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続き。ヒデ視点。

「お待たせしました。異音...の調査でしたかね。こんな森の仲間で大変ですね。」


「いえいえ、こちらも仕事ですからね。街の人たちが安全に暮らすためならなんのそのですよ。」


 あの男、ルサナと言っていたな。随分顔がいいじゃねぇかこんちくしょう。なおのこと色々怪しく見えてしまうぜ。

 さっき隣にいた嬢ちゃんはいないようだが、まぁ問題ないだろう。ここまで俺たちのことをどうとでもできる機会はあったが一切手を出して来ていない。ということは少なくともすぐには戦闘になることはないだろう。

 ルエディとケイも空気を読んでか今のところは静かだし、まずは話を聞いて安全来てこから帰れれば大勝利だな。ギルド長には怒られるだろうが最悪奥の手で逃げるか。成果持って帰ればどうにかなるだろ。

 それにしても、色々怪しいところが多すぎてどこから聞いていいかも困ったものだな。

 ...カマもかけつつ順番に潰していくか。


「それにしても立派な家ですね。娘さんもいらっしゃいましたし、ここに住んで長いんですか?」


「そう...ですね。そこまで長いわけではないですが、もう2,3年になるでしょうか。」


...まずは1個目だな。ギルドの定期調査でこんな家、一年以内は報告に上がってなかった。間違いなく最近だがそれを隠してやがる。

 だが、それはそれでこんな森の中に立派な石造りの家が急にできるなんてのもおかしな話だ。やっぱり怪しいところしかないじゃねぇか。

 まぁ、少なくとも街のギルドに詳しいやつではないな。


「なるほど...。先ほどもおっしゃってましたが、こんな場所だと魔物も多いでしょう。あんな感じで罠だけでも対処できるもんなんですか?」


「結構罠に掛かってこの家まで来ることは滅多にないですね。今回は皆さんを引っかけてしまったようで、申し訳ございません。」


「いえいえ、調査中だったとはいえこちらの不手際も多くあなた方を警戒させてしまったようだ。」


「ここには娘の療養のためにいてね、過剰かもしれないが安全は確実なものにしておきたくてね。」


「娘さんのためですか、それは確かに過剰にしてしまいますよね。」


 お、聞きたかった目的は勝手にゲロってくれたな。わざわざ言ってくれるならありがたいことだ。

 にしてもこの兄ちゃん、自分で言ってることがなかなかにおかしいことに気づいてないのか?表情が微笑みの状態から一切変わってないぞ。

 まぁ、最悪この内容が前部嘘って可能性もあるが一旦考えないでおこう。


「ここから本題に入らせていただくんですが、最近大きな音や普段は聞かないおかしな音って何か聞いてたりします?」


 ここまでもすべて本題だが、それを悟らせないためにもこれを本題ということにしよう。そんなにおかしくはないだろう。


「音、ですか。何せ森ですかららね。日々魔物であったりそれこそ罠であったり、いろいろありますかね。」


 確かに森の中に住んでいればそういうもんだろうな。だがそうじゃない、ギルド長が言うにはこのもりに森の周辺を通っていたものが聞こえるレベルだ。相当大きいことになる。この家が関係なかった場合、さらに正体不明の魔物だった場合が最悪だ。こんなとこで油売ってる暇じゃないってことになるが。だが裏にあった地面の跡、さすがに関係ないことはないだろ。というかあれが音の結果だとは思うが...。


「あぁそういえば、先日家の裏で魔法の練習をしてる際にですね少々失敗してしまいましてねそれで大きな音が出てしまったかもしれません。」


「魔法の練習ですか。」


「はい。魔法の練習です。」


 魔法の練習ねぇ。確かに魔法の失敗で大きな音が出て地面が抉れたというならそうなのか?

 ......困ったな。俺は魔法がからっきし使えないせいでどんな魔法だったかを聞いたとしてもその言葉が真実か嘘か分からねぇな。 案外あっさり原因であることが分かったが、ここを今後危険視するかも判断しずらいな。

 ...いや?そもそもこんな森のわけわからない場所に怪しさ満点の家があって、もともと調査していた異音の原因もここであることが分かった。これで報告する内容は十分じゃないか?

 こんな危険そうな場所に若手二人を連れて長居するのも得策じゃない。それに仕事さえ忠実にこなせば後の判断をするのは上で俺じゃない。

 よし、ここから脱出しよう。これ以上話を深堀して相手の気に障っても良いことないしな。


「なるほど、わかりました。貴重な情報の提供感謝いたします。我々はまた別の場所の調査も行うためこのあたりで失礼させていただきます。この度はご迷惑をおかけしました。」


 ケイの奴がこれでいいのかって目で見てるな。しょうがないだろ、俺に判断できる領域じゃないんだよ。とりあえず一旦ここから出て安全なとこで情報の整理をするぞ。アイコンタクトで伝わるかこれ?


「そうですか。それではもう出て行かれますか?」


「はい。まだ別の調査もありますので。」


 そっちも何か隠してるっぽいしこれで両者納得して出ていけるだろう。いやぁ、どうにか問題なく帰れそうだな。最後まで兄ちゃんは表情変えずに淡々と話すから怖かったぜ。


「1つだけお話したいことがあるのですがよろしいですか?」


「お、お話ですか?」


 なんだなんだこのタイミングで。さすがに怪しいぞ?一応強行手段で脱出の可能性も考えておくか。


「はい。...皆さんは勇者についてご存じですか?」


 ん、勇者?......あっこの手の話はまずい!ルエディがっ!


「勇者、勇者ですか!あの勇者ソラモトトウヤ についてでしょうか!それはもう存じ上げております!なんたって我々の住む街は勇者の最後の地ですからね!誰もが勇者一行について詳しいといっても過言ではないですよ!」


 あぁぁ、食いついてしまった。どうすんだよこれッ!せっかくいい感じで帰れそうだったのにどうしてこんなことに...。ケイも頭抱えてるぞこれは。

 あの兄ちゃん勇者の話ってなんだよ。一番最寄りの街だっていうのにマジで何も知らないっていうのか?

 ってかルエディも言い過ぎだ。そこまで誰もが詳しくねぇよ。お前だけだよ!


「なんと最後の地ですか、これはこれは。申し訳ないですが、その勇者に関して少し教えていただけませんか?」


「もちろんっ!もちろんですとも!」


 えええぇ!?あの話の振り方をしといて知らねぇ何てことあるのかよ!どう考えてもこいつ怪しすぎるだろ!なんなんだマジで...。


「勇者はですね、おおよそ200年前。それこそこの森の中央に誕生したといわれる魔王を討伐した者たちのことなんです。よく一括りで勇者という単一の呼ばれ方をしますが明確には3人の冒険者だったと言います。一人はリーダーのソラモトトウヤ。そして魔法使いのセレルテ・ヴォーツラ。最後にエルフのル・サナイラです。彼らは卓越した魔法や戦闘技術で王から直接指名をされ、魔王討伐へ赴いたとされています。そして魔王のため、最後に宿泊をし、戦いの準備を整えたのが我々の住む街だったというわけなんです。」


 こいつここぞとばかりにめちゃくちゃ語ってるな。てか勇者たちのフルネームなんてよく覚えれるな。確かに魔王から世界を救った英雄様かもしれんが200年前の人物だぞ。


「なるほどなるほど、博識ですね。勇者のことが本当に好きなようですね?」


 なんだぁ?自分から話を振っておいて博識ですねって。もうちょいましな感想残せよ。...って俺はな何を言っているんだ。そもそもここから早いとこ出る手はずだっただろ。

 この兄ちゃんが話を聞いている間にルエディを担いで無理やり脱出を......。


「もし、私がその勇者だとしたらどうします?」


 .........はぁ?何言ってんだこいつ?

一人称視点の方が何考えてるか分かりやすくていいかと思ったけど、そんなことなさそう。

普通に読みずらいかも。

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