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第20話 吸血鬼は旅立つ

「…皆…」

「「ティアーシャちゃん!!お帰り!!!」」


ルントの厨房に向かうと、すでに店の中はたくさんの冒険者で溢れかえっていてその一人一人が俺のことを見て、嫌な顔ひとつせずに手を叩いていた。


「俺、無知だったよ。吸血鬼がこんなにも人間に近くて…その…優しい人だったなんて…。あの時、俺は吸血鬼を殺すことに賛同しちまった。…本当に申し訳ない!!」


ある中年の冒険者が一人、前に出て頭を垂れた。


「俺もだ。俺も吸血鬼の処刑を面白がって賛成してた…っ!本当にごめん!!」


次にさっきよりも若い冒険者が同様に頭を下げた。


「…大丈夫。一瞬本気で虐殺しようかと思ったくらいだから」


俺は微笑を交えて言った。


「や、やめてくれよ。ティアーシャちゃんが言うと本当に殺してきそうだ…」

「「ハハハハハハッ!!」」


酒が入って、顔を赤く染めている冒険者が声を揃えて笑った。


「…」


本来なら、ここで俺は安心してほっと一息ついているのだろう。しかし、今はそんな気分になることができなかった。


「…ごめん、一回ちょっと外の空気吸ってくる…」

「そうだねぇ~。こんなべろんべろんのおじん達と一緒にいたら何されるかわかったもんじゃないからねぇ~。なんかやらしいことされたらアチシに言いなよぉ~?」

「んだとぉ?酒によったテメェが言えることじゃねぇだろがぁ?」

「んたよぉ~。やるのかぁ~?」

「上等だぁらぁ~」


同じくべろんべろんになった筋肉質でよく日に焼けたな女冒険者が言った。そしてそれに反論した男冒険者を睨み付けゎ今や腕相撲で勝負を決めようとしている。


「…」


俺はそれに一瞬目を向けて、入り口から外に出た。どうやら今は明け方らしい。闇の中の一辺が橙色に染まってきている。

もう少ししたら家に入らなければならない。けれど、今日は…そうするつもりは無かった。


「…行くか…【解析者】…」


『ソウデスネ…。デスガ本当ニヨロシイノデスカ?セメテオ別レクライ言ッテハ…』


「そんなことしたら…行けるものも行けなくなるだろうが。過保護なんだからよ」


『…。ソウデスネ』


【解析者】は何かを押し止めるように返答し、しばらく黙りこくった。

俺の気持ちを察してくれたのだろう。いや、解析したのだろうか。


「…」


辺りはうっすらと霞がかっていた。

俺はその中を進もうと足を踏み出そうとした。


「ティアーシャ」

「…っ…」


しかし、その前に今最も話しかけられたくない人物の声を聞いてしまった。背後からの声に、俺はその場で固まってしまう。


「…出ていくつもりかい…?」

「…」


ザッザッと足音が徐々に近づいてきているのがわかった。


「…人を殺したことの罪滅ぼしかい?」

「違う」

「じゃあなんだってんだい」


ぐっと肩を掴まれ、無理矢理後ろを向かされる。だが、俺はその人の目を見ないようにして目を反らした。


「…」

「なにか私達と一緒にいると嫌なことでもあるのかい?」

「…違う」

「じゃあ人を殺しそうになったから逃げるのかい?」

「違う!」

「血を飲むためにどっかにいくのか?」

「違う!!」


俺が血に餓えた吸血鬼であるようなことを言われ、いつのまにか俺は声をあらげていた。


気まずくなって、俺は目線を下げた。


「…じゃあ…言ってごらん。私はあんたの母親なんだから」


「…っ」


心の中に温かい何かが動いた。それが前世では叶わなかった親からの愛情によるものなのか…いまいちよくわからなかった。


この人なら、信じてくれる。俺が赤裸々に語ったこと全てを信じてくれるだろう。俺が吸血鬼であることを受け入れてくれた時のように。



「…わかった。全部…話す。俺の正体も、どうしてあの洞窟にいたのかも…」

「…正体?」


俺はナーサの瞳を見つめ、口をゆっくりと動かした。


「…俺はこの世界とは異なる、別の世界で産まれて育てられて生きてきた。その時は吸血鬼なんかじゃなくて人間だったし、こんな姿じゃなかった。性別だって男だったし、年だって20を越えてた」

「なるほど…どうりで大人っぽい訳だよ」


ナーサは微笑を浮かべながら後頭部をまさぐった。


「だけど、事故にあって死んだ。死んで俺は“神”と名乗るやつに出会ったんだ」

「神…?」


もちろんアダマスのことだ。


「俺は偶然的に、そいつに“転生”する権限を与えられた。ただ、元の体はもう原形を留めていないからということでこの姿で、この世界に降り立ったんだ」

「で、洞窟内でさ迷っているところを二人の変態野郎に襲われかけたと…?で、私に助けられたと」

「そう」


俺の言おうとしたことを先に言われてしまった。俺は軽く苦笑いしてみせる。


「…話はわかったよ。でもそれがなんでここを出ていくことに繋がるんだい?」


ナーサの表情が少し曇る。


「…あっち…、俺が生前暮らしていた家には妹がいたんだ。俺のことをいつもお兄ちゃんお兄ちゃんって呼んで、飛び付いてきた」


なんだか心が揺さぶられた。今すぐその妹に会いたい。会って話をしたい気持ちがより強くなった。


「俺は妹に何も言わずに死んだ。そのせいで妹は突然、一人になった。ただでさえ不安定な心だったから俺が死んだと聞いて耐えられたかどうかもわからない…。だから決めたんだ、妹の元に帰るって。帰って、またたくさん話をしてやりたい。こっちでの生活のことも…ナーサのこと…っぐっ!?」


――ベシッ。


頬に凍みるような痛みが響き渡る。それと共に衝撃が左から右へと伝わり俺は地面に尻餅をついてしまう。


「…妹が大事?妹に会いたい?会いたいから出ていく?…わがままもいい加減にしな!!!」


ナーサの図太い声が、朝の静寂に包まれた空間を支配した。


「死んだ世界なんかに、帰れるとでも思ってんのかい!?心の不安定なあんたの妹が、あんたを失った悲しみを受け止めて今もなお生きてるとでも言うのかい!?そんな不確かなことを実現したいがために!!あんたは家を出ていくってのかい!?」


「…」


ナーサの目の縁が濡れていた。勇ましく、強く、歩く破壊兵器である彼女が、己の感情を制御しきれず、あまつさえ手を上げたのだ。

その証拠に、俺の頬は赤く熱を帯びていた。


「不確かで、証拠のないことを追い求めようとしているのは自分でも理解している。だけど、それをしないと絶対に俺は後悔する。妹を守ってやれなくて、妹に何も言わずに命を落としたことがどれだけ辛かったか…。妹を思う兄の気持ちは皆、誰しもが持ってる。持たないといけない気持ちなんだ!!例え、命の恩人でこの世界の家族であるナーサがそれを阻んだとしても、俺は目的を果たすために進み続ける!!」

「…」


俺が彼女の瞳を睨み付けながら叫ぶと、少しだけ動揺の様子が伺えた。


「ナーサには感謝しても返しきれない恩を受けた。辛いとき、苦しいとき、いつも支えになった。どんなことも、素直になって言うことを聞いてきた!だけど、今回はそうはならない。もしも俺の行く手を塞ぐのなら…」


右手を前に踊り出させ、そこに己の犬歯を突き立てる。


「あんたに私が殺せるとでも?」


ふん、と彼女は鼻で笑った。


「…んなわけ。時間を稼いで、隙をついて逃げるさ」


俺はちらりと空を見やった。まだ日は出ていない。十分に逃げる時間はある。

ナーサは悲しむだろうか。俺が安否不明な妹のために、ナーサに対して勝負を挑んでいることに。



「…ふふっ…はははっ!!」

「…へ?」


しかし、予想は外れた。

彼女は不意に、何かが外れたようにして笑いだしたのだ。腹を抱え膝に手をつき、声を出しながら。

俺はそんな彼女の様子を呆気に取られて見ていた。


「ならこうしよう。アタシと勝負だ。あんたは私の体に一撃でも攻撃を当てれば勝ちだ。私はあんたが参ったといったら勝ちだ。もしもあんたが勝ったらここから先、あんたが何をしようが止めようとはしない。けど私が勝ったら…ここに残ってもらう」

「…」


ナーサの顔が歪んだ。いや、歪んで見えただけなのかもしれない。今までの優しく慈愛に溢れた表情ではなく、敵を殺すことを目的として生きていた時の表情をしていた。


それを見て、一瞬背筋が凍るような気がした。


「…。わかった、それでいい」


「そうかい。なら始めようか」


彼女は体勢を低くし、拳を握り締め構えた。

俺は己の右腕に犬歯を突き立て食った。


「がっ…ん…はむっ…」



犬歯と、皮膚の間から溢れ出る血液。弾力のある肉。滴る血液。


しばらく食ったところで、体に力がみなぎり始め、地面に滴り落ち赤い染みを作っている血痕から紅い霧が発生し始める。


「【吸血強化】!!」


その霧は俺の体を包み込むようにして集まり、全身がそれで覆われる。


そしてしばらくすると、霧は四散し俺の体が大きくなっていた。


「はっ!!」


未だに構えを崩さないナーサに向かって足を踏み込み、右拳を叩きつける。


「っと!!まだまだ間合いの取り方がなってないね、これじゃあ腕を取られちまうよ!!」

「ぐっ!?」


完全に再生した右腕をガシリと捕まれ、背負い投げの要領で投げ飛ばされ地面に背中から叩きつけられる。

衝撃で肺から空気が抜ける。


「…【水球】!!」


一瞬、気が遠くなるのを唇を噛み締めてこらえ今のままの状態で【水球】を左手の掌から放つ。


「っと」


彼女はその弾丸のような速さで進んでいく【水球】を右腕を薙ぎ払っていとも簡単に弾いてしまう。流石は歩く破壊兵器。恐ろしい。


だがこの戦い、俺に勝機が無いわけじゃない。ナーサは俺をノックダウンさせればいいのに対して俺はナーサに対して一撃でも攻撃を与えればいいのだ。


「【浮遊】!」


手を使って起き上がり、目の前の地面を引っこ抜きナーサに向けて投げつける。


「【水砲】!」


さらに追い討ちをかけるようにして、両手を付きだしそこに現れた幾何学模様の魔方陣から高水圧の【水砲】が発射される。



「地面をっ!?くっ!!」


さすがに地面を引っこ抜いて投げつけてくることは想像の範疇に無かったようだが、その焦っているような声とは裏腹にいとも簡単に拳で地面を叩き割ってしまう。


「次は水かい!!」


二発目の魔法を凄まじいスピードで避けてしまう。


「まだまだぁ!!」


だが、そこで終わらせない。体を捻って彼女の移動先に向けてさらに水を放射する。


「面倒くさいったらありゃしないね!でも本体ががら空きだよ!」


軽く悪態をつくと、【水砲】に沿うようにして彼女はこちらに走り始めた。


「くっ!!」

「私に勝とうなんて!まだまだ早いんだよ!!」


そして拳が俺のみぞおちに叩き込まれる。


「がっ…!!」


呼吸が止まった。衝撃で吹き飛ばされる。


そして数秒後、殴られた場所から全身へと強烈な痛みが広がっていった。


「あがっ…ぐ…」


息が出来ず、世界がずれて二つに見え始める。


「…ぁ…ぎ…」


必死に立とうとしても、支えになる腕にすら力が入らずそのまま仰向けに倒れてしまう。



――…負ける…。負けちまう…。


空に向かって必死に手を伸ばすも、すぐにその手は力を失いやがてすべてが闇に包まれた――










――…ん










―…ちゃん










―…お兄ちゃん…










「楓!?」




思い続けていた妹の声が耳に届き、俺は目を覚ました。


「…。なんだ…ここ」


体を起こしぐるりと辺りを見回す。

しかし、そこはさっきまでナーサと戦っていた場所ではなく、全てが純白で染まった世界。簡単に表すなら





『虚無』






しかし、そんな中に一つ影があるのが目に止まった。


「人…か?」


俺は立ち上がり、その影の下に走った。やがて、近づいていくとその影は大きくなりちょうど人と同じくらいの大きさになった。


「お兄ちゃん…?」

「…っ!!」


そして徐々にその影は形を確かなものへと変化させていった。そして構成されていく人間の体の口がぽつりと呟いたのだ。


「…楓なのか…?」


そして影は実態をもった。

焦げ茶色の髪の毛を、やや低めの位置でツインテールでまとめ眉にかかるかかからないくらいの絶妙な長さの前髪。整った面立ち。きゅっと引き締まった体。

そして…白濁した右目。


「…楓」

「なんで…私を残して死んだの?」

「…え…」

「…私のこと…嫌いだから…?」

「違う…違う。俺は…」


そこまで来て、喉がつまった。もしあの日、俺が酒を飲まずにシラフで家に帰っていたら?俺は死なずに済んだかもしれない。楓を…残さずにいられたのかもしれない。


「…お兄ちゃん…なんで帰ってこないの?…どこに行っちゃったの?」


次第に楓の姿が小さくなっていった。いや、遠ざかっていった。


「待て!待ってくれ!楓!楓ぇ!」


必死になって追いかけた。手を伸ばして、掴もうとした。けれど、楓の姿は遥か遠くにまで行ってしまってもはや見えなくなってしまった。


「くそ…」


足全体から力が抜け、膝を着いた。


―いつ帰ってくるの?


楓はまだ俺が死んだことを、信じられないのか…。



俺は…楓になにかしてやれたのか?

楓の実の父親をこの手で殺めた。恐怖心を抱かせてしまった。慕ってくれていたのに、勝手に死んでしまった。


「ごめん…楓…」


ぐっと手を握り締めた。

誓いだって破った。人を殺して喉を食い破った。



楓に、慕ってくれていた彼女に、妹に何かしてやらなければならない。


何ができる?今の俺なんかに何ができる?


「じゃあ…約束する。俺は…楓のお兄ちゃんは…絶対に…お前の元に帰ってやる!!たくさん戦って!!勉強して!!何が何でも帰る方法を…見つけてやる!!!!」




刹那、目映い光が虚無の世界を包み込んだ。










「…がはっ!!ごほっ!!」


再び目をあけると、まだ少し薄暗い空が広がっていた。

それと同時にまた痛みが全身を襲う。


「まだ耐えるか…なかなかやるじゃない」

「俺は…、絶対に…勝つんだ!!!」


己の体に鞭を打ち付け、膝を支えに手をついて何とか立ち上がる。


「俺は!!俺は!!勝つんだ!!」


妹のためにも、自分のためにも、俺はこの戦いに勝たなくてはならない。


「私だって、あんたを行かさない!!」


ナーサも叫んだ。二人の叫び声が朝の空気を振動させる。



――もって…あと一回か…。



それは残りの攻撃回数でもあり、防御回数でもある。次で決めなければ、俺は負ける。


「はぁぁぁぁっ!!!」


ナーサが全力疾走で距離を詰めてくる。


「あぁぁぁぁぁっ!!!」


俺も負けじと地を蹴って走る。



互いに拳を構え、同時にそれを振るう。










――ゴッ!!










鈍い音が、空間を支配した――。






‐‐‐










「本当に…行くんだね?」

「あぁ…、決めたんだ」


土まみれになった服を払いながら彼女の顔を見る。その頬は赤く腫れていた。


「でも、ここにいつか戻ってくる。妹を連れて挨拶しにくるから」

「そうかい…」


彼女の顔は暗く、沈んでいた。


「なんたってさ、ここが俺の、この世界での我が家なんだからさ」

「…っ」

「そしてナーサはティアーシャの母親なんだよ。ルントはティアーシャの父親なんだよ」


すでに元の体に戻った俺のことを目を見開いて彼女はじっと見つめていた。

そしてゆっくりと何かを噛み締めるような表情で俺に言った。


「…あんたの…名前は…?」

「…?ティアーシャ」

「違う。前世での名前だよ」

「あぁ、ススム。荒幡ススム。妹は荒幡楓だ」

「…荒幡ススムと荒幡楓…二人ともいい名前じゃないか」

「…ありがと」


ナーサの顔が、霞んで上手く見えなかった。声も震えていた。彼女は俺のことを、ずっと大切に育ててくれた。やはり、この家を出ていこうとするとナーサのことが頭の中に出てくる。

旦那の扱いは雑で、嘘をつくのが苦手で、歩く破壊兵器だけど。中身は慈愛の心で溢れた優しい人なんだ。優しい母親なんだ。


「じゃあ…しばらくのお別れだな…」

「あぁ…そうだね」


ぎゅっとナーサを抱き締めた。前世では感じられなかった親の暖かさ。その心地よさ。それをこの世界で、この人に教えてもらった。


「…気を付けるんだよ」


ナーサも震える声で俺の髪を撫でた後、抱き締めてくれた。


「わかってる…」


しばらく、お互いの温もりを感じ合いやがて離れた。


「…あ、そうだ。待っててくれ。あんたに渡したいものがあったんだ待っててくれ」


すると彼女は何か思い付いたように家の方へと駆け出した。



待つこと数分後、彼女は俺のもとに帰ってきた。一振りの剣を片手に。


「これは私の戦友の“ティアーシャ”が使っていたんだ。きっとあいつも、その名を受け継いだティアーシャに受け取って貰いたいと思ってる」


ナーサが俺につきだした剣は、俺が十字架に拘束され捕らわれている時に命を救ってくれた剣だった。


「…ん。わかった、ありがと」


「あぁ、どういたしましてだな」



ナーサは満面の笑みで返してくれた。俺も満面の笑みで笑う。


「じゃあ…行ってきます。今までお世話になりました」


頭を深々と下げてお礼をする。本当はこんな程度じゃ返せないほどの恩を受けたけど、なにもしないよりはましだと思う。


「あぁ、行ってらっしゃい。絶対に帰ってくるんだよ」

「うん、約束する。“ティアーシャ”の名を受け継いだ吸血鬼として」


剣を腰にかけ、踵を返して歩き出した。

後ろを振り返ってはいけない。そしたら、俺の心は揺れてしまうだろう。



この世界に来て、地球の、日本という国では得られなかったくさんのことを知った。

人の暖かみ、温もり、本当の正しさ…。数えていたらキリがないだろう。

それらを、俺は忘れない。例え、どんなことがあっても忘れない。ナーサとの日々、ルントとの料理。全ての思い出が輝いていた。





「さよなら、ナ…いや、母さん、父さん」





立ち込めている霧は俺が通った後にかき混ぜられ、再び元の形を形成する。




この先、どんな困難があって、苦しいことがあるのかわからない。

そんな時でも俺は自分が歩むべき道を見据えて、進んでいこう。


15000は無理でした…

絶賛高熱状態なので更新は遅れると思います




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