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第2話「初戦闘」

今回は龍馬の初戦闘です

「な、何だその姿はっ!」


 リザードマンのリーダーは俺の姿、ドラグガイガーの姿に驚いていた。


「この姿か? この姿は星龍戦士、ドラグガイガー! 悪を燃やし、弱き者を救う戦士だ!」


 拳を構えながら言い放つ。理不尽なことで傷つけられたこの村の人達を助けたい! だから、俺は戦う!


「くっ! こんなのはこけおどしだ! 野郎ども! やっちまえ!」


「「「「おおっ!」」」」


 リザードマン達は俺を取り囲む。数が多いけど、大丈夫か?


「ええい、どっからでもかかってこい!」


 襲いかかってくるリザードマン達のうち、一体の攻撃を受け流して避ける。もう一体のリザードマンは避けることが出来ずに殴ろうと、拳を突き出した・・・・・・が。


 俺のこぶしは空を切ってよろけてしまった。


「・・・・・・あれ?」


 当てようとしたのに当たらない。これってもしかして俺がドラグガイガーの力に追いつけてない?


「おいおいなんだ! 見かけ倒しか!」


 無様な姿をさらした俺を見てハンマーを構えて迫ってくるリザードマン。コレはちょっとやばいかな。


「がっ!」


 俺は腕をクロスしてハンマーの衝撃に耐えようとしたが、踏ん張れず、吹っ飛んでいき、民家と激突してしまう。


「いっ・・・・・・たくない?」


 崩れた民家から立ち上がって、腕をさするが全然痛みがない。これってドラグガイガーの鎧のおかげ?


「さすがドラグガイガーの鎧! さあ、こっから反撃開始・・・・・・ってやばっ! 家壊しちゃってる!」


 リザードマン達の群れに向かっていこうとした時、今更ながら家を壊してしまったことを思い出す。あーどうしよう!


「・・・・・・あいつ、ぴんぴんしてるぞ」


「あの鎧・・・・・・堅いな」


 俺の様子を遠巻きながら見てるリザードマン達。取りあえず、戦わないと・・・・・・!


 拳を構えて俺はリザードマンの群れに向かっていく。


「おりゃあっ!」


 リザードマンを殴り飛ばそうと拳を振るうが拳は空を切ってしまう。


「おいおい、どうしたんだぁ? 空回りばっかじゃねえか」


「いい的じゃねえか!」


 リザードマン達は俺を殴り続ける。ドラグガイガーの鎧が頑丈だからダメージは殆ど無いけど、このまま反撃できないのも・・・・・・どうしたらいい!


「あー! 何時までもこんなところで止まってられるかー!」


 もうやけくそになって思いっきり叫ぶ。すると、突然俺の身体が燃えだした。


「熱ぅー! ・・・・・・くない。むしろなんか心地良い・・・・・・力が溢れてくるぞ。はああっ!」


 身体に纏ってた炎を振り払って、手を握って開いて力の感覚を確かめる。うん、何とかいけそうだ!


 俺の身体がやっと力に慣れたのか?


「何か燃えてるけど、気にするな! やっちまえ!」


「おおっ!」


 俺の身体が燃えだしたことにリザードマン達はひるんだが、襲いかかってきた。


「うおおおっ!」


「くっ! どりゃあっ!」 


 一体のリザードマンが飛びかかってきたので、胸を思いっきり殴り飛ばす。


「があっ!」


 胸を殴られたリザードマンはパキポキと骨が折れる音が聞こえて動かなくなる。


・・・・・・これが生き物を殺す感覚か。ゴブリンの時は無我夢中だったから考える余裕はなかったけど、俺は今、自分の意志で生き物を殺している。罪悪感がない・・・・・・とは言えないな。だけど、こいつらも人を殺している。躊躇しちゃダメだ。


「てめえ!」


「どうした? お前達の力はこんなものか?」


「なめるな! 人間風情が!」


 仲間が殺されたことにリザードマンのリーダーは俺の挑発に切れる。そして、武器を振り上げて襲いかかってきた。


 攻撃を避けるのは難しいからもう、全部受け止めよう! ドラグガイガーの鎧は堅いから大丈夫のはず。


 俺はリザードマンのリーダーの攻撃を避けずに受け止めて、他のリザードマン達と戦う。


『フレイム! GO!』


 パネルに現れたフレイムの文字に触れると、両腕に炎を纏う。


 フレイムクリスタルには、変身後にも能力を発動できて、拳や脚に炎を纏わせて強化したり、炎をはなったりすることができる。


「おりゃあっ!」


「ぐあああっ!」


 目の前にいたリザードマンを殴り飛ばすと、リザードマンは爆発して、ばらばらになる。


 リザードマンがばらばらになったとき、赤い野球ボールぐらいの大きさの石が落ちた。何だあの赤い石?


 まあ、今は気にしても仕方ない。


「うおりゃっ! おりゃあっ! 


 俺は近くにいたリザードマンを掴み、殴る。背中から襲いかかろうとしたリザードマンも蹴り飛ばす。


「がああっ!」


「ぐっ!」 


 殴られたリザードマンと蹴り飛ばされたリザードマンもフレイムで強化された効果で爆発して、ばらばらの肉片と変わった。


「さて、次は・・・・・・」


 あるクリスタルを使おうと取り出そうとすると、一体のリザードマンが剣を振り下ろしてきた。


 それを避けて、リザードマンの手首を掴んで逃がさないようにしてから頭突きを喰らわして、殴る。


「次はコレだ!」


 俺はウェポンクリスタルブレードを取り出して、メモリスティックに付けてドラゴンナックラーに装填して右手をかざす。


『ウェポンクリスタル! ブレード! GO! GO!』


 ドラゴンナックラーから音声が流れると、右手に剣の形をした炎が現れる。


 それを掴むと、炎は剣へと変わる。


 その剣は赤い刀身に鍔から柄にかけて赤い龍の頭がついている。この剣の名前は炎龍剣 マーズブレード。ドラゴンカイザーの基本武器である、その刀身には宿すのはサラマンダーの炎。その炎で敵を焼き切る。


「ちっ! 武器を隠し持ってたのか!」


 リザードマン達は俺が剣を持っていたことに苦い顔をする。


「・・・・・・行くぞ」


 俺はマーズブレードを構えて駆け出す。


「でやっ! だあっ! うおりゃああっ!」


 すれ違いざまに十体のリザードマンを切り伏せて、刀身を撫でる。かなり切れ味が鋭い


「やばい・・・・・・かなり切れるな。人間相手には使えないな」


「この野郎!」


 マーズブレードが切った後から炎が上がっているのを見てると、そんなことお構いなしに襲いかかってくるリザードマン。その攻撃を受け止めて、リザードマンの空いてる腹を蹴り飛ばしてマーズブレードを振り下ろして両断する。


「ぐっ・・・・・・」


「くそっ!」


 俺はそのままもう一体、リザードマンに向かっていく。リザードマンは剣で受け止めようとした。


 だが、受け止めようとした剣がマーズブレードの切れ味には耐えられず、剣ごと切られて血を吹き出して倒れる。


「くっ、こいつ強いぞ!」


「頭! こうなったら俺達で時間を稼ぐからみんなでブレスを!」


 三体のリザードマンが俺に向かってくる。時間稼ぎか・・・・・・


 攻撃を受けながら。ブレスって・・・・・・ドラゴンとかがやってるあれか?


 まあ、やられたらやっかいだろうから止めるか。まずは、この三体のリザードマンを倒すか。


 マーズブレードを地面に突き刺して、腰のクリスタルホルダーからファイナルクリスタルを取り出して、メモリスティックに付けてドラゴンナックラーに装填する。


『フィニッシュクリスタル! GO! GO!』


「ガイガースマッシュ!」


 音声と共にエネルギーが脚に溜まっていく。精神を集中して、脚に力を入れて空へとジャンプする。


 そして、空中で一回転して三体のリザードマンに向けて蹴りを放つ。



「でやああああああっ!」


 蹴りを放つ時に俺の身体は龍の形の炎に包まれて、三体のリザードマンに蹴りが当たり吹っ飛び大爆発を起こした。


「ふうっ・・・・・・」


 着地して一息つく。さてと・・・・・・あとはリザードマンのリーダーとかか。あと、何か焦げ臭いような。


 リザードマンのリーダーを倒すため、振り返ると炎が目前まで迫り、俺の身体を包んで燃える。熱っ。


「ははっやったぞ。あんな鎧を着ていても、俺達の炎には耐えられるはずが・・・・・・」


「あー確かにこれ、龍装してなかったら焼け死んでたな」


 十体のリザードマンの放ったブレスは俺に当たったが、俺には傷一つ付けられていなかった。


「な、何でテメエ生きてるんだよ!」


「あー、言ってなかったっけ。ドラグライザーはな敵の炎を吸収して、自分の力に変えることが出来るんだ」


 ドラグガイガーは両肩にあるサラマンダークリスタルで炎を吸収して自分の力に変換することが出来る。ドラグガイガーには他の属性の力を使う姿があり、違う属性になると名前も変わり、その属性の力を吸収して自分の力になる。


 ちなみに、両肩のクリスタルの名前がサラマンダークリスタルなのは、最初、番組名が炎龍帝サラマンダーカイザーで、それが没になった名残だそうだ。


「ふっ・・・・・・ふざけるな!」


「ふざけてないさ、さて、終わりにしようか」


 俺はもう一度、ドラゴンナックラーにフィニッシュクリスタルメモリを装填して、エンターを押す。


『フィニッシュクリスタル! GO! GO!』


「ガイガーバスター!」


 エンターのボタンを押すと、籠手にエネルギーが溜まっていく。しっかりと地面を踏み込んで、拳を引いて思いっきり突き出す。


 すると、龍の形をした炎がリザードマン達に向かっていく。


「頭っ! 危ねえ!」


 リザードマンのリーダーは仲間のリザードマンに突き飛ばされて攻撃を受けずにすんだが、他のリザードマン達は炎に焼かれて石を残して燃えかすとなる。


 残りはリーダーだけになったか。


「くっ・・・・・・みんな」


 悔しそうに砂を握りしめるリザードマンのリーダー。俺の事を睨み、武器を握り直して立ち上がる。


 もう終わりにして帰っては・・・・・・くれないか。


「ぜってえ、お前を許せねえ! 差し違えても殺す! うおおおっ!」


 リザードマンのリーダーが叫ぶと身体が紫色の不気味なオーラを纏い始めた。すると身体の筋肉が盛り上がり、爪が鋭くなる。


「な、何が起きているんだ?」


「はははっ! すげえ! 力が溢れてくるぜ!」


 俺は突然の変化に驚き、リザードマンのリーダーは新たな力に歓喜している。


「行くぜ!」


 リザードマンのリーダーは俺に近づき、殴るために拳を突き出す。俺は腕をクロスして防ごうとしたが、間に合わずに吹っ飛んでしまう。


 痛っ! ドラグガイガーの鎧を纏ってるのに殴られたところが痛い。やっぱりパワーアップしたのか・・・・・


「まだまだ!」


 間髪入れず、拳を何度も打ち込んでくるリザードマンのリーダー。吹き飛ばされないように踏み込んで耐えるが鎧のあちこちから火花が散っていく。


「ぐああっ!」


「ちっ! しぶといな! ならコレでも喰らえ!」


 リザードマンのリーダーは手から黒いエネルギーを放った。そのエネルギーを浴びた俺は火花を散らしながら吹き飛び、また民家に突っ込んだ。


「がはっ!」


 ボロボロになった民家の中で立ち上がろうとしたが、痛みで立ち上がれなかった。


 頼む、立ち上がってくれ! まだ守らなくちゃいけない人達が居るんだ! だから立ち上がらないと!


 だけど、思いとは裏腹に身体は全く動かない。


「おいおい、もう終わりか? なら、コレで終わりにするぜ」


 リザードマンのリーダーは一歩一歩、手にエネルギーを集めながら近づいてきた。


 これはちょっとやばい・・・・・・


「死ね!」


 手から黒いエネルギーが放たれると思ったその時。


「聖なる光よ、邪悪なる者を射貫け! シャイニングアロー!」


 すると、どこからか飛んできた光の矢がリザードマンに飛んできて刺さる。


 あの光の矢は魔法? いったい誰が・・・・・・っ!


 矢が飛んできた方を見ると村長を治療していた女の子がいた。何で! 逃げたはずじゃないのか?


「何だ? 今の魔法はテメエが撃ったのか? 全然痛くないぜ。良いか魔法ってのはな・・・・・・こう放つんだよ!」


 リザードマンのリーダーはエネルギーを溜めた手を女の子に向ける。あんな攻撃を生身の女の子が受けたら一溜まりもない!


 動け! 動けよ! 目の前で傷つこうとしてる人がいるんだ! 守れないで何がヒーローだ!


 今、限界を超えろ!


「うおおおっ!」


『フレイム!』


『ブースト!』


『フレイム! ブースト! バースト!!』


 気合いを入れて叫ぶとドラゴンナックラーから音声が勝手に流れた。すると、体中に力があふれ出した。


 これならいける!


「うおりゃあああっ!」


 俺は走って女の子の前に入って、黒いエネルギーを受け止めて弾き返した。


「なっ! 貴様、何故立てるんだ!」


 リザードマンのリーダーは俺が起き上がって攻撃を弾き返したことに驚いていた。


「何故かって? 目の前に傷つこうとしてる人がいるんだ。守れないで後悔するのが嫌だから、立ち上がるんだ」


 体中の痛みに耐えながら俺はリザードマンのリーダーと向かい合う。


 痛みだけじゃない。体中の血が燃えたぎった熱湯のように熱く感じる。どうやらさっきのドラゴンナックラーから流れてきた音声はかなりパワーアップすることができるけど、かなり負担が多いみたいだ。


 早く決着を付けないと身体が持たない!


「後悔するのが嫌か・・・・・・見知らない奴ら相手にそこまで命賭けるなんてお前、バカだろ」


「そうかもな」


「はっ・・・・・・そういやあ、名乗ってなかったな。俺の名はログ。てめえの名前は何だ? ドラグガイガーは本当の名前じゃないんだろ?」


「龍馬・・・・・・御劔龍馬だ。いきなりどうした」


 急に名前を聞いてきてどうしたのかと思った。


「なに、殺す奴の名前ぐらい知っておこうと思ってな」


「そっか。なら俺も名乗っておいて良かったな。今から俺がお前を倒すからな」


「はっ! 言ってろ!」


 リザードマンのリーダー・・・・・・ログは殴りかかってきた。俺は逃げずに受け止めて殴り合う。


「うおおおっ!」


「うおらっ!」


 お互い、避けずに殴り合う。ログの鱗は剥がれ落ちて、ドラグガイガーの鎧からも火花が散る。


「いい加減くたばれくそが!」


「ぐあっ!」


 ログに顔面を殴られてくらっとなるが、踏ん張って殴り返す。


 殴られたとき、口の中を切ったのか鉄の味が広がる。


「ぐううううっ!」


 突然、体中がしびれ始めた。ぐっ・・・・・・そろそろ限界か。頼む! もう少し保ってくれ!


「うおおおっ!」


 俺は地面に刺さっていたマーズブレードを掴んで抜いて、龍の頭を開いて口の部分にあるクリスタルをはめる部分にフィニッシュクリスタルをセットして頭を閉じる。


『ガブリっ!』


 フィニッシュクリスタルの効果でマーズブレードは炎を纏った。俺は静かにマーズブレードを構える。


「ウオオオッ!」


 ログも落ちていた剣を拾って突っ込んできた。俺はマーズブレードで受け止めて弾く。


『フィニッシュクリスタル! ガブッと! クリスタルブレイク!』


「ガイガープロミネンス!」


 マーズブレードから音声が流れて、エネルギーが極限まで高まり、炎の勢いは強くなりパワーも上がった。そして、燃えるマーズブレードを振り下ろして、リザードマンのリーダーを真っ二つに両断する。


「がっ! お、親父・・・・・・」


 ログは何か言おうとしたが、言い終わる前に倒れて爆発する。


 ログが爆発したことを確認すると、変身が解除されて倒れ込んで俺は意識を手放した。 

第2話、如何だったでしょうか?


初めての戦いだったこともあり、力の使い方も分からず、苦戦しました。


次回は戦闘の疲れで気絶した龍馬、目を覚ますとそこは…


次回「ドーチ村」

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