ラッシーにはナンを
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
鼻詰まって紅茶の匂いが分からない毎日を送ってます。
水飲んで、鼻息で匂いを感じます。
ケーキ食べたい。
俺が良く行くカレー屋に、カップルが来た。二人とも鋭利な目をしていて、クールな印象を与える。其れでも恋人ならば、それなりに甘い言葉を掛け合いそうだが、特に何かを話す訳ではなく、席に着くなりただ黙ってメニューを見ている。
其れは店員を呼んで、料理を指定するその時まで続けられた。
不意に、彼の方が口を開く。
「ラッシーってなんだ?」
「超濃厚飲むヨーグルト。あれを飲むと普通の飲むヨーグルトじゃ満足出来ないぐらい、味が濃い」
淡々とした口調だった。チラリと横目で彼女の反応を伺うと、表情筋はピクリとも動いていなかった。ただ口周りの筋肉だけを動かして、淡々と回答を述べる機械の様だった。
そこから発展させて、会話が盛り上がるのかと思えばそんな事はなく、また静かな沈黙が降りる。あまり話したい事、話すことが無いようだった。
そうして五分と経たないうちに、ラッシーが届けられた。
「お先にラッシー、失礼致します」
「どうも」
店員の良く通る声に短く返事をしながらも、彼女の方は出された飲み物に手を付けない。
「飲まないのか?」
「ナンと一緒に嗜みたい。ケーキには紅茶か珈琲が必要でしょう?」
何者にも興味が無さそうに見えて、意外と強い拘りがある様だ。そんな淡々と続く会話に強い興味を持ち、俺は店員が差し出したカレーに手を付ける。
そう言えば良く来るとは言え、此処のラッシーを飲んだことが無い。味は彼女に言わせると、『飲むヨーグルト』らしいが、果たして。
店員がまた横切り、カップルにカレーを差し出す。どうやら望みだったナンが届けられたらしい。
「ラッシーを飲むと地中海のシチリアレモンを感じるの」
――其れはインド洋では?
「せめてインド洋にしろよ」
「じゃあ、インド洋の漣が聞こえる。水平線が見える。そして地中海のシチリアレモンが……」
「地中海のシチリアレモンは何処から湧いて来たんだ?」
「ピレネーの城みたいに突然」
変わったカップル。交わす言葉も超現実的だった。
ラッシーって平たく言うと、濃いめの飲むヨーグルト。
これを飲むと、普通の飲むヨーグルトだと薄く感じます。
ラッシー飲むと、地中海のシチリアレモンを感じるんですよ。青い海と水平線。爽やかな風。〜完〜
分かる人いらっしゃるかな。
ぽっくり行くのが私の理想の最期なので、ケーキ我慢してます。食べたい。切実に。