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54-1 外つ国の地底都市です

 メルトリウムの中に入って歩いている最中、乃杏せんせがハッとした表情を浮かべた。


「そういえば七姫様、着替えが全く無いんじゃない!?」

「あ、俺も無いでーす」

「馬鹿は適当にその辺の草でも局部に着けてなさい。七姫様のお洋服は一緒に選ぶわ! 女の子の服選ぶのなんて何年ぶりかしら〜」


 水沫君、撫でてあげるからそんな悲壮に満ちた背中見せなくて良いよ。

 よちよち。


「姫様ホントに5歳なの? 俺たまにオギャりそうになるんですけど?」

「きっとつかれてるのよ」


 転生してるから似非5歳児なのは当たっているが、5歳児にバブみを覚えてしまうなら、それは別問題だ。

 開いてはいけない扉を、不要な体当たりで破らせる趣味は無い。


 ところで、ずっと気になってる事があるんだよね。


「私たち、みつにゅーこくでは?」

「ん? あぁ、此処はドワーフと妖は出入り自由ですよ。他の種族はパスポートとか要りますけど」


 色々と突っ込みたい事はあるけど……けど待って。

 ……ドワーフ、だと?


 ファンタジー定番の……エルフとタッグでロマン溢れる鍛治が得意な?


 辺りを見回す。

 道ゆく人の中。

 開いたままの戸口から見える工房の中。

 まだ時間的に昼間なのに空いてる酒屋。

 居る! あっちにも、こっちにも!


「ヒゲまみれ!」


 テンション爆上がりのあまり、思わず一番近くに居たドワーフさんに言っちゃった。

『やっちまった』と後悔したが、ドワーフさんは豪快に笑って気にしていないようだ。


「がっはっは! 見どころのある嬢ちゃんだな! チョコレートやるよ、じゃあな」


 去っていくドワーフさん。

 お菓子までもらってしまった。


「髭が多いっつーのは、ドワーフにとっては褒め言葉なんですよ。良かったですね」


 成る程、セーフ。

 でも気を付けよう。


「2人とも〜、そんな所で油打ってたら置いてっちゃうわよ〜!」


 私がドワーフに気を取られている間に、乃杏せんせは随分と前方に居た。


「……だっこ」

「抱えて走れと?」

「まだツバサ、全快じゃないんだもん」


 そう、私の翼はまだ全快じゃ無いのだ。本当ならそろそろ治ってる予定だったけれど、悠揚での戦いが響いた。


 ……御免なさい嘘です。

 あの一件も確かに響いたけど……実は千里眼的なアレを、帰って来てから練習したのが1番の失敗。アレ……結局あの時しか使うの成功しなかったの。練習したら使えるかと思ったけれど、ただ霊力を無駄に消費しただけだった、無念。


 今は、いざという時はそりゃ戦えるけれど、有事の際以外は、霊力を極力治癒に回さなければいけない状態だ。


 ただ歩くだけでも霊力はちょっと消費する。走ったら余計にだ。

 今は余分に与えてしまった私の霊力をリリースしてくれる藤君も居ないし。

 霊力の消費は抑えたい。

 それは水沫君も分かってくれるはずだ。


「はいはい、姫様の仰せのままに」


 乃杏せんせと合流して向かった先は……、私のお腹の虫が鳴った為、すぐ近くのティールームになった。

 さっき●イズ食べてたのにって? 水沫君、お菓子は別腹なんだよ。






 案内されたのは、橙の光が青い小花柄の壁紙を優しく照らす━━こじんまりとした個室だった。

 注文をすれば革張りのメニューがひとりでに浮いて壁をすり抜けて行き、室内にあった木製の棚の紅茶缶やカップ達がふわふわ飛んで来た。

 同じように浮いたポットが、ティーカップに暖かな紅茶を注ぐ様子に興奮が収まらない。

 もう魔法の世界やん。


「それじゃあ七姫様、今からちょっとカルチャーショック受けると思うけど良いわね?」


 暫くして、モンブランクレープをぺろっと平らげた私に、乃杏せんせが改めて言った。

 カルチャーショックか……。何故か個室に案内された時から大事な話をするんだろうと心算はしていたけれど、カルチャーショックを受ける内容なのか。


「まず、此処は人間が割と多く出入りします」

「常世なのに?」


 乃杏せんせは頷いた。


「日本はかつて妖と敵対した為に力を持つ人間━━陰陽師達が多くの霊道を塞いでしまったけれど、此方に多い魔女や錬金術師は敵対する気が無かったし、常世の技術を失うわけには行かなかったからね」

カクヨムには後書き機能が無い為書いていませんが、前章でガンガン動いていた七夜月が、最もらしい理由で走るのを今回ためらったのは、悠揚から戻って主治医に診てもらった際、こっ酷く叱られたからです。


主治医「治りそうだったのに悪化してるんですが?? これじゃ何時迄も治りませんよ?」

七「がいしゅつさきで、トラブルが……」

主治医「長時間だったり激しい運動も暫くダメです」

七「えー!」

主治医「……」ギロリッ

七「ごめんなさい」


しかし、今回の章でも結構動く! ドンマイ主人公。

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