ACT.03 高校デビューしてはいけないのですか? 03
注文して1週間で、初心者用ギターセットが届いた。
どうやら俺が頼んだギターは、ストラトタイプのギターらしい。
「高草木 直哉の『初心者でもわかるギター講座』! はい拍手!! 」
部屋中拍手の音で響いた。
......俺たちの妄想の中では。
「まずは、チューニング(ギターの1弦1弦の音を合わせること)からやってみよう! 」
チューナーは、ギターセットに付いてなかったから、別に1000円以内のものを購入した。
しかし、何でギターの音程はドレミじゃなくて、ローマ字なんだよ......
俺は、慎重にギターのペグを回した。
高草木の言うには、確か6弦(1番太い弦)から『E・A・D・G・ B・E』っと。
そこで俺は、初めてミニアンプに繋げて音を出してみた。
『ジャァァァァァァ〜〜〜〜〜ン! 』
俺は、感動のあまり何度も右手に持っているピックを弦に触れさせていた。
本当に無意識だった。
嬉しくて嬉しくて思わず笑っていた。
その顔を見ていた高草木は、すごく気持ち悪そうに見ていたのを視界に捉えていた。
「つ、次に行っていいか? 」
申し訳なさそうな素振りで繰り出してくる高草木。
「あ.....あぁ、ごめん。いいよ.....」
「まぁ、次は『パワーコード(コードの構成音から第3音を省略したもの)』!! 」
「お、おう! よろしく頼む!! 」
「......をやろうと思ったけど、めんどくさいから次行くぞ! 」
「.....飛ばしていいのか? 」
「良くないと思うが、次行くぞ! 」
「それじゃあ、飛ばすなよ.....! 」
「次は.....」
「って、話を聞けー!! 」
高草木は、わざわざコード表を作ってくれていた。
.....これなら、普通に初心者用参考書でも買えばよかったのに。
って、言うのは野暮かな......