0章1話 『What’s your dream ?①
「はあ、はあ、はあ、」
一人の少年、いや、少年だった人の形をした人ではない存在はそこに立っている。
ーー疲れた。体が熱い。頭が朦朧とする。思考がまとまらない。ここはどこだ?『古の魔獣』が襲いかかってきて、無我夢中に闘ってたら変なとこに来たしーー
そんなことを考えていると、目の前が『白』に染まった。
そして目の前に一つの扉が現れた。
ギィーーーーー
扉はひとりでに開いた。
そこには一人の子供が一つの椅子に座っていた。
そして、そこには彼と椅子以外には何もなかった。
「やっと来たね。この時をどれほど待ち望んだか!君はここに来た2人目の存在だよ。まあ、1人目は40億年前にあの約束をした君の先祖様だけどね。」
ーーこの子は何を言ってるんだろう?ーー
「『この子は何を言ってるんだろう?』そう思っているね?正しい思考だよ。そうだ、まずは回復して落ち着くといいよ。」
彼はそう言いながら、指を振った。すると、僕の疲労はすぐに無くなった。
「自己紹介がまだだったね。僕は君たちが言う『神』という存在だよ。」
「神?」
ーー馬鹿な、そんなものがこの世に存在するなんて。ーー
僕は突然どうしようもない怒りが込み上げてきた。
「なら、なんであんな風な世界にしたのさ。神なんだろ?なんで師匠やみんなを殺す世界にしたんだよ!」
そう。僕のいた世界も最初の頃はとても楽しかった。けど、あの悲劇から全て失った。
父さん、幼馴染、団のみんな、そして、師匠。多くを失った。
「---すまない。僕には今、『一つの願いを叶える事』以外ほぼ何も出来ない。それもその願いはここに来ないと叶える事が出来ないんだ。」
神はうつむきながら答えたが、そんな神に僕は、
「なんでそんな高難易度な条件のチカラしかないんだよ。なんでもっと簡単な条件じゃないんだよ!」
僕は自分でも言っている事がおかしいのはわかっているが、それでもぶつけたかった。
「僕が持っていた『神』のチカラは全て奪われたんだ。」
「はぁ?なんだよそれ。なんで神が奪われんだよ!」
「確かにこれじゃ神の名折れだね。」
神は寂しそうに笑いながら、
「君には全てを話す必要があるようだね。」
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