第一章 #1
まだまだ未熟な中学生です。至らぬところが多々あると思いますが、暖かい目で見てくださるとありがたいです。
「起きろー!!」
何か声がする…眠いのに…
「あと五分…」
「今すぐ起きろー!!起きないと…ん~どうして欲しい?兄ちゃん?」
「やられる側に聞くことかそれ!?」
七河力也はガバッと起き、思わず突っ込んでしまった。
「やっと起きたね!お兄ちゃん!」
目覚めたばかりの目をこすり、声のした方をみると、そこには可愛らしい少女がいた。無論彼女などではなく妹の七河姫子だ。
「まだ6時半ではないか!なぜこんなに早く起こすのだ妹よ!」
おれは時計を見ながら妹に聞いた。学校が始まるのは、8時半からなのでまだまだ時間はあるはずなのだ。
「それはもちろん…お兄ちゃんと一秒でも長くいたいからだよ!!」
「な…なにを言っている!」
妹の発言に不覚にも驚いてしまった。
「なんてうっそー!へへ、お兄ちゃんまさか妹に欲情した?したんでしょ!!」
「しとらんわ!!」
そう言って俺は部屋から妹を追い出した。
「お兄ちゃん朝飯をつくってくださいよぉ~!」
リビングの方から声がする。親に作ってもらえよ…って、そういえば出張だったんだ。すっかり忘れていた。おれは急いでリビングへ行って、朝食の支度を始めた。
「朝飯まだですか~お兄ちゃん?」
「いや、今作り始めたの見てましたよね?妹様よ?」
「さーてテレビでもみよっかな~」
「無視すんなよ!おい!」
いつもどうりひどい妹だ。親がいないことでさらに酷くなっている。そんなんじゃ、お兄ちゃん悲しくて泣いちゃいますよ?そんなことを思っているとテレビからニュースの声が聞こえた。
「緊急ニュースです。今年で三度目となる惑星の不自然爆破が発生していたことがけさ分かりました。前々回は海王星、前回は金星、そして今回は土星です。原因は未だ不明ということで……」
「なんだか怖いね。地球は大丈夫かな?お兄ちゃん?」
「大丈夫なのを祈るしかないな…」
おれもこのニュースはとても怖かった。今年に入ってから突然発生したのだ。地球も時間の問題だとか言って騒いでるやつが、いま地球にはたくさんいる。
「ほれ朝食できたぞー。」
「やっほーい。やっと飯にありつけるよ!いっただっきまーす!」
「いただきます。」
妹と俺はゆっくりと飯を食い始めた。
「今日は始業式だから、早帰りだっけ?」
「そうだぞー」
「昼食は何がいい?」
「ん~と…チャーハンとか?」
「じゃあそれにするか」
そっか、今日は始業式だったか…今日からは新しいクラス。新しい学年に上がる日なのだ。そう思うと少し不安になる。
「ごちそうさまアンド行ってきまーす!」
「おう、行ってらっしゃい。」
妹の学校は家から遠いのだ。
「さて、おれも支度するか。」
支度したあと俺も学校へ向かった。空を見上げると、何かラッキーなことでもありそうなほどの、晴天だった。
★
学校へ着いたのは8時15分くらいだった。
「えっと俺のクラスは…2年3組か。」
いいクラスだといいな…そう思いながら俺は教室の前まで移動した。今年一年、通い続ける教室のドアをあけ席についた。
「おっす力也!」
「ん?ああ、優也かおっす。」
「ああってなんだよああって!酷いよ力也クン!私たちそんな仲だったの!?」
「お前の言っているそんな関係では少なくともない。」
「ちぇっ乗り悪いなー」
このふざけた少年は、佐藤 優也。成績は中の下。見た目的には顔は中性的で髪型は長め、目はキリッとしている。俺とは一応親友の仲だ。
「てかよ、力也。」
「ん?どうした?」
「妹さん元気?」
「…なぜそれを聞く必要が?」
「いやいや!狙ってるとかじゃないって!」
「妹は少なくとも貴様にはやらんぞ!!」
「だから違うって〜、狙ってるわけじゃないから会わせて〜」
こいつ…墓穴を掘ってることに気づいてないのか?下心丸見えじゃないか。
相変わらずこいつは変わらないな。
キーンコーンカンコーン
「ほらチャイムだぞ優也。体育館いくぞ。」
「じゃあ、会わせろよ!」
「なぜそうなる…」
朝からこんな馬鹿話してては、みんなに引かれるだろ、そう思いながら俺たちは並んで体育館へ向かった。
「会わせてよ〜」
「いいかげんしつこいぞ!!」
「ね?ちょっとだけ?お願い!」
「前会わせたときもそう言って結局一時間いたくせに。」
「俺にとっては少しなんだよ」
「こいつ…」
なぜこんなに会いたがるのか俺は不思議でたまらない。だいたい、優也はルックスはいいのでぶっちゃけモテる。しかし、告白を全部断っている。この頃はそのせいで俺とのホモ説が噂され始めた。みんな聞いて!俺無関係!そう心で叫んだ。隣ではまだブツブツ優也が言っている。いいかげん叩こうかと思った時ちょうど体育館についた。
体育館に入り全校生徒が整列すると、のろのろと校長が話し始めた。
「えーあのーそのーあー、今日から学校が始まるのですけどー、えーあーそのー。」
相変わらずだるい。眠い。あーとか言い過ぎだろ!とつっこみたくなる。ほらみろ、前の方のやつ立って寝てしまってるじゃないか…って優也かよ。
「ですからーえーあのー」
ズゴァァァァァァァ!!
「うわっ!」
と校長の話の途中で突然大きな音がした。みんなが音のした方を見て、唖然とした。俺もその方をみると…
今まであったはずの屋根がなかった。
おかしい、おかしい、おかしい、しかもそこに人影があるのだ。空中に浮かんだ人影が。もうこれは唖然とするしかない。声が出ない。しばらくすると、その人影がしゃべり始めた。
「突然だけど、地球侵略しちゃいまーす。応援よろしくね?」
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