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第5話『ミルラ、打ち明ける』

「どうしたの、ミルラ?」

 パティが気遣う。

 ミルラは頬を赤らめて言った。

「あの、実は……トイレを我慢できなくて、サバラスさんの小屋のトイレをお借りしたんです」

「ええっ⁈」

 ぎょっとするパティたち。

「……よく飛び込めたね」

 メグがこわごわ言った。

「だって、家族には内緒だし、童話の里に戻れば大騒ぎになるし、民話の里には知り合いもいないしで、その……」

「一言、いってくれればよかったのに……無断で現場離れたんじゃないの?」

 パティがやんわり言った。

「すみません、普通に余裕なくて……」

「サバラスさんに怒られなかった?」

 メリッサも聞いてくれる。

「はい、それが反対にとっても親切にしてもらいました。熱々のミルクをごちそうになったり、暖炉に当たらせてもらったり、防寒着まで用意していただいて……」

 顔を見合わせるパティたち。

 ごくりと喉を鳴らすメリッサ。

「私もお礼に行かないと……」

 メリッサはマーカー・ポール班のサブリーダーに就いていた。

「あ、でも、ポールさんがサバラスさんに会ってみるって言ってましたよ」

 ミルラが教えると、メリッサが遠慮がちに言った。

「うん、そうじゃなくてね、これをご縁にサバラスさんにトイレをお借りできないかと思って。女性だけでもお借りできたら、かなりいいでしょ」

「あっ、そうですね!」

「メリッサ、私も行っていい?」

 パティが申し出ると、メリッサはその両手を握った。

「ありがとう、助かる!」

「ミルラちゃんって大胆なんだね」

 ユチカが感心すると、ミルラは困ったように笑った。

「大胆っていうか……切羽詰まれば誰だってそうするよ」

「そうですよね……私だったら……」

 コノミが自分の身になって考える。かぁっと頬が熱くなる。

「少なくても、ポールさんには頼めないでしょ?」

 メリッサがにっこり笑った。コノミが一生懸命頷く。

「私もあの時くらいオリーブさんがリーダーだったらって、思ったことなかったですもん」

 ミルラがありありと振り返る。

「そっか、私もリーダーがトゥーラさんだから、その問題をスルーできたんだ」

 ユチカが納得した。

「私はアヤさんがいつも先回りして聞いてくれたから……」

 コノミも無自覚だったことを明かした。

「オリーブさんとトゥーラさんの頭越しに、サバラスさんに交渉しちゃっていいの?」

 メグがオリーブたちに気を回す。

「うん……でも、オリーブさんたちはカエリウスの仕事な上に、メンバーも違うし負担大きいでしょ? だから、私たちもできるだけサポートしていかないと。それにもしかしたらサバラスさんも女手が必要かもしれないでしょ」

「なるほどね、さすがメリッサ」

 感心するメグ。

「どうする? まずはトイレ掃除を当番制でするって持ちかけてみる? サバラスさんが警戒心を解いてくれたら、買い物とか炊事とか部屋掃除なんかを申し出るとか」

 パティがアイディアを出すと、メリッサも頷いた。

「うん、まずはそこからだよね。たぶん、読みは当たってるよ。サバラスさんは女性にはそんなにつらく当たらないんじゃないかな」

 多少は女性であることをアピールしても有効だろうと予想するのだった。
















 

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