ACT.01 高校デビューしてはいけないのですか? 01
20XX年、11月15日(日)
この日は、我らが百日紅中学の百紅祭、もとい音楽祭の日だった。
僕たちの中学での音楽祭の後半は、『自由参加部門』という様々の生徒たちが『漫才・バンド・弾き語り』などの自由な出し物をステージの上でやるのだ。
みんな楽しんで騒いでいた。
もちろん俺も同じだけどね。
俺は、楽しいことが大好きだった。
だから、俺もこの『自由参加部門』に出たかった。
でも俺の周りの人は、みんな消極的で誰も一緒に参加してくれなかった......
これだから消極的なヤツは!!
まぁ俺も人間関係では、やばいほど消極的だけど......
べ、別に恥ずかしくなんてないんだからね!!
......っとそんなこと言っている間に、俺のクラスのメンバーのバンド『雨風苦痛人』が、ステージに上ったぞ!
『みんな、俺たちのライブにようこそ!!』
ボーカルがそう言うと同時に、楽器のメンツが音を鳴らし始めた。
そうすることで、もっと会場の盛り上がりも、温度もヒートアップした。
『まず、メンバー紹介だ! リードギターのーーー』
どんどんと紹介が終わっていった。そして、その1人1人が自分の紹介が終わった後にソロを披露していた。
やはり、ステージに立つだけあってみんな上手い......!
ソロだけで分かった。
こんな初心者にも分かったのだ。他の人が分からないはずがない。
『俺たちの1曲目は、バンドではお馴染みのこの曲だ!!』
みんなが演奏を始める。
この曲は、俺でも知っている曲だった。
そう『小さな○のうた』だった。
♪ ♫ ♩ ♪ ♫ ♩ ♪ ♫ ♩
『みんなありがとう!!』
気が付けば俺は、そのバンドが見えなくなるまでずっと手を大きく挙げて拍手をしていた。
感動したのだ。
第一印象にカッコよかった!
特に、サイドギター(って言ってたっけ?)の『高草木 直哉』のギターの虜になっていた。
俺もやってみたい!
そう思った瞬間だった。