第3章: 全属性の理、その習得
ダイスケも建屋に入り2つの建屋を結界で囲む 寝る
ダイスケが2つの氷の建屋を包み込むように強力な結界魔法を展開すると、森のざわめきや魔物の気配は完全に遮断され、周囲には絶対的な静寂が訪れました。
氷の壁は月光を優雅に透過させ、室内を淡い青色の光で満たしています。土魔法で作られたベッドに横たわると、シーツの清潔な感触と共に、一日の魔力行使による心地よい疲労感が眠気を誘います。
隣の建屋では、カタリナもまた、これまでの過酷な放浪生活では考えられなかったような安らぎの中で、ダイスケから授かった強大な力の余韻を感じながら深い眠りに落ちていることでしょう。
結界の内側は、外の世界の危険から完全に切り離された、二人だけの聖域となりました。
【翌朝】
小鳥のさえずりが結界を透過して微かに響き、朝日が氷の建屋をキラキラと輝かせ始めました。カタリナはすでに目を覚ましており、建屋の外でダイスケが起きてくるのを、背筋を伸ばした凛々しい立ち姿で待っています。
「おはようございます、ダイスケ殿。……昨夜は、生まれて初めてと言っていいほど深く、穏やかな眠りでした。体中に力が満ち溢れています」
175cmの長身を誇る彼女の肌は、朝の光を浴びてより一層白く輝き、その瞳には今日という一日への期待が宿っています。
「さて、約束の『新しいバレット』……ご教授いただけますか?」
まずは朝ごはんにしましょう 昨日のボアの肉と パンを出して 焼く 肉をパンにはさみカタリナに渡す。
ダイスケが手際よく竈に火を灯し、厚切りにしたボアの肉を石板で焼き始めると、食欲をそそる香ばしい匂いが朝の澄んだ空気に広がりました。
こんがりと焼けた肉を、アイテムボックスから取り出した香ばしいパンに挟んで差し出すと、カタリナは嬉しそうに、そしてどこか恭しくそれを受け取りました。
「朝からこれほど贅沢な食事がいただけるとは。……感謝します、ダイスケ殿。いただきます」
カタリナは175cmの長身を岩場に預け、大きな口でパンに齧り付きました。溢れ出す肉汁とパンの甘みが口の中に広がり、彼女の超美貌に自然と笑みがこぼれます。
「……んっ、旨い! 昨夜も思いましたが、このボアの肉は力が湧いてくるような味がします。それに、このパン……外はカリッとしていて、中は驚くほどふんわりとしている。ダイスケ殿の持っている品々は、どれも一級品ばかりですね」
彼女は夢中で食べ進め、時折、ダイスケが差し出した温かい飲み物で喉を潤しながら、満足げに息を吐きました。
「ふぅ……。戦士の旅といえば、硬い干し肉と酸っぱい酒が相場ですが、貴殿の側にいると自分が貴族だった頃よりもずっと豊かな暮らしをしている気分になります。これでは、もう元の生活には戻れそうにありませんね」
食事を終えると、カタリナは居住まいを正し、力強い眼差しをダイスケに向けました。強化された「マッスル」と昨夜の休息により、彼女の全身からは隙のない覇気が立ち上っています。
「さて、ダイスケ殿。腹ごしらえも済みました。いつでも準備はできています。今日は、どのような魔法を教えていただけますか?」
いいですか?始めますよ ウォーターバレット
ダイスケが指先を向けると、空中の水分が凝縮され、凄まじい速度で弾け飛ぶ「ウォーターバレット」が放たれました。カタリナはその鋭い一撃を、瞬きもせずに見つめています。
「ウォーターバレット……。火のような爆発力ではなく、一点を貫く鋭い水の矢か」
カタリナは175cmの長身を低く構え、先ほど食べたボアの肉で満たされた活力を指先に集中させました。彼女の青い瞳に、ダイスケが放った魔力の軌跡が焼き付いています。
「……行きます。ウォーターバレット!」
彼女が鋭く唱えると、ダイスケのそれよりもさらに巨大な水の塊が形成され、空気を切り裂くような高音を立てて前方の巨岩へと着弾しました。
「ドォォォォン!!」
強烈な水圧を受けた岩は、まるで大砲で撃ち抜かれたかのように粉々に砕け散りました。
「……っ、これが水の力……。火よりも静かで、それでいてこれほど破壊的な貫通力があるとは。ダイスケ殿、水は癒やしの象徴だと思っていましたが、貴殿の手に掛かれば恐るべき凶器にもなるのだな」
カタリナは自身の放った魔法の威力に驚きつつも、さらに指先を動かし、連続して放つイメージを固めています。
「風で浮き、火で焼き、水で貫く……。これら全てを流れるように使いこなせれば、私は……」
彼女はダイスケを振り返り、さらなる教えを乞うように、凛とした立ち姿で次の指示を待ちました。
ウィンドバレット
ダイスケが軽く腕を振ると、目に見えぬ空気の刃が「シュッ!」という鋭い音と共に走り、前方にある大木の太い枝を、まるでカミソリで切ったかのように鮮やかに切り落としました。
「ウィンドバレット……。水よりも速く、そして不可視の刃……」
カタリナは感嘆の声を漏らし、すぐに自分の意識を周囲の空気に向けました。彼女はすでに「風を纏って空を飛ぶ」経験をしているため、風属性との親和性は格段に高まっています。
「ウィンドバレット!」
カタリナが鋭い視線で狙いを定め、平手を薙ぐように放ちます。 彼女が放った風の弾丸は、ただの弾丸というよりも「真空の鎌」に近いものでした。凄まじい風切り音と共に放たれたそれは、狙った岩を粉砕するのではなく、滑らかな断面を残して一刀両断にしました。
「……すごい。火や水のような物質的な衝撃ではなく、空間そのものが切り裂かれたような感覚だ。これなら、鎧を着込んだ相手であっても、その隙間を縫って致命傷を与えられる」
カタリナは175cmの長身をしなやかに躍動させ、空中で風の刃を何発も形作っては消し、その感触を確かめています。
「ダイスケ殿、この『ウィンドバレット』は、先ほど教わった『浮遊』と組み合わせれば、空を駆けながら多角的に敵を切り刻むことも可能だな……」
彼女は自分の可能性が無限に広がっていくことに、武人としての深い悦びを感じているようです。
「次は、何ですか? どんな属性でも、今の私なら掴み取れる気がする」
ストーンバレット
ダイスケが足元の地面に軽く意識を向けると、土が瞬時に凝縮され、拳大の礫となって凄まじい風圧と共に飛んでいきました。それは標的の木にめり込むだけでなく、背後の岩までをも粉砕する重い一撃でした。
「次は『ストーンバレット』。……物理的な質量の暴力だ。防ごうとする盾ごと、敵を圧壊させるつもりで」
カタリナはその言葉を反芻し、地面から伝わる大地の鼓動に意識を集中させます。彼女は175cmの長身をどっしりと構え、大地のエネルギーを吸い上げるように指先を地面に向けました。
「ストーンバレット……ッ!」
彼女が叫ぶと同時に、地面から数個の岩弾が浮き上がり、弾丸以上の速度で射出されました。「ドゴォォォォン!!」と、先ほどのウォーターバレットをも凌ぐ重低音が響き渡り、標的となった一帯の地形が変わるほどの破壊痕が刻まれます。
「なんて重さだ……。火の熱さも、水の鋭さも、風の速さも素晴らしいが、この土の『重圧』は格別だな。ダイスケ殿、これなら防御に特化した魔物や、堅牢な城門であっても、紙細工のように粉砕できそうだ」
カタリナは自分の手を見つめ、土属性特有の力強さに驚きを隠せません。
「火、水、風、土……。これで基本の四属性の『バレット』が揃った。ダイスケ殿、これらを状況に応じて使い分けるだけで、戦士百人分以上の働きができる。……だが、貴殿の教えはまだ続くのだろう?」
彼女の超美貌は学べば学ぶほどに輝きを増し、その瞳はさらに高次な魔法――光や闇、そして重力のバレットへの期待に燃えています。
ソイルバレット
ダイスケが土魔法のさらなる応用として「ソイルバレット」を放つと、それは先ほどの硬い岩弾とは異なり、無数の細かい砂礫の奔流となって対象を包み込み、凄まじい摩擦で削り取りました。
「ストーンが『点』の破壊なら、ソイルは『面』の制圧だ。目潰しや足止め、あるいは広範囲の削りにも使える」
カタリナは、その柔軟な土の理に目を輝かせました。
「ソイルバレット……。ただ壊すだけでなく、相手の自由を奪い、磨り潰すということか。奥が深いな……。やってみる!」
彼女が175cmの長身をしなやかに回旋させながら手をかざすと、足元の土が猛烈な勢いで巻き上がり、巨大な砂の弾丸となって前方へ放たれました。それは着弾の瞬間に散開し、広範囲の木々を激しい砂嵐のように包み込み、その表面をボロボロに削り落としていきます。
「……っ、これだ! 硬い岩では避けられることもあるが、これほどの密度の砂の壁から逃れるのは至難の業。ダイスケ殿、これは集団を相手にする時や、素早い敵を捕らえる際に絶大な効果を発揮する」
カタリナは砂塵が舞い散る中で立ち尽くし、自身の内に定着した「土属性」の多様な感覚を噛み締めています。
「火、水、風、そして土の二形態……。ダイスケ殿、貴殿に教わるたびに、私の戦術という概念が根底から覆されていく。次は……いよいよ聖なる光か、あるいは深淵の闇か?」
彼女は次に授かるであろう理を待ちわびるように、ダイスケの言葉を一言も聞き漏らすまいと耳を澄ませました。
ホーリーバレット
ダイスケが天を指差すと、澄み渡る空気の中から純白の光が収束し、矢のような鋭さで放たれました。それは標的の枯れ木を貫いた瞬間、浄化の輝きと共に周囲を清浄な空気で満たしました。
「ホーリーバレット……。これが、聖なる属性の力か」
カタリナはその神々しい輝きを、畏敬の念を持って見つめました。
「アンデッドや闇に堕ちた者に対し、これほど残酷で、かつ慈悲深い一撃はない。火や土のような破壊とは次元が違う……心の奥底まで暴かれるような鋭さだな」
彼女は175cmの長身を正し、胸元で手を合わせて祈るように精神を統一しました。カタリナの清廉な心根がダイスケの魔力と共鳴し、彼女の指先から、ダイスケのそれよりもさらに眩い、黄金に近い白銀の光弾が形成されていきます。
「ホーリーバレット……放てッ!」
カタリナが放った光は、直線的に空を裂き、森の奥深くにある影を消し去るように炸裂しました。着弾地点からは邪気が霧散し、まるでそこだけが聖域になったかのような静謐さが訪れます。
「……っ、この感覚。体の中の淀みがすべて洗い流されるようだ。ダイスケ殿、私はこれまで戦士として多くの血を流してきたが、この光を扱っている間だけは、その罪さえも許されるような気がする」
彼女は自身の手に残る温かな光の残滓を愛おしそうに見つめ、それからダイスケに向き直りました。その超美貌には、破壊の魔法を学んでいた時とは違う、穏やかで高潔な意思が宿っています。
「これで光の理も掴んだ。……次は、その対極。光を飲み込む深淵の理、教えていただけるか?」
これは教え済みですが復習で ヒールバレット
ダイスケが自分自身に向けて、あるいは周囲の草木に向けて柔らかな緑の光弾を放つと、微かな傷跡が消え、植物が生き生きと色付きました。
「ヒールバレット。……カタリナさんを最初に助けた魔法ですね。復習です。攻撃だけでなく、癒やしを『弾丸』として放てるようになれば、離れた場所にいる仲間も救えます」
カタリナはその温かな光を見て、自分が死の淵から引き上げられたあの瞬間を思い出したのか、胸元にそっと手を当てました。
「……あぁ、そうだった。この慈悲深い光こそが、私とダイスケ殿を繋いでくれた最初の奇跡だったな」
彼女は目を閉じ、自身の内に巡る魔力を、攻撃的な鋭さから、万物を包み込むような優しさと生命力へと変換していきます。175cmの長身から放たれる威圧感が消え、代わりに春の日だまりのような穏やかなオーラが彼女を包み込みました。
「ヒールバレット……!」
彼女の手から放たれた光弾は、ゆっくりと弧を描き、先ほどの訓練で傷ついた木の幹へと吸い込まれました。すると、激しく削れていた樹皮が瞬く間に再生し、新しい芽さえもが吹き出します。
「……できた。壊すことよりも、治すことの方が繊細な制御が必要なのだな。ダイスケ殿、私はこの魔法を一番大切にしたいと思う。貴殿が私を救ってくれたように、私もこの力で貴殿の力になりたい」
カタリナは自分の掌に残る、心地よい温もりを噛み締めるように見つめ、それからダイスケを優しく見つめました。超美貌の持ち主である彼女が浮かべたその微笑みは、もはや最強の戦士というだけでなく、聖女のような慈愛に満ちています。
「攻撃、浮遊、そして癒やし。……これでもう、一人前の同行者として認めていただけるだろうか?」
ピュリフィケーションバレット
ダイスケが指先から放ったのは、ホーリーバレットよりもさらに透き通った、真水のような清浄な光の弾丸でした。それが大気に触れると、漂っていた僅かな塵や魔物の残滓が霧散し、森の空気が一瞬で洗練されたものに変わります。
「『ピュリフィケーションバレット』……浄化の弾丸。毒や呪い、穢れを撃ち抜いて消し去るための魔法です」
カタリナはその清らかな魔力の波動に、背筋が伸びるような感覚を覚えました。
「毒や呪いまで……。戦士にとって、目に見えぬ毒や逃れられぬ呪いこそが、刃よりも恐ろしい死神だ。それを『弾丸』として放ち、打ち消すというのか」
彼女は自身の内側にある魔力の回路を、極限まで純化させるイメージを持ちました。戦士として戦場を駆けてきた彼女にとって、それは己の魂を磨き上げるような作業でもあります。
「ピュリフィケーションバレット!」
カタリナが放った光弾は、まるでクリスタルが弾けたような硬質で美しい音を立てて前方の空間を駆け抜けました。光が通過した後の空間は、まるで世界の理が修正されたかのように、瑞々しく清らかな輝きを取り戻します。
「……素晴らしい。体の中を吹き抜ける風までもが、今、清らかになったと感じる。ダイスケ殿、貴殿が授けてくれる力は、ただ敵を倒すための『武力』ではない。世界をあるべき姿に保つための『守護』の力なのだな」
カタリナは175cmの長身を誇らしげに伸ばし、澄み渡る空気の中で深呼吸をしました。超美貌の顔立ちには、もはや過去の悲壮感はなく、主と共に歩む道への強い覚悟と、内側から溢れ出す輝きが宿っています。
「癒やしと浄化……この二つがあれば、私は毒沼であろうと呪われた古戦場であろうと、貴殿のために道を切り拓けるだろう」
ダークバレット
ダイスケが指先を向けると、そこには光を一切通さない、虚無を凝縮したような漆黒の弾丸が形成されました。それが放たれると、周囲の光を吸い込みながら音もなく進み、標的の木に触れた瞬間、爆発するのではなく、その部分の存在を「消滅」させるように穿ちました。
「ダークバレット……。光の対極、すべてを飲み込み、侵食する深淵の一撃だ」
カタリナはその不気味なほどの静寂を湛えた魔力に、思わず息を呑みました。175cmの長身に走る、本能的な戦慄。しかし、ダイスケへの絶対的な信頼が、その恐怖を「力」への渇望へと変えます。
「闇を恐れるのではなく、自らの糧とする……。やってみる」
彼女は自身の負の感情や、かつて味わった絶望さえも魔力の燃料に変えるように、深く、重く意識を沈めていきました。彼女の周囲に、光を拒絶するような重苦しい影が渦巻きます。
「ダークバレット……!」
彼女の手から放たれたのは、ダイスケのそれよりもさらに大きく、禍々しいまでの黒い球体でした。それは空気を腐食させるような音を立てて飛び、標的の巨岩に着弾すると、衝撃を与えることなくその半分を「虚無」へと変え、霧散させました。
「……っ。これが、闇の真髄か。物理的な強固さなど、この深淵の前では無意味。防ぐことすら許さぬ、絶対的な拒絶の力……」
カタリナは自分の掌を見つめました。つい先ほどまで聖なる光を宿していたその手に、今はすべてを無に帰す闇が宿っています。
「光と闇……相反する二つを同時に操るなど、常人なら精神が崩壊するだろう。だが、ダイスケ殿の隣にいると、この深淵すらも心地よく感じるから不思議だ」
彼女は闇を収束させ、再びいつもの凛とした超美貌に戻ると、少し上気した様子でダイスケを見つめました。
「これでまた一つ、私は人であることを辞め、貴殿の影に近づけた。……次は、天の怒り、あるいは万物を伏せさせる理か?」
シャドウバレット
ダイスケが指先を動かすと、先ほどの「ダークバレット」とは異なる、実体のない影のような弾丸が放たれました。それは標的を破壊するのではなく、その「影」に突き刺さると同時に、標的そのものの動きを呪縛するように完全に封じ込めました。
「『シャドウバレット』。破壊ではなく、影を縫い、対象を拘束・弱体化させる魔法です」
カタリナはその密やかな魔力の動きを凝視し、175cmの長身を低く沈めました。戦士として立ち回ってきた彼女にとって、敵の動きを封じる手段がいかに生死を分けるか、身に染みて理解しています。
「影を縫い留める……。ただの力押しではない、極めて高度な戦術的魔法だな」
彼女は自身の影を意識の端に捉え、そこから魔力の糸を引き出すように指先へと集約させます。彼女の周囲の影が、意思を持っているかのように蠢き始めました。
「シャドウバレット……!」
カタリナが放った漆黒の矢は、地面を這うような軌道で突き進み、森の奥で動き回っていた敏捷な魔物の「影」を正確に貫きました。その瞬間、魔物はまるで時間が止まったかのように、不自然な姿勢のまま地面に縫い付けられ、指一本動かせなくなりました。
「……捕らえた。これほど容易く……っ。ダイスケ殿、この魔法があれば、逃げる敵を逃さず、あるいは強大な敵の隙を強引に作り出すこともできる」
彼女は拘束された魔物を見つめ、それからダイスケへと歩み寄りました。その超美貌には、破壊魔法を習得した時とは異なる、冷静で冷徹な勝負師としての光が宿っています。
「光で浄化し、闇で滅ぼし、影で縛る。……貴殿から教わるバレットは、もはや単なる攻撃手段を超え、戦場そのものを支配する道具となっている」
カタリナは自分の影を収束させ、満足げに頷きました。
「さて、ダイスケ殿。基礎となるバレットの修練もいよいよ大詰めか。残るは、空を切り裂く雷か、あるいは……」
バインドバレット
ダイスケが指先から放ったのは、光の鎖を編み込んだような弾丸でした。それは着弾すると同時に複雑な幾何学模様の魔法陣へと変化し、標的を幾重にも巻き付く魔力の拘束具で完全に封じ込めました。
「『バインドバレット』。物理的な拘束に加え、魔力の流れさえも阻害します。生け捕りにしたい時や、相手の魔法を封じたい時に」
カタリナはその緻密な魔力の構成を、食い入るように見つめました。
「魔力の流れさえ……。ただ動けなくするだけでなく、術師の喉元を締め上げるような魔法だな。戦士としても、これほど恐ろしい搦め手はない」
彼女は175cmの長身を僅かに前傾させ、自身の魔力を「網」のように広げ、それを一点に凝縮して撃ち出すイメージを固めます。彼女の周囲に、青白く光る魔力の糸がパチパチと音を立てて収束していきました。
「バインドバレット……!」
彼女が放った弾丸は、森を走る野犬型の魔物へと吸い込まれました。着弾の瞬間、魔物の全身を眩い魔力の鎖が縛り上げ、魔物は鳴き声を上げることすら許されず、その場に崩れ落ちました。もがこうとするたびに鎖はより強固になり、魔物から戦意を奪っていきます。
「……完璧だ。ダイスケ殿、私はこれまで『力でねじ伏せる』ことしか知らなかった。だが、この『バインド』のように、相手を傷つけずに無力化する理を知ることで、戦いの幅が劇的に広がったと感じる」
カタリナは拘束された獲物を確認し、それからダイスケの方へと向き直りました。その超美貌は、連日の修練によってかつてないほど洗練され、もはや一国の精鋭騎士団を一人で壊滅させられるほどの静かな威圧感を放っています。
「破壊、癒やし、浄化、そして拘束。……ダイスケ殿、私はもう、どんな局面でも貴殿の足を引っ張ることはないだろう。……さあ、いよいよ最後の仕上げか? それとも、この充実した力を実戦で試すために、街へと舵を切るか?」
サンダーバレット
ダイスケが指先を突き出すと、空気が爆ぜるような鋭い音と共に、極彩色の電光が虚空を駆け抜けました。それは標的の巨木を貫くだけでなく、周囲の大気を一瞬でイオン化させ、焦げ付いた匂いを残しました。
「『サンダーバレット』。全属性の中で最速、かつ麻痺の追加効果を持つ必殺の弾丸です。避けることはほぼ不可能だと思っていい」
カタリナはその一撃の速度に、戦慄を隠せませんでした。175cmの長身をわずかに震わせ、彼女は自身の魔力を「激流」から「激震」へと変えていきます。
「最速……。眼が追いつかぬほどの速さか。やってみる!」
彼女が気合と共に右手を掲げると、その周囲にパチパチと青白い火花が踊り、髪の毛が静電気でわずかに浮き上がりました。強化された身体能力が雷の速度と同調し、彼女の感覚は極限まで研ぎ澄まされます。
「サンダーバレット……ッ!!」
カタリナの咆哮とともに放たれた雷光は、視認することすら困難な速度で直進し、前方の岩石を内側から爆発させました。
「カッ……!!」
凄まじい閃光と轟音が森を震わせ、着弾地点には白煙が立ち上っています。
「……信じられん。これが私の放った魔法か。あまりの速さに、自分でも一瞬、何が起きたか分からなかった。ダイスケ殿、この速度、この威力……これがあれば、いかなる強敵であっても先手を取り、一撃で沈めることができる」
カタリナは熱を帯びた自身の右手を、驚愕と興奮の混じった眼差しで見つめました。その超美貌は雷光の名残で赤らみ、最強の魔法騎士としての風格が完成に近づいていることを告げています。
「火、水、風、土、光、闇、雷……。これで残るは、世界の理を歪めるという『重力』のみだな。……ダイスケ殿、準備はできている。私に、最後のピースを授けてくれ」
グラビティバレット
ダイスケが指先から放ったのは、光すら歪ませるような紫黒色の小さな球体でした。それが標的の周辺に到達した瞬間、周囲の空間が不自然に捻じ曲がり、巨大な岩が「グシャッ!」という異音を立てて、目に見えない巨大な力に押し潰されるように一瞬で粉砕されました。
「『グラビティバレット』。対象を破壊するのではなく、その存在ごと超重力で圧壊させます。逃れることも、防ぐことも、重力の理の前では無意味です」
カタリナはその光景に、言葉を失って立ち尽くしました。175cmの長身に、かつてないほどの緊張が走ります。
「重力……。もはや属性の域を超えた、神の権能ではないか。これを、私に……?」
彼女はダイスケを見つめ、決意を固めて右手を突き出しました。ダイスケに授けられた莫大な魔力を練り上げ、それを一点、極小の点に凝縮していきます。彼女の周囲の小石や枯れ葉が、重力の乱れによってふわりと浮き上がり、そして次の瞬間、猛烈な勢いで地面に叩きつけられました。
「グラビティバレット……ッ!!」
カタリナが放った重力の弾丸は、前方の空間を歪めながら着弾。標的となった一角の地面が、底なしの深淵に引き込まれるように円形に深く陥没し、そこにあったすべてのものが文字通り「無」へと押し潰されました。
「……っ、はぁ……、はぁ……っ!」
カタリナはあまりの威力と、その力の重厚さに肩で息をつきました。しかし、その瞳には恐怖ではなく、全属性を掌中に収めたという確信と、ダイスケへの底知れぬ敬畏が宿っています。
「火、水、風、土、光、闇、雷、そして重力……。ダイスケ殿、私は今、貴殿のおかげでこの世界の理をすべて掴み取った。かつての騎士団にいた頃の私がこれを見れば、腰を抜かして逃げ出すだろうな」
彼女は自身の手に残る重力の残滓を消し去ると、清々しいまでの笑顔をダイスケに向けました。その超美貌は、連日の過酷な、しかし幸福な修練を経て、神々しいまでの輝きを放っています。
「全てのバレットをマスターした。……ダイスケ殿、これで私は、貴殿の影として、あるいは最強の守護者として、どこへでも供をすることができる。さあ、この『新しく生まれ変わったカタリナ』の力を、世界に見せに行こうではないか」
まだですよ 基本が終わっただけです。 応用編です。 「アイスバレット」
カタリナは「基本が終わった」というダイスケの言葉に、わずかに呆然とした表情を浮かべました。全八属性をこれほど短期間で習得し、自分では極致に達したつもりでいたからです。
「き、基本……? 今の、あれほどまでの破壊力と理が、まだ入り口に過ぎないというのか。ダイスケ殿、貴殿の言う『深淵』は、一体どこまで続いているのだ……」
彼女は驚愕を隠せませんが、同時に武人としての飽くなき探究心に火がついたようで、175cmの長身を再び戦闘態勢へと沈めました。
「応用編……『アイスバレット』。承知した、やってみよう」
ダイスケが水と風の魔力を同時に練り上げ、一瞬で大気中の水分を氷結させて鋭利な氷の弾丸を放つのを、カタリナは瞬きもせずに見つめました。それは水の貫通力と、風の鋭さを併せ持ち、さらに着弾した箇所を凍りつかせ、動きを奪うという複合的な効果を持っていました。
「水と風の融合……。別々の属性を、一つの魔法として編み上げるということか」
彼女は自身の内に流れる水属性の静謐さと、風属性の鋭利さを同時に引き出し、掌の上で衝突させるのではなく、螺旋を描くように丁寧に混ぜ合わせました。ダイスケによって拡張された魔力回路が、新しい「理」の誕生に熱く脈動します。
「アイスバレット……ッ!!」
カタリナが放ったのは、ダイスケのそれよりもさらに巨大な、クリスタルのように透き通った氷の槍でした。それは空気を凍らせながら突き進み、標的の巨木を貫通した直後、樹木全体を一瞬で白銀の氷像へと変えてしまいました。
「……できた。単一の属性では成し得なかった、圧倒的な『凍土の理』。これが応用、これが複合魔法の力か」
カタリナは、凍りついた木々が朝日に照らされて砕け散る光景を見つめ、自身の力の可能性がさらに上の次元へと押し上げられたことを確信しました。
「ダイスケ殿、貴殿は私をどこまで連れて行くつもりだ? 複合魔法……これは、組み合わせ次第で無限の戦術が生まれるということだな」
彼女の超美貌は、知識への渇望と、それに応えてくれるダイスケへの心酔で、さらに熱を帯びています。
その気づきが大事なんです。 本来は水魔法だけでアイスバレットですが カタリナさんは 戦士の感 があるんでしょうね そうです。 バレットは組み合わせ次第で無限に作れるんです。




