美少女との嬉しくない強制デート②
日間現実世界(恋愛)ランキング11位、週間現実世界(恋愛)ランキング38位でした!
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スポーツ専門店を出た俺たちは市民体育館に向かって歩いていた。もちろん、帽子はかなり深く被ってますよ。
「ねぇ、上井君」
栗山さんが俺の顔を覗きこみながら聞いてくる。
「どうしたんですか?」
「なんで美容院に行こうと思ったの?もしかして夏休みデビュー?」
なかなかいい線言ってるな!まぁ、分かりやすいかもしれない。だって夏休み最終日に美容院に行くやつだもんな。
「いや、違いますよ。髪の毛が伸びてきたなと思いまして」
「違うでしょ」
う!騙されてくれないか。
「だって上井君の髪の毛、そろそろ伸びてきたなって思える長さじゃないでしょ。髪の毛切る前の髪の長さ、顔全体隠せて他でしょ」
確かに。それがホントだったら俺がおかしい。
「お、お母さんに切れって言われたのですよ」
「本当に?」
まだ疑ってくるのか。まぁ、この言い訳も可笑しいけど。
栗山さんは俺の目に合わせてくる。それが嘘なのかそうでないのか見極めようとしているようだ。
「?でしょ」
栗山さんが確信めいたように言い放つ。
グキッ!なぜ、分かったし!言い訳が悪かったとはいえ、お母さんに切れと言われたからってのは嘘ではないかもしれないだろ!
「ねぇ、知ってる?」
俺が頭で思考を巡らせていると栗山さんが唇をニヤッとさせながら聞いてくる。
「上井君、嘘つくときにいつもする癖があるんだよ」
「!」
マジですか!なんでそんなこと知ってんだよ!
「なんで?みたいな顔してるね。それはねぇ」
ごくり。
「教えてあげなーい」
教えろよ!気になるじゃねえか!
「教えてくれませんか?」
「別に良いよ」
いいのか!
「教えてください!」
「じゃあね、これから私に対してだけため口で話して」
えぇ。そう来たか。いや、別に俺としてはありがたい限りなんだけど。ちょっと計画が早くなっただけか。いいか。いいのか?まぁいいや!
「栗山さん教えて」
「いや」
話が違うじゃないか!俺にどうしろと!
「遥香って呼んで」
それは可笑しい。暴論だ!流石に計画がずれる!下手したら俺は立ち位置がおかしくなる!そもそも俺にしたの名前を呼ばせてなんの意味がある?栗山が嬉しいとか?ではん、何故栗山が嬉しいのか?栗山が俺の事が好きだから。うん、おかしい!結果、おかしい!証明終了!
「それはいやです」
「じゃ、教えないけど、いいの?」
「くっ」
知りたい、知りたいけど!計画が崩れる方が嫌だ!
「じゃあ、いいです」
そういえば夕夏も俺の嘘を的確に当ててくるよな。もしかしてあいつも俺の癖を知ってるのか!電話してみよう!
「えぇ〜、それじゃあ、教えてあげるからため口話して」
ホントか?
「疑ってるよね?」
はい。
「じゃあ、先教えてあげるから、ため口で話してください」
そこまでして俺とため口で話したいのか?
「分かった。いいよ。よろしく、栗山さん。これでいい?」
「せめて呼び捨てが良かったけど、いいかな。分った教えてあげる。上井君が嘘つくときの癖はね、話し始めが少し声が大きくなるの」
え、マジ。
「その目は疑ってる目だよね。本当だよ。じゃあ、いくつか質問するからはいかいいえで答えて」
「分かった」
これであってたら本当だよな。でも、まだまだだな、栗山。気を付けていれば簡単なんだよ!
「上井君には恋人がいる」
いるか!でも、ここは嘘をつこう。
「いる」
「嘘だね」
何故分かった!しっかりと話し始めが大きくならないようにしたぞ。
栗山はにこりと笑って言った。
「上井君のことを詳しく知らない人は分からないかもしれないけど、上井君の?と本当を聞き続けてきた私には分かるの」
「え!」
うそ!じゃあ、今まで付いてきた嘘は全部見破られていたってことか!そもそもなんでそんなこと分かるんだよ!
「じゃあ、次行くよ。上井君にはとても仲が良くて、可愛い幼馴染がいる」
なんでそこまで細かく設定してきたんだよ!いや、いるけどさ!ここはあえて嘘をついている雰囲気を出してはいと答えよう。
「はい」
「え!いるの!」
分かるんかい!でも、もう少し粘ってみよう!
「いや、いないけど」
「嘘でしょ。もう分かってるから。へぇ、いるんだぁ〜」
一体どこで判断してるんだよ!
その質問をされ続けた結果、俺の性格、好きな食べ物などなどいろいろな事が暴かれました。