閑話
閑話。
昔々、大きな森の中にひっそりと小さな村がありました。
たまに旅人が訪れるぐらいで、よそから来るものもほとんどいないそんな村でした。
その中で村人たちはみな仲良く畑を耕したり、狩りに出かけたりして助け合い暮らしていました。
そんな平和な村でしたが、ある日突然魔王が攻めて来ました。
魔王はいつも楽し気に暮らしている村人たちを恨めしく思い襲って来ました。
村人たちは一生懸命戦いましたが、とても強い力を持った魔王を退けることはできませんでした。
そして村は魔王の支配下となり、村人たちは牢獄に囚われました。
この事態を知った近くの王国の王様はこの村を救うため、王国でとても強いと言われている3人の若者を城へと呼びました。
1人は不思議な術で壁や動く人形を動かして戦う黒髪の青年。
1人は山をも砕くと言う強い魔法を操る美貌の女性。
1人は動物と会話し木々を操ることのできるエルフ。
王様はこの若者たちに勇者として魔王の討伐をお願いしました。
3人の若者たちはこのお願いに快く承諾し、勇者となって魔王に脅かされている村へと向かいました。
魔王のいる村に向かう道中には魔王の手下である悪魔が立ちはだかっていました。
しかし、勇者たちは持ちうる強力な力でそれらの苦難をなぎ倒し村を救わんと進んでいきました。
そして多くの悪魔を倒し勇者たちはついに魔王のいる村へとたどり着きました。
村は魔王によって田畑は荒れ、木々は枯れ果て大きく姿を変えていました。
勇者は非道の限りを尽くす魔王に怒り、村人たちを救うため戦いました。
ここまで悪魔たちを退けてきた勇者でも苦戦をするほど魔王は強く強大でした。
しかし勇者たちは諦めず戦い続けました。
魔王の攻撃を受けても幾度となく立ち上がり戦います。
そうして長い戦いの末その時は来ました。
度重なる勇者の攻撃によってボロボロなった魔王の角が折れたのです。
これに動揺した魔王を勇者は最後の力で強大な魔法を放ち倒しました。
魔王は倒れ村人たちは解放されました。
囚われていた村人たちは勇者にとても感謝をしていました。
しかし、魔王によって荒らされた村ではもう住むことはできません。
そんな彼らを勇者たちは王国へと連れ帰り皆で勇者を称え宴を催しました。
王様も勇者を称えるたるため金銀財宝を準備して待っていました。
しかし、宴を終えた勇者はまだ救わないといけない人々がいると言いあ新たに旅立ちました。
その後勇者を見たものはいないと言います。
しかしこれ以降魔王の脅威に苦しむ人々はおらず、勇者は確かに王国の平和を守りました。
これに王国の人々は深く感謝し毎年勇者を称える祭りが行われるようになりました。
【王国歴史書 勇者概括~御伽噺から学ぶ勇者編~】より抜粋
次、閑話続投。