第10話『みんなに報告』
「やったぜ、ベイベーッ!!」
ポールの雄叫びは、彼を心配していたNWSリーダーたちの脳裏に突然響いた。
「? なんだ、ポールか?」
「なんでこんなに元気なの?」
「さぁ」
マルク、オリーブ、ランスが訝っていると、間もなくポールがトゥーラを連れてやってきた。というか、ポールがトゥーラを背中から押している。
全員が頭の中を疑問符でいっぱいにしていると、ポールが出し抜けに言った。
「みんなにお知らせがありまーす」
「なーに?」
「なんだ、なんだ?」
「この度、わたくしポールとトゥーラは付き合うことになりました!!」
「え――っ!!」
「うっそーん」
「そいつは恐ろしい、いや青天の霹靂だ」
「なぜにポール?」
「面白い目が出たなぁ」
キーツ、オリーブ、マルク、アロン、ナタルの順に感想が漏れる。
「それはそれは、おめでとうございます」
「よーし、一生尻に敷かれとけ」
「盛り上がっちゃったんですかぁ」
これはランス、タイラー、ルイスである。
「どーよどーよ、俺の彼女! 美人で優しくてしっかり者。言うことなしでしょ」
鼻歌を歌うポールに、先ほどまでのダメージはない。
「トゥーラ、全快にまでしなくてもいい、って言ったのに」
「私は何も。告白しただけよ」
「げっ、まさかの逆告白」
「ヒーリングじゃなくて、強壮剤打っちゃったよ」
マルクがやんわりとトゥーラを責めたが、彼女は堂々としたものだった。
話を聞いたキーツとナタルの方がおののいている。
「まぁいいじゃないか。めでたくNWSリーダーから二組目のカップル誕生ということで。順調ついでに、ポールと連絡取りたがる人たちの対策を練ろうよ」
アロンが言って、絶好調のポールをみんなで小突き、集会所で話し合いをすることになった。