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第6話『平常心』

「わかった! こんな時だからこそ、レンナちゃんに恋人をプレゼントする」 

「はぁぁっ⁈」

 全員がポールの発言に耳を疑う。

「バカか! んなもん俺たちが用意してどうするっ」

 タイラーが怒鳴りつける。

「そんな突拍子もないことかよ。現に傍に候補がいるっていうし、レンナちゃんをすぐ傍でサポートできる恋人くらい頼もしい存在がいるか?」

「そりゃそうだが、かと言って俺たちが賑やかしてくっつけるっていうのはどうかと思うぞ」

 アロンの言葉に頷いて、トゥーラも続いた。

「恋人がいるからといって、安定するわけじゃないわ。あるいは不安定になることだってあると思う」

 キーツも言い募った。

「そうだよ。集中が必要な時に、恋人との関係に一喜一憂してたら身が持たないよ」

「そいつはあれだな。ウェンデス様かもっと言えば生命の樹が指導することだな」

 マルクがなだめたが、ランスも同意見だった。

「思うんですけど、神々のお計らいにお預けしてはどうでしょうか? 私たちは大人らしく見守ることに徹するんです」

「どっちにしても、私たちが関知できることじゃないと?」

 オリーブが尋ね返すと、ランスは一言。

「おそらく」

「そっか、それじゃしょうがないか」

 あっさり引き下がるポール。

「うん、却下な。他には?」

「いや、真っ向否定するようで悪いんだけど、何もしない方がいいと思うんだ」

 ナタルがふと言った。

「えっ、なんで?」

 オリーブが聞くと、ナタルは静かに言った。

「平常心ってさ、あまり多くを必要としないんじゃないのかな。足るを知る、ほどほどでやめておく。そういうもんじゃないかい」

「おう、確かに」

 タイラーが珍しくナタルに賛同する。

 トゥーラはもっと悲観的だった。

「そうね、私たちは頑張ってとしか言えなくて。何とかしてあげたいけれど、生命の樹の盟約はレンナちゃんしか求めてない……結局は何もできずにあの子の心を騒がせるだけなのよ」

 ポールがぎょっとして異を唱える。

「ちょっと、ちょっと、消極的すぎだろ」

「じゃあ聞くけど、ポールがレンナちゃんの立場になったらどうしてほしいの?」

「そりゃ目一杯盛り上げて、勇気溜め込んで本番に行きたいさ」

「スポーツか演劇じゃないんですから……」

 ルイスが呆れて言うと、アロンがマルクに問う。

「あのさ、その「平常心を保ちながら集中してもらう」って文言、レンナちゃんの意見を入れてるんじゃないかな」

「だろうな。代表がどう過ごしたいかっていうのは重要だよ」

「じゃあさ、「静かに過ごしたい」っていうのがレンナちゃんの願いなんだから、俺たちは騒ぐべきじゃないよな」

「あ……そうか」

 ポールが納得すると、アロンは「な」とだけ言った。

「決まりね」

 オリーブがマルクを見る。

「うん、俺たちは何もしない。寄せ書きくらいは構わないだろう。それ以外は一切騒がせないということで」

 全員が唱和した。

「了解!」

















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