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最初の自動ドア?!

時期の変わり目と言えばそうかも。町行く人は服を一枚二枚と羽織り始め、

近場の商店街の売り場では、梨、イチジク、柿といった秋の美を彩る果物を店頭に売っている。

時に、凍てつく寒い突風を気にする瞬間は避けられないくらいの季節だろう。

だけどそんな寒い曇り空の下、寒さを一つも気にしない二人がいた。


土曜日の昼下がりの午後のことだ。寒くないということには単純な理由がある。


梨乃「大変、大変大変!!電車に間に合わないよ!!」


タキ「次の電車にしようよ。別に次の電車すぐ来るんじゃん?」


梨乃「次の電車まで3分だよ。3分の間に買い物たくさん見れるんだから~。」


人込みをすり抜ける二人。電車到着まで残り時間は短くなってきた所だ。


二人「はぁ・・・。はぁ・・・。はぁはぁ・・・。はぁ・・・。はぁ・・・。はぁはぁ・・・。」


タキ「早いよ。ちょっと、待って~~~~~ェ。」


梨乃「待ってあげないーーー。乗り遅れちゃう。電車に遅れちゃうのは学校に遅刻するのと同じ。たとえ休日であっても変わらないんだから。」


タキ「ちぇ。俺よりも電車。つか、買い物かよ。てか、どれだけ自分に厳しいんだよ。」


タキ「はぁはぁはぁはぁ・・・。はぁはぁはぁはぁ・・・。。。」


人込みを掻き分けて、階段を駆け上がり、定期券で改札をすり抜けて、階段を駆け下りる。


梨乃「きぃぃぃいいっぃぃぃぃぃいぃぃぃぃぃぃいいん。到着。」


電車のドアが開いた。


梨乃「あれ?タキくん・・・」


梨乃「。。。タキくん。。。間に合って!!!」


電車の発車ベルが鳴った。


間も無く、2番線の電車発車します。

駆け込み乗車はお止め下さい。

と、車掌がガイダンスしていた矢先ではある。これは一種のフラグでもあるのか?!!!


タキ「。。。すまん。車掌さん。。。」


タキ「ああああああああ。やばいよ!!!!間に合わない!!!!!!」


タキ「間に合うんだ!!!俺えええええ!!!休日の3分は平日の3分よりも大事!!!」


タキ「これはアイツの言っていることだ。俺じゃなかったな。」


猛烈にダッシュする靴音がホームに鳴り響く。


そしてドアが閉まった。


二人「やった!やったー!!!!!!!!」


途端に二人は笑みを交わして緩めた表情をする。いつもの二人の関係が戻ったと言うことだろう。


梨乃「お昼ご飯何にする?」


タキ「パスタ!パスタにしよ!軽いの食べて、買い物に行こう!」


梨乃「それ、賛成!!」


二人はお腹を空かせてこの後の昼食を楽しみにしばらくの間、電車に揺られていた。


梨乃「ふぁー。私、眠たくなっちゃった。」


タキ「かなり走ったから疲れたよね。着いたら起こすから寝てていいよ。」


梨乃は首をかしげ、自然とタキの肩に持たれかかる。若干嫌がりながらも受け身になっているタキである。

しかしタキの目は虚ろに。いつの間にか時間は経過すると、タキも梨乃と顔を寄せ合う形に寝てしまっていた。

この後の展開をいざ知らず。この二人は電車の中で深い眠りに堕ちていった。

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