界きて匙投げた奴への態度じゃ無いよ。
「演技がんばってたけど、めちゃくちゃボロだすんだもん。わかっちゃうよ」




