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第一話「龍士着装! ドラグガイガー!」

第一話です。龍馬、ヒーローに変身する。

  森の中を歩いて五十分ぐらい。まだ村が見えないな。


 歩いてる途中にホルダーに入ってあるクリスタルを確認した。


 データクリスタルはさっき使ったサーチのデータクリスタルを併せて五個。サーチ以外のデータクリスタルも移動途中にインストールしておいた。インストールしたデータクリスタルの能力はドラゴンナックラーに登録されて何時でも使うことが出来る。


 一つはサイレント。音を消すことができる能力だ。これはドラゴンナックラーの能力を使う時になる音声を消すことが出来てかなり便利だ。


 二つ目はトランスレーション。言語を翻訳する能力のクリスタルだ。これがあれば会話が出来るはずだ。


 三つ目はブースト。身体能力を強化する能力のクリスタル、戦いの時に便利かな。


 四つ目はバースト、籠手の手のひらからエネルギー弾を放つ事が出来るようになる。


 五つ目はホール。穴を創り出す能力。ドラグガイガーでは戦闘員を穴に落として倒したり、高いところから落ちた一般人を助けるために空中に穴を創り、受け止めて助けたりした。


 他には武器を召喚するウェポンクリスタルのソードクリスタル、必殺技を放つために使うフィニッシュクリスタル。そして……


「ドラグガイガーになる為に必要なエレメントクリスタルか……」


 赤い石を眺めながら呟いた。


 この石が変身するのに必要な赤いクリスタル、フレイムクリスタルになるのだが、最初に変身するときには誰かを守りたい誰かの力になりたいとかの強い覚悟や強い思いが必要で戦う覚悟がない者には変身することが出来ないのだ。


 まあ、クリスタルだけでは変身することは出来ないんだけどな。


 クリスタルだけで使えるのはドラゴンナックラーにデータをインストールして使うデータクリスタルだけで、データクリスタルはデータをインストールした後は消滅してしまう使い捨てのクリスタルなのだ。


 他のクリスタルはメモリスティックと呼ばれる部品に接続して使わないといけない。


 メモリスティックはクリスタルの力を100%引き出すために使うアイテムである。


 マドールとは星龍士ドラグガイガーの番組に出てくる悪の組織で、遙か昔、迫害されていたある国の王様と軍人達が魔法で怪人に姿を変えて報復した。彼らの怒りは収まらず、周辺の国を侵略し始めた。ある国の戦士は彼らと戦うためにエレメントの力とドラゴンの力が宿ったクリスタルを使って戦った。だがその戦士はクリスタルの力を完全に引き出すことができず、封印することしかできなかった。


 博士はマドールを完全に倒すためにクリスタルの力を引き出すためのアイテムメモリスティックを作り、古代の戦士が変身するために使った道具を参考にしてドラゴンナックラーを開発した。


 両方のアイテムが完成して変身者を探していたところにマドールに襲撃され、主人公である焔 竜が博士を助けてためらいなくドラゴンナックラーを装備してドラグガイガーになって戦った。


 コレが物語の始まりだった。そして、ドラグガイガーとマドールとの戦いの幕開けだった。彼は一年間、マドールと戦い、勝ったのだ。


「俺に使えるのか・・・・・・」


 俺にコレを覚醒させることが出来るほどの覚悟があるのか・・・・・・戦う事が出来るのか分からない。


『・・・・・・助けて誰か助けて!』


「っ!? 今のは何だ?」


 突然、誰もいないのに誰か助けを求める声が聞こえた。


 気のせいなのか・・・・・・そう思って俺はそのまま進もうとした。


『・・・・・・助けて! 誰か助けて!』


「っ!」


 気のだと思っていたけど、気のせいではなかった。どこだ・・・・・・どこから聞こえたんだ。


 辺りを見渡すも人の影はない。ということは、もしかしてこの先の村から?


 ディスプレイの地図を見てみると、ドーチ村があるところに炎のマークが・・・・・・えっ? もしかして、この村、襲われてる? なら・・・・・・助けないと、いや、ろくに戦ったことがない俺が戦えるのか? 行っても邪魔になるんじゃないのかそう思って躊躇してしまう。


 いや、だけど今、ここにヒーローが居たなら・・・・・・ドラグガイガーならどうするか。そんなの・・・・・・決まってるか。


「あー! ウダウダしてても仕方ない! 当たって砕けろだ!」


 俺は走り出して森を駆け抜けた。森を抜けると、村が見えて煙りが見えた。


 やっぱり、あの村か!


 村に向かって走り続けて、五分ぐらいでついたけど・・・・・・そこで見た景色は地獄だった。


 頭を食いちぎられた男性の死体、上半身と下半身が分かれている女性の死体、鋭い何かで切り裂かれた男性の死体・・・・・・辺り一面、血の海だった。


「うぷっ! おえええええっ!」


 俺は目の前の惨劇に思わず胃の中にあった物を戻してしまって。


「はあっ・・・・・・はあっ・・・・・・」


 全てはき出した俺は歩き出した。・・・・・・もしかしたらまだ生存者が居るかもしれない。そう思ったからだ。


『お願い! 誰か助けて!』


「っ! あの声が聞こえた! こっちか!」


 俺は声が聞こえた方に走った。


 走っていくと広場が見えてきた。


 いったん、近くの建物の裏に隠れて広場の様子を見る。広場には五十人ぐらいの村人が集められていて、村人達を剣や槍に棍棒などを持っている赤い鱗の身体の目の色が紫な二足歩行のトカゲ・・・・・・リザードマン達が囲んでいた。数は・・・・・・三十体か。


「何だこの村にはコレしか人間が居ないのか」


「狩りがいがありませんね頭」


 リザードマン達の中でも一際でかく、顔に刺青を入れているリザードマンはつまらなそうにしている。あいつがリザードマンのリーダーか。


「お願いです! これ以上村人を殺さないでください!」


 すると、初老の男性がリザードマンのリーダーにすがってきた。


「邪魔だくそ爺!」


 リザードマンはうっとうしそうに男性を蹴飛ばした。


「がふっ!」


 蹴飛ばされた男性は口から血を吐き出す。


 やばい・・・・・・このままだとあの人が死んでしまう。


「そうか、お前、死にたいんだな。なら、お前から殺してやる!」


 リザードマンは持っている剣を振りかざす。


「おじいちゃん!」


「やめろおおっ!」


『ブースト! GO!』


 12か13歳ぐらいの女の子が飛び出そうとする前に俺が建物の裏から走り出して、助走を付けてさらに、ブーストの能力で身体を強化してリザードマンのリーダーを思いっきり蹴り飛ばす。


「ぐあっ!」


「頭っ!」


 急に俺が現れて驚いたのか防御できず、リザードマンのリーダーは蹴り飛ばされた。そのリザードマンを心配して、村人達を囲んでいたリザードマン達が駆け寄ってきた。


「大丈夫ですか! しっかりしてください!」


 俺は男性に駆け寄る。とりあえず、話しかけて意識があるか確かめる。言葉は・・・・・・この人達が何言ってるか分かる。トランスレーションのおかげだな。


 ええと、どうすればいいんだ!? 応急処置とかやり方分からないし、治癒のクリスタルがあるかも分からないし、治癒魔法とか・・・・・・いや、魔法とかあるのか? リザードマンとかいるんだし、あるよな。


 でも、魔法使えるか分からないし、無理だ!


「おじいちゃん!」


「村長!」


 リザードマン達に囲まれていた人達が男性に駆け寄る。この人、この村の村長さんか・・・・・・


「すいません、誰かこの人の治療をお願いします!」


「は、はい!」


 俺が呼びかけると、村長さんのことをお祖父ちゃんと呼んでいた女の子が村長さんに手をかざす。


 すると、彼女の手が淡く光り、村長さんの体を包み込む。


 これってもしかして、治癒魔法か? なら、任せて良いかな。


 俺は起き上がったリザードマンのリーダーを睨む。


「痛いな・・・・・・お前、何者だ」


「名乗るほどでもない俺はただの通りすがりだ。そんなことより、あんたに聞きたいことがある」


 リザードマンのリーダーは蹴られた部分を撫でながら聞いてくるが、俺はろくに応えずに逆に質問する。


「何だよ」


「何で、この村の人達を殺した! この人達はお前達に何かしたのか?」


「理由なんてねえよ。ただ、殺すのが楽しくて殺したそれだけだ」


「なっ!」


 リザードマン達の動機を聞いて俺は言葉が出なかった。


 殺すのが楽しくて殺した? 仲間が殺された復讐だとか。生きるために仕方なくとかそう言うのじゃなくて娯楽のために人を殺しているのか。


「ふざけんな!」


 俺はフレイムクリスタルになる赤い石を右手で強く握りしめる。


 ゴブリンを倒したのも、リザードマンを蹴り飛ばせたのも勢いで出来てしまったけど、この数のリザードマンを倒せるほど、俺は強くない。


 見ぬふりして逃げればこいつらとは戦わないですんだかもしれないけど、俺にはこの村の人達を見捨てることが出来なかった。だから頼む、フレイムクリスタル。俺にみんなを守る力を貸してくれ!


「ん? どうし・・・・・・」


「うおりゃあああああっ!」


「ぶへっ!?」


 動かない俺を不思議そうにしていたリザードマンのリーダーを握りしめた拳で、鼻先を思いっきり殴る。殴られたリザードマンは吹っ飛んで倒れる。


「頭!?」


 リーダーが今度は殴られて吹っ飛んだことに部下のリザードマンは驚く


 すると、握り拳から赤い光がこぼれてきた。拳を開くと、石がはがれてフレイムクリスタルが姿を現した。


「俺に力を貸してくれるのか・・・・・・ありがとう」


 俺は腰のクリスタルホルダーからメモリースティックを取り出して、フレイムクリスタルを装填してドラゴンナックラーにセットする。


『フレイムクリスタル!』


 ドラゴンナックラーからロック調の待機音声が流れ、ディスプレイにはEnterの文字が現れる。


「龍士着装!」


『フレイムクリスタル! GO! GO! GO! 燃える炎! 燃える闘志! 始まりの戦士! ドラグガイガー!』


 俺は叫びながらディスプレイを触れてドラゴンナックラーを突き出す。すると、ドラゴンナックラーから変身音声が流れて赤い大きなクリスタルが俺の身体を包んだ。


 そのクリスタルの中でデータ化されていた両肩に青い水晶を埋め込んである赤い龍の鎧、サラマンダーアーマーを纏い、左手にディスプレイのないドラゴンナックラーと似た赤い手甲、サラマンダーナックルを付ける。両脚にも赤い脚甲、サラマンダーブーツを履く。赤い龍のような頭部サラマンダーマスクをかぶって包んでいるクリスタルを壊して星龍士ドラグガイガーへと変身した。


「これが・・・・・・ドラグガイガーの力か」


 俺は両手を握っては開いてを繰り返して力の感触を確かめる。


「さあて、俺の限界超えさせてもらおうか!」


 俺は特撮のドラグガイガーの決めぜりふを叫び、拳を構える。


 これからが戦いの始まりだ!


第一話、如何だったでしょうか? 今回は変身しただけで戦闘はまた次回です。


次回、ドラグガイガーに変身した龍馬、彼はその力でどう戦うのか?


次回「初戦闘」


次回もよろしくお願いします

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