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アルティメットマン  作者: 赤坂大納言
2/7

オカン、始動

「本部長、間もなく霞ヶ浦上空です」

「うむ。ん?あれはなんだ」

ムラノの視線の先をアラタとイデミツが追う

青い発光体が霞ヶ浦の水面近くをゆらゆらと浮いている

「本部長!あれですよヒロセが見たってやつは!くっそおおお、ヒロセの仇を討ってやる」

アラタが鼻息を荒くして意気込む

「おいちょっと待て待て。勝手にヒロセを殺すな。そうだな、我々は二手に別れて任務にあたる」

ムラノ本部長はアラタと共にヒロセの捜索、イデミツは湖の監視、発光体の調査と、今回の目標を定めた

「イデミツ、くれぐれも接近のし過ぎには気をつけろ。これ以上大事な職員失うわけにはいかん」

「了解した、あと本部長もヒロセ殺してるやん。記憶力ニワトリなん?」


ジェットハイパーベータを湖近くへ着陸させ、ムラノとアラタはヒロセ捜索へ走った

イデミツはつい先日改良を加えた監視装置を持ち出して湖に赴いた

青の発光体がじゅぶじゅぶと音を立てながらその身を湖にうずめていっている様子が見えた

「ムラノ本部長に無理言ってちょっと予算増やして貰ったおかげで、かなりの力作になったこの多角的情報収集装置OKAN(オカン)のやっとの出番だな」

イデミツは色々と思い出していた



「もうあんまり無理させないでくれ。またデコが広くなりそうだ」

「すんません本部長。でもめちゃくちゃすごいのできてるから!下手したら職員一人分の仕事奪えるレベルのガジェットよ」

「ちょっと見せてくれないか。予算おりるよう死ぬほど苦労したんだから、頑張りを納得させてくれ」

「本部長もしょうがない人だなぁ。これです」

「四角い鉄の箱?」

「こいつは多角的情報収集装置オカン」

「なんで名前がオカンなんだ」

「オカンってどこでその情報知ったんや?ってなるくらい気がついたら色々知ってることあるでしょ。だからです」

「......」

「見て欲しいのは名前じゃなくて性能なんだよ!高解度のカメラとマイクで基本的な情報収集、陸上走行と水中潜水能力の併設、そして極めつけは現場サンプル採取からの簡易分析機能!スゴいだろ!」

「おぉ、名前はクソだが機能は素晴らしい限りだ。しかし我々の仕事は救急車両と同じ、出動がない方がいいものだ。こいつの出番も来なければいいが」



「本部長はあぁ言っていたけど、正直使いたくてしょうがなかったんだよな。オカン、やっとこさの出番だぜ!行ってらっしゃい」

イデミツはオカンを起動、霞ヶ浦に潜航させた

オカンがぷくぷくと霞ヶ浦に身を沈めて行くのを眺めながらイデミツがぽつりと呟いた

「ヒロセ、無事でいてくれよ」





「ヒロセぇ!いるか!」

「ヒロセ返事くれぇ!」

ムラノとアラタはヒロセ機が消失したあたりを血眼になって探し歩いていた

「にしてもオカシイと思わないか」

「何がです?」

「仮に墜落したとしたら、破片やら何かしらの残骸があるはずだ」

「あぁ確かに。もしかして湖の中に落ちてたりして」

「......」

二人は沈黙して湖を見つめた

水面に月が映っているが、大きく揺らめいていた

その少し奥で青い発光体がじゅぶじゅぶと霞ヶ浦水中に潜り込んでいる

「これは捜索長引きそうだな。もしかすると本当にヒロセはダメな可能性が濃くなってくるかもしれん」

「ほ、本部長......」

「あと一時間ほど地上捜索をしてダメだったら今日は引き上げよう。湖のあの青いヤツの対処も考えなければならん」

「了解です。くっそ何としてもあと一時間でヒロセの亡骸を見つけ出してみせる。きちんと弔ってやるからな!」

「いや、だから仲間を殺すなって」


果たしてヒロセは無事なのか

そして青い発光体の正体とは

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