衰聖の魔女(軽くホラー?)
以前、同じ小学校、同じ中学校に通っていた、3歳ほど年下の方と話をしたんですよ。
雑談のついでに昔、その小学校で流行っていた怪談の話をしたんですね。
その内容はというと、その前フリとして小学校の社会の授業でグループに分かれて地域の公共施設に話を聞きに行き、その内容を授業中に発表するというものでした。
その小学校の近くに国立の総合病院があったんですけど、戦時中に建てられた施設なので、いつできたかわからないとのことでした。
実は、その病院では戦時中に医療ミスや不慮の事故で亡くなった身元のわからない○体を、当時広い空き地だった現小学校のグラウンドに埋めていた、という物です。
この話を聞いた相手の方は「あ、それ聞いたことあります」と言っていました。
まあ、勿論、設定ガバガバの嘘話なんですけどね。なぜ、嘘だと断言できるのかと言うと、その話を考えて下校中に同級生たちに話をしたのが自分だからです。なんか、今考えるとそんな事、あるわけないだろと、自分でも思いますが、小学生だった当時は“戦時中”、“国立の総合病院”というワードを話に盛り込むことにより説得力が増すと子供ながらに考えたようです。
それにしても、こんな下らない話が三学年も下の子たちにまで伝わっているとは驚きました。
根も葉もない噂に安易に飛びついたり、信じたりするのは怖いですね。
1973年“オイルショック”が起こった際、トイレットペーパーなど日用品が不足するという噂を信じた人たちが、トイレットペーパーなどを買い占めに店に群がりました。“コロナ禍”真っ最中の時にも同じ現象が起こりました。今回はそれらの商品を買い占めてネットで高額転売する人も多くいました。曖昧で悪質な噂を利用してお金儲けをする人もいるみたいですね。人間は短い歴史の中では中々進歩するのは難しいみたいです。
“魔女”というと、女性だけなのかというと英語では“witch”と言って男性も含まれるので誤解されることも多いみたいです。
最近ではジブリ映画の『魔女の宅急便』やガンダムシリーズ『水星の魔女』などから意外とポジティブなイメージもあるような気がします。ですが、中世ヨーロッパでは“魔女(男)”は絶対的に忌避し処罰される対象でした。そのため魔女狩り運動というのが起こりました。
ダリオ・アルジェント監督のホラー映画『サスペリア』、『インフェルノ』などの恐怖の対象としての魔女などが、イメージとしては近いかもしれません。
17世紀の初めから、80年間に、イギリスで魔女(男)として処刑された人間の数は、平均して500人、全体では4万人に上がったそうです。後にランカシャー州の女性の魅惑的な美しさを褒める言葉として使われるようになった「ランカシャーの魔女」の迫害の恐ろしさは、ほとんど他に類を見ませんでした。この言葉の起源はもっとはるかに恐ろしいもので、ロビンソンという名の控え目に言っても奸悪な少年がその中心でした。
1634年頃、ランカシャーのベンドルの森の外れに住む木こりの息子ロビンソン少年は、近所の魔女、特にマザー・ディッケンソンという老女について喋り始めました。少年の話が、地元の治安判事の耳に入り、彼は尋問に連れて来られました。当時、イギリスでは魔女騒動が頂点に達していて、一般人の心の中は、差し迫った王党員と共和党員勢力争いよりも、魔女のことで一杯だったそうです。
ロビンソン少年は、純粋で正直そうな態度で素直に語り、治安判事も大衆も彼は真実を話していると信じてほとんど疑わいませんでした。少年は、ある日森の中で2匹のグレイハウンドと遊ぼうとしたときのことを話しました。1匹の犬は小さな男の子に変身し、もう1匹は女の人に変身したとのことです。その女とは、マザー・ディッケンソンだったそうです。老女は、金をやるから悪魔に魂を売らないかと自分に言ったが、断ったとロビンソン少年誓いました。すると老女はもう一人の小さな男の子の頭上で馬勒(おとがい)を振り、馬に変身させたそうです。彼女は馬にまたがるとロビンソン少年をつかみ、そのまま森や野原、湿地、川などを乗り回し、ある納屋に着いきました。彼が中に入ると、そこには既に7人の魔女がいました。彼女たちは、バーウィックの古い教会から取って来た死人の肉を食うなどの反道徳的儀式にたずさわっていたそうです。食事の用意ができる頃には、更に数人の魔女が宴会に加わりに来ました。
この話は、現代の自分からすると矛盾点がいくつかあると思います。まあ、現代人からすれば“魔女”なんていう存在自体を否定しますが。
なぜ、マザー・ディッケンソンはロビンソン少年を連れ去ったのか? (口封じのために殺してしまえばいいのに)。ロビンソン少年はどうやって逃げ出したのか? またはなぜ解放されかのか? ロビンソン少年は逃げたした(?)後、どうやって家までかえったのか? (馬に乗って色々な所を通過してきたはずなのに)。
まあ、ここら辺のところは資料に書いてないのでわかりません。
少年の証言が終わると、納屋にいた老婆たちを割り出すために、当局は彼を教会から教会へ連れ歩きました。ロビンソンは全部で20人あまりを指摘し、彼女たちは牢に入れられました。そのうちのマザー・ディッケンソンを含む8人が裁判にかけられ、有罪を宣告されて火あぶりの刑になりました。
数年後、ロビンソンは、父親や親戚その他から嘘の告発をするようそそのかされたと、偽証を認めました。父親のロビンソンは、息子に正体を暴かせるぞと何人かの人々を脅して、多額の金を搾り取っていた。それでも資料によると「この有名な話をでっち上げた卑劣漢の中のただ一人として、偽証罪で裁かれることはなかった」そうです。
今も昔も、こういうお金の稼ぎ方をする人は、自分は好きではないです。
お金の稼ぎ方と言うと、バーで一人で飲んでいる客を相手に、自分の目玉を噛んで見せるという賭けを申し込む男か現れ、客がその賭けに乗ると、男は義眼を取り外して噛んでから元に戻します。これで客は賭けに負けてしまいましたが、男はもう片方の目も噛むことができる、という賭けを提案します。もう一つの目が義眼であるならば、男は盲目でなくてはならないので、もう一度賭けに乗りますが、男は入れ歯を口から取り出して、もう一つの目に押し当てました。
この愉快な詐欺師の一人はラスベガスのバーに出没する老人で毎夜何時間も粘れるだけ、観光客たちからこの賭けで、幾らかの持ち金を巻き上げていました。
ある記者が、ラスベガスの一流ギャンブラーに老詐欺師を止めた方がいいのではないかと尋ねたとき、一流ギャンブラーはラスベガス特有の倫理観から「なぜだい? 彼は堂々と騙しているじゃないか」と言ったそうです。
こういうお金の稼ぎ方は騙された方も笑ってしまいそうなので自分は好きです。賭けた金額にもよるでしょうが。ラスベガスの土産話の値段としてはいいんじゃないですかね。
そう言えば、コロナ禍の最中に書店に行ったら、カミュの『ペスト』が平積みにされてありました。自分は書店と出版社の営業努力に敬意を表して一冊購入しました。




